半導体工学研究室
H11年度卒研テーマ内容(各卒研生文責)卒業研究概要
半導体の電極形成
石井 勝哉
本研究は、半導体への電極形成についての研究であります。
電極は、半導体材料を電子デバイスとして用いるのに必要なもので、その特性を左右するほど重要なものです。本研究では、電子デバイスの本来の特性を引き出すための最良の電極材料・付け方を研究する事にあります。
電極形成までのプロセスは、@材料を切断する。A研磨・エッチングを行う。B電極形成をする。という手順になっています
この中でも、Aの研磨は、とても重要な手順です。本研究では、CP4というエッチング液を用いて、化学研磨を行います。CP4につける時間、CP4の種類などによってどのように違ってくるかを、SEMという電子顕微鏡を用いて、ミクロな部分まで観察していきます。Bの電極形成ではこの半導体材料にはどの電極材料が良いのか、またどのように電極をつけるのかを、同様にSEMを用いて観察します。最終目標は、ダイアモンドへの電極形成を行いたいと思います。
半導体の電気伝導
楠 幸治
本研究の目的は半導体の電気伝導度とホール効果の温度依存性の測定により、半導体の電気伝導機構を理解することにあります。更にこの理解を元に未知の半導体の電気伝導機構を解明していくことにもあります。活動方針は半導体の理論学習をします
.。それを元に半導体の電気伝導して、実験の結果、検討、考察を行います。温度を77K~300Kまで変化させて測定して試料はインジウムアンチモンを使用します。電気伝導度は温度の関数であらわされ、キャリア移動度とキャリア濃度が共に温度に依存して変化し分離して考えることができません。ホール係数からキャリア濃度を求め電気伝導度の式からキャリア移動度を求めるなければなりません。その為ホール係数と電気伝導度の温度依存性を共に測定します。グラフはnグラフという便利なソフトで書くこともできます。最終的には試料はSi,ダイアモンドを使用し、温度は5〜70Kで測定します。さらにキャリア移動度の温度依存性から散乱機構を推定していきます。
電磁気工学教材の制作
半導体工学研究室 中西 友里子
本研究の目的は、学生に、基礎科目である「電磁気工学」を理解してもらうための教材の制作にあります。
研究内容は、まず、電磁気工学の再勉強です。その中で、学生にとって難しい表現や言い回しを見つけます。例えば、アンペールの法則を説明する際に使われる「閉曲線」、その演習問題でよく目にする「中空円筒導体」などがあります。そして、そのような抽象的な表現を、模型や映像をつかって説明する教材を制作します。
制作した教材が、今後の電磁気工学の授業の役に立つように、これからも研究を続けます。
半導体の光吸収
松本 久美
本研究の目的は、半導体と光の相互作用を学び、半導体の光吸収を探ることです。まず半導体の基礎、光の性質を学ぶことから始めます。それらをふまえて半導体の光吸収機構を理解し、さまざまな理論計算等を実際に行ってみます。事実を証明するため、自記分光器により測定を行います。この実験では、半導体に光(波長
900〜2600nm)を照射し、波長毎の吸光度を測定します。現在はシリコンを用いていますが、ダイヤモンド等に換えて吸光度の違いも研究する予定です。さらに材料による光侵入深さについても計算しています。他にも実験解析のスピード化を測るためにMathcadを利用しています。(例:光の波長、エネルギー、波数、振動数等の関係のを同グラフ化)
半導体工学研究室の先輩から後輩へ一言
石井 勝哉
(電子工学実験W.木曜日組 光電変換素子実験指導担当)私は、様々な半導体を研磨して、電極を形成する方法を調べる研究を行っています。半導体を電子素子として使用するのに電極はとても重要です。こういった一連の過程、研磨・電極形成の様子を
SEMという顕微鏡で観察していきます。最終的にはダイアモンドの最良電極を探っていきます。この研究室について・・・
春名先生は、とても熱心な先生で ゼミではわからないところもとても親切に教えてくれます。研究方針などをいろいろ指導してくれるので、とても助けになります。いきなりギャグを飛ばすところがたまに傷です。
楠 幸治
(電子工学実験W.水・木曜日組 半導体の電気伝導実験指導担当)僕のテーマは半導体の電気伝導です。
試料はインジウムアンチモンを用いる。77K〜
300Kまで温度変化させ電気伝導度、ホール係数を測定します。最終的に試料はダイアモンドを用い5〜70Kの温度範囲で測定し散乱機構を解明します。週
1回のゼミで半導体の理論学習をします。週
1回パワーポイントで発表のゼミがあります。後期は実験指導を実際に行い、自分のテーマの理解を更に深めることができます。
春名先生は熱心に指導してくださいます。
半導体の本質を研究したい人、どうぞ。
中西 友里子
この半導体工学研究室はひとり一台のパソコンを所有していて広々とした空間で勉強?が出
来ます。
それに、冷蔵庫&流しなど生活に困らない道具がそろっていていつも、先生は調理してご飯を
食べています。
毎週のゼミの準備は大変なときもありますが中間発表では、その忙しさがプラスになったと思
います
松本 久美(電子工学実験W.水曜日組 光電変換素子実験指導担当)
わが研究室は、パソコンをメインに研究を進めています。文献を読むにしても、スキャナで取り込んで修正し、自分自身のテキストを作ります。この事で、キーボードを一本指でしか扱えなかった私もいろいろな操作が出来るようになりました。
先生が親身になって指導してくださるのも魅力です。基礎的なことから学んでいくため、しっかりとした理解につながります。勉強以外にも物知りな先生なので、話をたくさんすると良いでしょう。(先生のだじゃれには注意
!!)
H12卒研募集H111202F