マルチメディアデータの扱い方


 WWWで使われるイメージデータや動画、サウンドデータの扱い方について基本的な知識を紹介します。



マルチメディアデータの種類

 ホームページには、文字情報のほかにイメージデータ(写真などの画像)や動画を表示させたり、サウンドデータを再生することができます。

 画像やデータは、ホームページの文章中に画像を直接表示するインラインイメージと、外部プログラムを使って表示する外部イメージがあります。

 外部イメージの場合は、その画像を表示できる外部プログラムがあれば、画像フォーマットがどのようなものでも構わないことになります。ただし、外部イメージで表示させるためには、対応しているアプリケーションをシステムに登録する必要があります。

 インラインイメージで表示されるか、外部イメージで表示されるかは、Webブラウザの種類や、組み込まれているプラグインにより変わってきます。



イメージ

 イメージデータの画像フォーマットには、さまざまな種類がありますが、インターネットで最もよく使われているフォーマットは、GIF(Graphics Interchange Format)フォーマットとJPEG(Joint Photographics Experts Group Bitmap)フォーマットの2つです。



GIF
(Graphics Interchange Format)

 GIF(ギフまたはジフ)フォーマットは、米国の大手ネットであるCompuServeで開発されたフォーマットです。もともとネットワーク内に普及していたフォーマットなのでインターネットでも標準的に使われています。

 ほとんどのWebブラウザは、GIFフォーマット画像をインライン表示することができます。

 GIFファイルは、256色のパレット表示ができます。このため、フルカラーの画像をGIFフォーマットにするには、256色に減色する必要があります。256色といってもパレット表示なので、フォトレタッチソフトウェアによっては、画面上でフルカラー画像とほとんど同じ見栄えになるように減色させることができます。

 GIFフォーマットには、現在4種類が使われています。

GIF形式 内容
GIF87 ノンインターレース表示画像
GIF89a ノンインターレース表示画像
GIF89a(透明) 背景が透明(トランスアペレイト)な画像
GIF89a(インターレース) インターレース表示画像



JPEG
(Joint Photographics Experts Group Bitmap)

 JPEG(ジェイペグ)は、Joint Photographics Experts Groupで標準化されたフォーマットで、写真などのようにフルカラー画像を保存するためのフォーマットです。

 JPEGはGIFよりも多くの色数と優れた圧縮アルゴリズムを採用しています。

 また、作成ソフトウェアによっては圧縮率を可変できるため、画像のクオリティーに応じて画像のファイルサイズを決めることができます。

 GIFと同じクオリティーに画像の場合、GIFファイルよりもかなり小さなファイルとして保存できます。このため、画像を表示させるまでの時間が短縮できるのもJPEGの特徴です。

 JPEGには、GIFのインターレース表示と同じように表示させるためのプログレッシブJPEGフォーマットがあります。逆に、透過GIFのように背景を透明にするフォーマットはありません。



動画

 動画データは、いわゆるビデオ画像データです。

 WWWで使われている動画ファイルは、MPEGとQuickTime(クイックタイム)、AVI(Video for Windows)です。

 MPEGは急速に普及しており、さまざまな環境で表示させることができます。MPEGには、MPEGビデオ(ビデオのみ)、MPEGオーディオ(オーディオのみ)、MPEGシステム(ビデオとオーディオ)の3種類があります。

 また、データを小さくできる特徴があります。反面、圧縮されている動画を元に戻すのが遅い欠点もあります。

 QuickTimeはアップル社が開発した動画フォーマットです。多くの環境で動作させることができ、ファイルを作成するのも比較的簡単です。

 Macintoshの環境ではMoviePlayerかSimplePlayer、Windows環境ではQuickTime for Windowsで表示させることができます。

 Video for Windowsは、マイクロソフト社が開発したWindows環境標準の動画フォーマットです。ファイルの拡張子が「.avi」なのでAVIファイルとも呼ばれています。

 各フォーマットのファイル拡張子は次のようになります。

フォーマット 拡張子
MPEG .mpeg,.mpg
QuickTime .qt,.mov
Video for Windows .avi



サウンド

 WWWで主に使われているサウンドファイルは、Macintoshで使われているAIFF、Windowsで使われているWAV、UNIXで使われているAUフォーマットです。

 Webブラウザがサウンドを再生できないときは、サウンドファイルをいったんローカルのハードディスクにダウンロードしてから外部プログラムにより再生することになります。

 AIFF(Audio Interchange File Format)は、アップル社が開発した、サウンドフォーマットです。AIFFは8ビットまたは16ビット・サンプリングでステレオとモノラルのデータを再生できます。

 AUは、最も一般的なサウンドフォーマットで、SunやNeXTが採用しているサウンドフォーマットです。

 WAVは、マイクロソフトとIBMが開発したPCプラットフォーム上の標準のサウンドフォーマットで、Windowsで標準的に使われています。

 各フォーマットの拡張子は次のようになります。

フォーマット 拡張子
AIFF/AIFC .aiff,.aifc
AU .au
WAV .wav



ISBN9-9999-9999-9
C9999 \1999E

定価:本体1999円(税別)

情報理論工学研究室