数学と哲学との間 |
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村田全(立教大学名誉教授)著
A5判上製・320頁
定価 |
:品切・オンデマンド対応 |
発行年月 |
:1998年12月 |
ISBN |
:ISBN4-472-10971-9 C3041 |
ジャンル |
:自然科学 |
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「数学」は単なる理科的学問ではなく、古来、西欧思想の上に根底的役割を果たすとともに自らを深めてきた。このことは現代文化にとっても無視できない事実である。本書はこれを、19世紀後半の集合論形成史を中心にスピノーザ、カント、ベルグソンなどに言及しつつ、ギリシア以来の西欧数学の伝統の中で示し、日本におけるこの種の知見の欠を補うものである。西欧の思想と数学を問い直す注目の論集。 |
主な目次
はじめに
I 数学と哲学の境界領域から
1 数学における無限と有限の弁証法
2 数学における存在─その歴史的考察
3 数学史における逆説の役割
4 純粋数学と応用数学─その謎に関するメモ
II 無限と連続との間─その数学と哲学
1 カントルの集合論形成のスケッチ
2 カントルにおける数学と哲学
3 ボレルのエフェクティフ概念の形成
4 フランス経験主義の数学思想
5 ボレルの‘エフェクティフ’とチャーチのテーゼ
6 連続論覚え書き─原子論的連続と非原子論的連続
III 周縁での模索
1 「数学」の概念と数学史への視点
2 パスカル私記
3 下村寅太郎『無限論の形成と構造』について
4 広重徹君のこと
5 来しかた行くすえ─数学史研究の途上で
付録1 ゲーデルの決定不能性定理
付録2 帰納的関数と帰納的述語
参考文献
索引 |
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