玉川大学出版部の本


日本の近代技術はこうして生まれた −産業遺産をヒントに考える−

馬渕浩一(名古屋市科学館)著

A5判上製・224頁
定価 :3,360円(税込)
発行年月 :1999年11月
ISBN :ISBN4-472-40051-0 C1050
ジャンル :工学

明治における近代国家建設や戦争を契機とした産業基盤の整備、第2次大戦後の経済発展において重要な役割を果たしてきた産業技術。25の事例をあげて、西洋の技術を移転するにあたって払われた先人の努力を振り返る。近代技術の形成に技術者はどう取り組み、国家はどのように関与したのか、産業遺産を尋ねながら読み解く。

主な目次

第1章 近代化の助走
「三時のおやつ」と江戸時代の機械技術−津田助左衛門作の和時計
黄金の国ジパングは本当だった? 鎖国の意義−『久能御蔵金銀請取帳』
大砲製造のための反射炉建設・幕末の洋学−韮山反射炉
幕末に輸入されたわが国最古の工作機械−オランダ製竪削盤

第2章 先進技術の導入と外国人技術者
外圧による灯台建設−品川灯台
赤ワインは工女の生き血か? 近代的製糸場の建設−官営富岡製糸場
陸を疾走する蒸気機関車−第一号蒸気機関車
桜の名所は近代化学工業の創出地−造幣寮発電所
意外に早かった通信機器との出会い−ペリー持参のモールス電信機
日本的資本主義の誕生−渋沢栄一像
近代日本の進路決定・岩倉米欧使節団の記録−『米欧回覧実記』

第3章 邦人技術者の誕生
博覧会による技術振興・第一回内国勧業博覧会の成果−臥雲辰致発明のガラ紡機
技術者養成機関としての大学・高等工業学校−東京大学赤門
わが国最初の営業用水力発電・わが国初の市電を走らせる−蹴上発電所
民間企業で初めて製造された工作機械−池貝鉄工所第一号旋盤
武士の転身・三味線職人を経てバイオリン製造に乗り出す−国産第一号バイオリン

第4章 日本の産業革命と二つの世界大戦
初の大規模製鉄所は失敗続き−官営八幡製鉄所第一号高炉
明治から大正、昭和初期のエネルギー源−竪坑巻き上げ機
木曽川本流をせき止めたわが国初の高ダム−大井ダム
ドイツ特許を没収してアンモニア製造プラントを建設−高圧ガス循環ポンプ
シボレーを模倣した第一号エンジン−トヨダAA型乗用車と A型エンジン
潜水艦輸送を試みた技術移転−日立製作所製HU-2型電子顕微鏡

第5章 戦後の発展
終身雇用などの日本的経営の生みの親・松下幸之助−二股ソケット
東京オリンピックの年に開業−東海道新幹線第一号車輛
日本人得意のダウンサイジング−シャープ社製電卓CS-10Aコンペット

終章 二一世紀への処方箋
日本の近代化を振り返る
日本人はなぜ勤勉なのか
二一世紀への処方箋
参考文献

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