【狭義の品質機能展開演習】

狭義の品質機能展開は職能の展開であり,広義の品質機能展開を構成する品質展開と両輪を成すための重要な考え方です.ここでは狭義の品質機能展開について,業務を機能表現によって展開する業務機能展開を演習形式で説明しています.

 

【内 容】

1.対象業務の選定

2.業務機能の抽出

3.業務機能展開表の作成

4.保証項目の抽出

5.保証項目展開表の作成

6.業務機能*保証項目展開表の作成

7.品質保証活動一覧表の作成

8.品質保証体系図の作成

 

1.対象業務の選定(所要時間30分)

 

対象業務の選定は,次のステップで行います.

1―1 事前準備(10分)

1―2 対象業務の検討(10分)

1―3 対象業務の選定(10分)

以下にステップを説明します.

 

1―1 事前準備

Step1.グループの編成

1)1グループを5〜6名で編成します.

2)グループメンバーにはできることならば,品質管理部や品質保証部の人と各部署の業務を把握している人を選定するとよいと思います.

Step2.自己紹介

1)特定のメンバー(例えば,自分が一番業務を把握していると思える人)から時計回りに自己紹介(名前,所属,専門など)をします.

Step3.グループ・リーダーの選出

1)リーダーの役割は,グループ討議の進行係と意見の調整,まとめをします.

 

1―2 対象業務の検討

Step1.テーマ候補の抽出

1)対象業務の候補を各自ポストイットなどのラベルに記述します.

2)対象業務は「品質保証業務」「製品開発業務」「生産管理業務」などと表現します.

Step2.対象業務の検討

1)抽出された業務を一覧できるように模造紙に貼り並べます.

2)メンバー全員が共通に議論できる業務を検討します.

3)対象業務について経験があるか,具体的な細部の業務まで考えられる業務かを検討します.

 

1―3 対象業務の選定

Step1.対象業務の抽象レベルの検討

1)ポストイットなどのラベルに記述された業務機能が機能表現になっているか確認します.

2)業務が「品質保証業務」であれば「品質を保証する業務」,「製品開発業務」であれば「製品を開発する業務」,「生産管理業務」であれば「生産を管理する業務」などという機能表現になっていることが必要です.

3)対象業務について階層化もしくは包含関係が存在しているかを確認し,抽象レベルを検討します.

Step2.対象業務の選定

1)抽出された業務の認識度,抽象のレベルを考慮して対象業務を一つ選定します.

2)抽象のレベルが低すぎると業務機能は展開できませんし,高すぎると大きな展開表になりますから,部の業務か課の業務レベルの業務を選定することにします.

 

【ポイント】

1)業務は機能表現を用いて名詞と動詞で表現することが必要です.

2)共通認識が得られ,抽象のレベルが部単位か課単位の業務を選定します.

 

2.業務機能の抽出(所要時間60分)

 

業務機能の抽出は,次のステップで行います.

2―1 組織の検討(10分)

2―2 業務の流れの把握(20分)

2―3 業務機能の抽出(30分)

以下,各ステップの作業手順を説明します.

 

2―1 組織の検討

Step1.現存組織部門の抽出

1)現存する組織の部門名称をラベルに記入します.

2)事業部名称,部名称,課名称,係名称,担当名称など,レベルを問わず思い付いた名称は全てラベルに記入します.

3)部門名称ラベルを配置して組織図を作成します.

4)製造部門がある組織では間接業務と直接業務があり,企業組織全ての部門名称を細かい単位で作成します.

Step2.組織形態の確認

1)組織形態が製品別事業部組織か,職能別組織か,マトリックス組織かなどを明らかにします.

2)部門名称から各部門の職能が明らかになるかを検討します.

3)部門名称からでは業務内容が明確にならない場合には,対象部門の業務について討議しておきます.

 

2―2 業務の流れの把握

Step1.業務の分掌

1)市場調査から製造,販売,アフター・サービスまでの業務の大分類項目をラベルに記入します.

2)ラベルに記入した大分類項目と組織の部門の関連を把握します.

3)業務の大分類が組織の部門で分掌できているかチェックします.

4)業務の大分類の,ある業務を担当する部門が無い場合には,その業務を担当する部門を明確にします.

Step2.業務フローの設定

1)業務の大分類項目を,市場調査からアフター・サービスまでの時間の流れ順に並べます.

2)選定した対象業務が業務フロー全般に関わるのか,業務フローの一部分であるのかなど,対象業務の位置づけを確認します.

3)選定した業務が「品質保証業務」であれば業務フロー全般に関わる業務であり,選定した業務が「資材発注業務」であれば業務フローの一部分です.

 

2―3 業務機能の抽出

Step1.作業分担の決定

1)リーダーを中心に業務機能表現を検討します.

2)抽出する業務機能の分担を大分類項目の単位で決定します.

Step2.業務機能の抽出

1)原始データ変換シートを用意します.

2)担当する業務の大分類項目を記入し,その業務を遂行するのに必要な業務機能を具体的なレベルで,機能表現によって抽出します.

3)業務の動作を表す「動詞」と,業務の対象を表す「名詞」を考えて業務機能を抽出します.

4)動詞,名詞ともになるべく具体的な言葉を選定するように心掛けます.

5)抽出した業務機能の中で,特に選定した業務に関係あるものに○印を付けます.

 

【ポイント】

1)組織が保有している業務分掌は業務を分掌したものであるはずですが,あまり活用されていなません.業務機能と組織は密接な関係にありますから,組織形態を把握しておくことが大切です.

2)製品別事業部組織を採用している企業の場合には,品質保証業務や原価低減業務などが機能別管理として横糸の組織形態を持つことになり,職能別部門組織の場合には,商品軸の組織を考える必要があります.

3)業務機能を入口から出口まで一貫して検討することによって,どの業務機能が弱いかを把握することができ,人員配置や工数配分などの見直しに役立ちます.

 

3.業務機能展開表の作成(所要時間60分)

 

業務機能展開表の作成は,次のステップで行います.

3―1 業務機能のグルーピング(40分)

3―2 業務機能展開表の作成(20分)

以下,各ステップの作業手順を説明します.

 

3―1 業務機能のグルーピング

Step1.業務機能ラベルの作成

1)業務機能の抽出フェーズで抽出された業務機能をラベルに転記します.

2)ラベルに転記しながら思い付いた業務があれば,その業務もラベルに記入します.

3)ラベル作成時にも,業務の対象と作用が具体的かを考えながら転記します.

Step2.業務機能ラベルのチェック

1)業務機能ラベルを一覧できるように模造紙に方向を揃えて貼り付けます.

2)重複している業務機能ラベルを取り除きます.

3)ラベルに記述されている言葉が「名詞+動詞」の機能表現になっているかチェックします.

4)抽象のレベルが高いと考えられる業務機能については,具体的な業務機能を追加します.

Step3.業務機能の対象のグルーピング

1)業務機能の名詞の部分に着目して,関連が深いと感じられるラベルを集めます.

2)「伝票を処理する」という業務機能を考えたとき,「伝票」が名詞の部分ですが,伝票には受注伝票,発注伝票,入金伝票,出金伝票などがあり,名詞の部分を階層化して業務対象を具体化します.

3)業務機能の名詞の部分は業務の対象を表しており,業務対象についてグルーピングします.

4)業務機能の名詞の部分でのグルーピング結果を階層図にまとめます.

Step4.業務機能の作用のグルーピング

1)業務機能の動詞の部分に着目して,関連が深いと感じられるラベルを集めます.

2)「伝票を処理する」という業務機能を考えたとき,「処理する」が動詞の部分ですが,処理するという動詞は具体的に保管する,破棄する,記録する,送付するなどの動詞に具体化できますから,業務作用を具体的に展開します.

3)業務機能の動詞の部分は業務の作用を表しており,対象をどのようにするのかという作用についてグルーピングします.

4)業務機能の動詞の部分でのグルーピング結果を階層図にまとめます.

 

3―2 業務機能展開表の作成

Step1.業務機能の追加確認

1)業務機能の名詞の部分と動詞の部分を組み合わせて,業務機能の不足がないのかチェックします.

2)チェックの結果,業務機能として必要なものをラベルに転記します.

Step2.業務機能系統図の作成

1)業務機能表現の中で,業務対象の展開結果に高次の業務作用を膠着させて業務機能の系統図を作成します.

2)業務対象を中心にした系統図が作成できたら,業務の作用言語を膠着させて,業務機能系統図を完成させます.

3)業務の作用言語に業務対象を膠着させる方法も考えられますが,業務対象を決めてから作用言語を膠着させる方が業務機能は理解し易いと思います.

Step3.業務機能展開表の作成

1)品質表シートを用意します.

2)品質表シートの縦軸に業務機能系統図を展開表の形に転記します.

3)下位項目から上位項目の方向に,業務の抜けがないかチェックします.

Step4.業務機能工数の記入

1)各業務機能に対する必要工数を算出します.

2)必要工数は日報などのデータから積算する方法と年間工数から配分して必要工数を見積もる方法があります.

3)各業務に対する工数が把握できたら,業務機能展開表に工数を記入します.

 

【ポイント】

1)業務機能は名詞(対象)と動詞(作用)を用いて表現します.

2)業務機能の名詞の部分は業務の対象を表しており,動詞の部分は業務対象に対して行われる作用と考えられます.その意味で,業務自体は「動作」ですから,動詞のみで表されると考えることもできます.

3)業務機能の展開は対象を展開した後,作用を展開します.

4)業務の対象を明確にしてから作用言語を膠着させる方が,業務機能を容易に理解できます.

5)各業務機能に対して,日常の負荷工数を見積もることも大切であり,日常の日報でデータが収集されている場合には,日報データから負荷工数を把握し,必要工数であるのかをチェックする必要があります.

 

4.保証項目の抽出(所要時間50分)

 

保証項目の抽出は,次のステップで行います.

4―1 品質保証項目の抽出(30分)

4―2 保証項目のチェック(20分)

以下,各ステップの作業手順を説明します.

 

4―1 品質保証項目の抽出

Step1.業務目的の明確化

1)抽出した各業務機能の目的についてリーダーを中心に討議します.

2)業務機能の抽出の際に担当した大分類項目の単位毎に,業務の目的を明確にします.

Step2.保証項目の抽出

1)明確にした業務の目的のから,何を保証するために遂行される業務であるのかを考えて保証項目を抽出します.

2)「市場を調査する」という業務機能は何を保証するための業務かを考えますと,「市場要求把握の確実性」を保証するための業務であるというように抽出します.

Step3.保証項目のラベル化

1)抽出された保証項目をラベルに一項目づつ転記します.

 

4―2 保証項目のチェック

Step1.保証対象の確認

1)保証項目の保証対象が社外であるのか社内であるのかをチェックします.

2)保証対象は社内業務の円滑な運営に関するものと社外の顧客や環境に関するものとがあり,どちらの対象が多いかをチェックします.

Step2.保証項目必要性の確認

1)抽出された保証項目が本当に必要であるのかをチェックします.

2)保証項目は品質面を保証する上で必要なものと,納期面で必要なもの,価値面を保証する上で必要なもの,信頼性を保証する上で必要なものと様々あり,保証項目の必要性を確認します.

 

【ポイント】

1)保証項目には社内に関するものと環境や顧客という社外に関するものがあります.

2)保証項目は対象と,対象に対する作用を体言止めなどの名詞形で表現します.

 

5.保証項目展開表の作成(所要時間60分)

 

保証項目展開表の作成は,次のステップで行います.

5―1 保証項目のグルーピング(40分)

5―2 保証項目展開表の作成(20分)

以下,各ステップの作業手順を説明します.

 

5―1 保証項目のグルーピング

Step1.保証項目ラベルのチェック

1)保証項目ラベルを一覧できるように模造紙に方向を揃えて貼り付けます.

2)重複している保証項目ラベルを取り除きます.

3)ラベルに記述されている言葉が対象と作用を明確にした表現になっているかチェックします.

Step2.保証項目のグルーピング

1)保証内容が似ていると感じられるラベルを集め,4〜5枚ごとの群にします.

2)各群が全体で,何を保証しようとしているのかをラベルに記入し,各群の所に貼り付けます.

3)保証項目が多い(100枚以上ある)場合には,群を代表するラベルについてもグルーピングします.

 

5―2 保証項目展開表の作成

Step1.保証項目展開表の作成

1)業務機能展開表を記入した品質表シートを用意します.

2)品質表シートの上方の横軸に保証項目のグルーピング結果を展開表の形に転記します.

Step2.保証項目展開表のチェック

1)上位項目から下位項目の方向に,保証項目に抜けがないかチェックします.

2)抽象レベルの高い上位の保証項目から具体的な下位の保証項目をみて,保証項目に抜けがないかチェックします.

2)必要な保証項目を追加します.

 

【ポイント】

1)保証項目については展開表の形にせず一覧表の形でも結構です.

2)業務機能が何故必要なのかを考えて保証項目を整理することが必要です.

3)各業務機能の負荷工数から保証項目の必要性が類推できます.

 

6.業務機能*保証項目展開表の作成(所要時間70分)

 

業務機能*保証項目展開表の作成は,次のステップで行います.

6―1 業務機能*保証項目展開表の作成(20分)

6―2 対応関係の記入(30分)

6―3 業務機能のチェック(20分)

以下,各ステップの作業手順を説明します.

 

6―1 業務機能*保証項目展開表の作成

Step1.二元表の大きさの検討

1)業務機能展開表と保証項目展開表を記入した品質表シートを用意します.

2)大きい品質表のままで進めるか,重点を絞った小さい品質表を作成するか検討します.

3)小さい品質表を作成する場合には,一次項目同士の二元表を作成するのか,二次項目同士の二元表を作成するのか,三次項目同士の展開表を作成するのかを決定します.

4)小さい品質表を作成する場合には次のStepへ,小さい品質表を作成しない場合には対応関係の記入に進んでください.

Step2.小さい品質表の作成

1)小さい品質表シートを用意します.

2)小さい品質表シートの横軸(品質表シート上方)の欄に,決められた次数の業務機能展開表を転記します.

3)小さい品質表シートの縦軸(品質表シート左側)の欄に,決められた次数の保証項目展開表を転記します.

 

6―2 対応関係の記入

Step1.記入方法の確認

1)対応関係の付け方について,リーダーを中心に検討します.

2)対応関係の強さを3段階で付けるのか,5段階で付けるのかなどを話し合います.

3)演習では◎:対応が強い,○:対応がある,△:対応を考慮する必要があるの3段階とします.

4)対応関係付けの方向としては,各業務機能の遂行によって,保証項目が確実に保証できるのかを考えます.

Step2.対応関係の記入

1)定規を用意します.

2)業務機能から考えて,保証できると考えられる保証項目を探し出します.

3)業務機能の遂行による保証の程度を考慮して,◎○△の記号を升の中に記入します.

4)対応関係記入の際に,業務機能に対する負荷工数から,業務に掛けている時間を考慮します.

 

6―3 業務機能のチェック

Step1.対応関係の集中度によるチェック

1)対応関係の◎○△の記号が集中している業務機能を探し出します.

2)その業務機能の機能表現について抽象のレベルが高すぎないかを,他の業務機能表現と比較し,必要があれば訂正します.

3)対応関係の◎○△の記号が同じ所に付いている業務機能がないかをチェックします.

Step2.重要業務機能のチェック

1)二元表の全体を見渡して,重要と考えられる業務機能をチェックします.

2)重要業務機能に対する日常の負荷工数を再チェックします.

3)重要業務機能に充分な時間が費やされているかを検討します.

 

【ポイント】

1)二元表は全体が把握できる程度の大きさにする必要があり,大きい品質表でよいか,小さい品質表を作成すべきかを検討します.

2)業務機能重要度を日常の負荷工数から類推することもできますが,各業務機能に対する負荷工数を日常の総労働時間から配分することも必要です.

3)重要業務機能に充分な時間がかけられていないことが多いため,配分した理想時間との対比から改善業務を抽出することも必要です.

4)管理面の業務機能に抜けがないかをチェックすることも必要です.

5)経営者,管理者の業務機能を展開しますと,管理者が管理業務に工数をかけていない場合があり,管理者の業務を見直すためにも,この二元表は役立ちます.

 

7.品質保証活動一覧表の作成(所要時間60分)

 

品質保証活動一覧表の作成は,次のステップで行います.

7―1 保証項目の記入(20分)

7―2 業務機能の記入(20分)

7―3 関連資料の記入(20分)

以下,各ステップの作業手順を説明します.

 

7―1 保証項目の記入

Step1.重要保証項目の抽出

1)業務フローと保証項目展開表を用意します.

2)業務フローの各ステップで重要と考えられる保証項目を抽出します.

3)抽出した保証項目をラベルに転記します.

Step2.保証項目の記入

1)品質保証活動一覧表シートを用意します.

2)品質保証活動一覧表シートの左の欄に業務フローの各ステップを記入します.

3)保証項目の欄に,抽出した保証項目ラベルを業務フローに沿って貼り付けます.

 

7―2 業務機能の記入

Step1.業務機能記入の準備

1)業務機能*保証項目展開表を用意し,保証項目と関連する業務機能を抽出します.

2)抽出した業務機能をラベルに転記し,保証項目ラベルの横に貼り付けます.

Step2.業務機能の記入

1)品質保証活動一覧表シートの業務フローに従って,保証項目ラベルの項目を転記し,さらに業務機能ラベルの業務を保証のための作業の欄に記入します.

2)保証項目欄に保証項目を記入し,保証のための作業の欄に業務機能を記入するという手順を繰り返して,品質保証活動一覧表シートの保証項目欄と保証のための作業欄を完成させます.

 

7―3 関連資料の記入

Step1.関連資料の記入

1)保証責任者,主な標準類,主な管理資料をそれぞれの欄に記入します.

2)関連資料については全て記入するのではなく,重要なものだけを記入します.

 

8.品質保証体系図の作成(所要時間60分)

 

品質保証体系図の作成は,次のステップで行います.

8―1 業務機能の記入(20分)

8―2 関連帳票類の記入(20分)

8―3 業務フローの記入(20分)

以下,各ステップの作業手順を説明します.

 

8―1 業務機能の記入

Step1.業務機能記入の準備

1)品質保証体系図シートを用意します.

2)保証体系に関係する部署を組織図から抽出してシートの上方の欄に記入します.

3)保証のための作業の中で重要な業務機能を,名詞と動詞部の体言止め形式でラベルに転記します.

例:「市場を調査する」→「市場調査」,「製品を企画する」→「製品企画」

Step2.業務機能ラベルの配置

1)業務機能ラベルを品質保証体系図シートに配置します.

2)業務機能の実施部署と業務フローの位置関係で配置を決定します.

3)配置が決定されたら業務機能を転記し,横長の楕円で囲います.

Step3.関連会議の記入

1)保証体系に関連する会議体の業務フローにおける時間的な位置づけを明確にして記入します.

2)設計審査などの会合についても必要であれば記入します.

 

8―2 関連帳票類の記入

Step1.関連帳票類記入の準備

1)品質保証活動一覧表に記述した関連資料をラベルに転記します.

2)関連資料ラベルがどの業務機能と関連するかを見極めて,関連する業務機能のそばに配置します.

Step2.関連帳票類の記入

1)関連資料ラベルを配置した位置に関連資料名を記入し,横長四角の実線で囲います.

2)関連資料は保証作業に必要な情報を提供する資料であり,業務を示す記号と情報を示す記号を区別する必要があります.

3)管理資料については保管責任部署があるはずですから,保管責任部署との関連が明確になるように品質保証体系図内に配置します.

 

8―3 業務フローの記入

Step1.作業の流れの記入

1)業務機能の流れについて,業務フローに沿って矢線で業務機能を結線します.

2)フィード・フォワードで流れを記述するが,フィード・バックがあれば,矢線で記入します.

3)矢線は交差しないように記入し,交差する場合は交わっていないという記号で線引きをします.

Step2.情報の流れの記入

1)情報の流れについて,業務フローに沿って関連資料を結線します.

2)業務の流れと情報の流れとの違いが分かるように,線種を替えて記入します.

3)情報の流れについては,情報を蓄積する資料と情報を伝達する資料とを分けて記述するようにします.

Step3.保証体系図全体のチェック

1)保証体系図全体を眺めて業務が集中している部署や時期がないかチェックします.

2)業務の流れや情報の流れが入り組んでいる所はないかチェックします.

3)業務や情報が入り組んでいるのであれば,その箇所を改善することを考えます.

4)同時に並行して作業できる業務がないかをチェックして,同時進行型の業務運営を考察します.

 

【ポイント】

1)品質保証活動一覧表も品質保証体系図も一覧できるように作成することが大切です.

2)一覧できる一覧表や体系図にするためには,抽象のレベルを高めに業務機能を記述することになりますが,抽象のレベルが高すぎても全体像がつかめないので工夫が必要です.

3)品質保証体系図では,縦軸の時間軸を時間で固定して作成すると,どの時期に時間がかかっているかが明確になり,文字の大きさや内容によって時間軸を崩してしまうと,問題点がつかみにくいのです.

4)同時並行作業を考察すると業務の効率化につながり,期間短縮にも効果があります.

5)保証活動一覧表と保証体系図の両者を使い分けることが大切であり,体系の具体的な作業を活動一覧表で確認するとよいと思います.

 

【注】

この演習を行う際に使用します各種の演習用シートは,日本規格協会から出版されている「QFDガイドブック」に添付されています.さらに,この「QFDガイドブック」にはQFDの支援ソフトがCD−ROM版でついており,図表入りで詳細な説明がしてあります.