【大藤ゼミ卒業研究論文体系】
大藤ゼミは1985年度に始まりました.大学4年生の時の卒業研究は佐々木脩先生の元で寿命の研究をし,大学卒業後は三浦新先生の元でワイブル分布の研究と官能検査の研究を続けました.その後大学院に進み,木暮正夫先生の元で「サービス産業における品質管理」をテーマに研究を始め,同時に品質機能展開(QFD)のサービス業への適応を考え,QFDの研究も始まりました.
大藤ゼミの卒業研究は,この流れを汲んでいることになりますが,サービスのQualityを研究していく過程で,知識や技術,労働などの形の無い財貨を一括して無形財と考えるようになりました.そして,この無形財をサービスとして位置づけ,無形財の品質を向上することによって,有形財の品質も向上するという考えに至りました.
つまり,品質の高い技術や知識,労働が提供されることによって,生産される有形財の品質が向上すると考えたのです.そこで,有形財の品質を考える場合には,その有形財を産み出す元である技術・知識・労働などの無形財の品質向上が必要と考えたのです.この考え方を進める過程では,品質機能展開の考え方が非常に有効です.
卒業研究の流れについては文末に解説してあり,過去の卒業研究テーマの一覧も公開してあります.未だ体系というほどには整理されておりませんが,無形財というサービスの研究についての全体像が把握して頂けると思います.
―――――サービスのQ―――― 技術体系化―――― 品質機能展開―――― 新製品開発――――― CS
1985――――
[1]1986―――
[4][6]―――― [5]1987――――――――――――――――――――――
[7][8]1988――――
[11]―――――――――――― [9][10]1989――――
[12]――――――――――――― [13]1990――――――――――――
[15][16]――――――――――――― [14]1991―――――――――――――
[18]―――――――――――――― [19]――――― [17]1992――――
[22]――――― [21]―――――――――――――― [20]1993――――
[25]――――― [26]―――――――――――――――――――― [23][24]1994――――
[28]――――――――――――――――――――― [27]―――― [29][30]1995――――
[33]―――――――――――― [32][34]――――― [31]――――― [35]1996―――――――――――――――――――――――――――――――――
[36][37]1997
1998
1985年度(昭和60年度)
[1]江利山治基・斉藤忠・西本浩二:ファーストフード産業における品質管理
[2]阿相清・堤尚之:多品種少量生産における品質管理(木暮・大藤ゼミ)
[3]永田(篠塚)史子:回帰分析に関する研究(木暮ゼミ)
1986年度(昭和61年度)
[5]高橋点・知名顕司:ガソリンスタンドにおけるサービスの品質管理
[6]野口善正・山田貴祥:食品製造業Y社における生産量予測システム
1987年度(昭和62年度)
[7]浜崎俊光・吉岡浩文:要求品質における言語情報処理の研究
1988年度(昭和63年度)
[9]加藤良彦・加藤幸弥:「品質」という言葉の使われ方に関する研究
[10]鈴木幸男・寺田寛:「要求品質」の表現方法に関する研究
[11]巣山幸洋・杉山浩之:農業協同組合の購買店舗における品質管理
1989年度(平成元年度)
[12]岩本隆・岩本佳也子・小島康司:サービスの品質と品質特性に関する研究
1990年度(平成2年度)
[14]伊藤嘉章・細川豊公:ヒット商品の要因とその構造に関する二、三の考察
[15]附田久志・飯塚万起子・林敬傑:技術の体系化に関する一考察
[16]柳原一清・山下真司:品質管理における統計的手法の体系化に関する一考察
1991年度(平成3年度)
[17]浅見徹也・伊藤俊一:顧客満足度の測定方法に関する研究
[18]菅原亨・松木洋子・湯澤結美・和田裕:技術の体系化に関する一考察
[19]滝口一彦・森島茂:新製品開発におけるシーン展開の一考察
1992年度(平成4年度)
[20]木下直人・小林市郎:製品価格とその購入決定要因に関する一考察
[21]桐山義光・小須田泰人:技術レベルの評価とその管理方法
[22]広岡主税・森未知子:ホテルにおけるアンケート調査用紙に関する研究
1993年度(平成5年度)
[25]渋谷直樹・高名剛:サービスの購入決定要因に関する一考察
1994年度(平成6年度)
1995年度(平成7年度)
[31]信嶋一弘・中村和晃:新製品開発における技術展開の活用
[32]柴谷有希・江口友規・土屋善雄:アンケート調査に関する一考察
[33]一麻希子:サービスにおける機能の価値の測り方に関する研究
[34]鈴木祐一郎・山本昭範:日米の品質機能展開の現状に関する一考察
1996年度(平成8年度)
[36]近藤裕子・丹下浩一郎:ポジショニング分析における一考察
[37]桐山二郎・鈴木大輔・内山修一:新製品開発におけるポジショニング分析の一考察
1997年度(平成9年度)
***<ブラジルへ留学していたため,当該年度のゼミはありませんでした.>***
1998年度(平成10年度)
[38]最首友紀子・幸原文桂:高級ホテルにおける保証項目に基づく業務マニュアル表現についての検証
[39]小林豊:生きた情報伝達のためのQFD−生産部門において−
[40]小林仁・斉藤功治:ディスタンス・ラーニングを使ったTQMに関する技術移転
[41]佐藤正・熊谷直仁:QFD(品質機能展開)における多変量解析の適用
[42]権田陽一郎:生きた情報伝達のためのQFD−プリプレス関連企業を参考として−
1985年度の卒業研究では木暮正夫先生と共にサービスの研究
[1]を進め,この成果は品質管理国際会議1987−東京において発表しました.翌1986年度の卒業研究においてもサービスの研究[4][6]が中心ですが,技術という無形財としてのサービス[5]にも研究の手を広げました.1987年度の卒業研究からサービスにおける品質機能展開の研究
[7][8]に本腰を入れ始め,要求品質などの表現方法を確立することから手がけました.これを翌1988年度の卒業研究[9][10]でまとめ,サービス業における品質機能展開の研究[8]を引き継いで,農業協同組合における品質機能展開の研究[11]がまとまりました.この結果は1989年にアルゼンチン・ブラジルで開催された品質管理国際会議で発表しました.1989年度の卒業研究ではサービスにおける品質機能展開の研究
[12][13]を進めましたが,「品質機能展開では新規開発型の新製品が生まれない」という世の中の疑問に答えるために,1990年度の卒業研究では新製品開発に関する研究[14]が始まり,改めて技術という無形財の研究[15][16]が必要であることが分かりました.1991年度の卒業研究では技術の体系化の研究
[18]を進めるとともに,顧客に目を向けた新製品開発の研究[17]と顧客満足(CS)の研究[19]を平行して進めました.翌1992年度の卒業研究においては顧客の購買行動の研究[20]にも着手し,サービスの研究ではアンケート調査用紙につして研究[22]し,技術の研究では技術評価について研究[21]を進めました.1993年度の卒業研究では顧客の購買行動の研究
[20]を引き続いて研究[25]し,顧客の満足については不満要因まで考察して研究[23][24]しました.技術の体系化の研究[18]も引き続いて建設業で研究[26]しました.翌1994年度の卒業研究では,顧客満足と本来の満足と考えられる推奨度との関係を研究[29]し,顧客満足に関連する「真実の瞬間」についても研究[28]し,さらに広告の影響についても吟味しました[30].この年の新製品開発の研究では時間的変化を考慮した研究[27]を進めました.1995年度の卒業研究では,無形財の価値についての研究
[33][35]を始め,新製品開発では品質展開の技術展開を活用することを研究[31]しました.品質機能展開については,米国のミシガン大学と協同で日米のQFDの現状を比較研究[34]し,成果を学会に報告しました.そして,アンケート調査に関する研究[22]を引き継いで回答しやすいアンケート調査についての研究[32]を進めました.1996年度の卒業研究では,同年の後期からブラジルへ留学することになり,電子通信を用いた指導も考えながら,新製品開発に用いられる手法の一つであるポジショニング分析について研究
[36][37]しました.1996年の9月から1997年の8月までの1ヶ年はブラジルに留学し,海外に技術をどのように移転するかについて研究していたため,1997年度の卒業研究は行いませんでした.大藤ゼミの卒業研究は,経営工学科の主要管理科目である生産管理,原価管理,品質管理の中で,品質管理を中心としていますが,中でも有形財の管理ではなく,無形財としてのサービスの品質と,これに関連する新製品開発や顧客満足について研究しています.最近はこれらの技術の海外移転にと研究の領域を広げていますが,この研究成果が実企業で実際に役立つことを期待しております.そのため,これらの価値についての研究を今後は進める予定です.