第10回
直井ゼミ研究室紹介

品質工学研究室では、今年度は4つの卒業研究を行いました。その内容について、概要を以下に紹介します。

工程設計プロセスを学習するためのケースメソッドに関する研究
櫛濱直裕 多田公平 室原勇紀 山﨑将大

実社会において応用力と実践力のある問題解決能力を身につけるため、実践を重視した実験・実習が行われています。本校では、マネジメントサイエンス学科2年生を対象にした科目「ケースメソッド」がそれにあたり、今回の実験の主はQCDを考慮した工程設計です。実際の製造工程をより理解しやすいように、ガンダムのプラモデルを用いることで、モノづくりの流れ、モノづくりにおけるQCDの意味合いや重要性が理解・体感できると考えます。

企業の新人教育研修の進め方に関する研究
青木香乃 小林康太

今日の教育において、「個性を重視したゆとりある教育」が行われています。学校の教育方針が変わる一方、企業側も教育方針を変えていく必要がでてきました。今日までの教育制度の時代背景を明らかにし、ゆとり教育が企業にもたらした影響と、その対策は何か、教育界側、企業側の両面からみた新人教育研修について考察しました。まるで全く異なる人種のようにゆとり教育世代である新入社員を扱うのではなく、その世代の問題点を十分に観察し、改善案を導き、時間をかけて新人教育研修を行うことで新入社員を従来いる社員に近いレベルにまで持っていくことが大切です。

百貨店業界の企業戦略についての一考察 -ファストファッション業界との比較を通して-
中嶋祥伍 畠山洸二朗

私たちは今回、百貨店業界が何故ここまで低迷状態を続けているのかというところに疑問を抱きました。それを戦略という観点から紐解き、百貨店業界の行く末を導き出したいと考えました。 本研究はこの動機の基、百貨店業界の衰退原因を踏まえた上で、「百貨店業界の戦略」と、躍進を続ける「ファストファッション業界のUNIQLO事業の戦略」を比較し、まとめたものです。結果、百貨店業界は、今までの富裕層向けのテナントに加え、UNIQLOのような大衆向けのテナントも同じ建物内に入れるといった二重構造を行ない、顧客の集客率向上と利益増大を図る戦略を打ち出していることが分かりました。

統計解析のためのMicrosoft Excel活用に関する研究
金子一歩 中村大樹

従来の統計処理を行う授業において、図の手書きや手計算でデータ解析を行っているため、時間的な問題や計算ミスなどの問題が発生しています。その問題点を解決するために、本研究では、教育効果を考慮したMicrosoft Excel 2007用の統計データ解析マニュアルを構築しました。

2010年2月8日 直井知与教授