

光ネットワークで利用するための、量子力学(※1)の理論を使った暗号の技術開発に取り組んでいます。光ファイバ通信で使用されるレーザ光には、絶対に消すことができない「量子雑音」といわれるノイズが含まれます。これはノイズですから解析も制御もできません。このノイズによってデータを暗号化する「絶対に解けない暗号通信」の技術を確立することが研究目標です。これは「量子情報コミュニケーション研究室」の大崎先生と連携して行っている研究で、大崎先生のところで積み重ねた理論を実際の光ネットワークでどうやって実現するかということを、コンピュータ上でのシミュレーションなどによって検討しています。
(※1)量子力学:宇宙から原子・分子レベルまで、自然界のあらゆるものを普遍的な法則で解明しようとするのが物理学です。普段の我々の生活の中で見られる例えばボールの運動などは、古典物理学で正しく説明することができます。しかし、原子・分子よりさらに小さな世界(電子や原子核などの粒子)、あるいは光や放射線(高い周波数の電磁波)では、古典物理の理論で説明できない現象が起こります。この説明を試みるのが量子力学です。ちなみに量子とは、物理的な量の最小単位のことです。


大学時代、光通信の研究を卒業論文の研究対象にしていて、光が持つさまざまな特性について学んだことがきっかけですね。光の特性を利用した「新しいこと」が何かできないかと考えていたんです。当時の光通信の研究では量子雑音の影響を低減することに一生懸命だったのですが、今では逆にそれを利用する研究をしているなんて面白いですよね。

さまざまな理論を現実のものにするところです。また、最近はコンピュータシミュレーション技術が進歩して、例えば何万年もの時間経過やナノメートルの小さな世界までコンピュータ上で再現できますから、作ったモノの評価が比較的かんたんにできるということも魅力です。
