コーネルフォト日記−34(1月5日)

明けましてめでとうございます.元旦夜半からの雨が翌2日の朝には凍り,すべての木の枝は氷に覆われ,小さなつららもできて,リデル周辺は文字通りの樹氷.見た瞬間に息をのむような,神々しいまでの美しさでした.生まれ故郷が雪国?なので,雪も冬の寒さにも郷愁を感じるのですが.でもそれもいきすぎると一転して...クリスマス豪雪を上回る45cmほどの積雪となり,いろいろと問題が...
 
新聞によれば3日の雪は最大時間当たり積雪が5cmを超え,大雪警報が発令されました.風がなく,気温も高め,少し湿った雪でした.リデル付近でもハンドルを取られて道路脇に突っ込んだ車がレッカー車を呼んでいましたが,事故も多かったのでは?
重い雪のため倒木続出,送電線が切断され,イサカ近郊では大規模の停電発生.暖房も調理も照明もすべて電気に頼る生活のため,周辺では避難所への避難もあったそうです.そして3日午後4時半にリデルも完全停電しました.
今回は送電線切断による地域的停電.復旧見込みは早くて5日夜ということで,3日夜9時には発電機が登場.11時に温水循環暖房用のボイラーには電源が入りましたが,それで容量いっぱいで,電灯はつかず.暗い一夜を迎えました.
リデル神経生物学・行動学のフィールドステーション.現在は研究目的では鳥が飼われています.鳥は暗い室内では餌も食べないし,何より実験上,光周期なども重要なので,停電は最大の問題です.さっそく外光の入るところに鳥かごが移動となりました.
こちらは照明用に急遽ろうそくを買いに行きました.PCはバッテリー寿命が長いのが売りのノートなので,電話が使えた今回は,停電後もメールの送信などはできました.調理ができない,シャワー用の温水が出ないなどはまあ仕方ないことですね.
 
今回の雪の特徴は,なんといっても前日の樹氷に代表されるあらゆるものの表面凍結と無風の降雪.普段なら着雪のない部分にも垂直方向へどんどん積もりました.電線上にも15cmくらいの積雪で,木が倒れたり,電線が切断するのも頷けるという状況でした.
学内も完全な雪景色.右はタワー通りから時計台方向を見たところ.両側のカシの並み木もすっかり雪に覆われています.多少幅は狭くなっているものの,道路には雪がありません.この除雪作業,早朝から深夜まで,大変な頻度で行われいました.
 
一般家庭でも,車を出すのが大変.個人の家で,道路までが遠い,普段はちょっとうらやましいような家では,一家総出で雪除けを1−2時間もかけてやって,ようやく車が出せます.今回はドアが凍り付いているケースも多かったようです.
モールの駐車場は除けた雪の処分が最大の難問のようで,どこでも3m以上の高さの山ができていました.駐車場でなければ子供が喜んでそり遊びでもするんでしょうが.アパート駐車場では車を動かせないので,除雪が滞りがちのようです.
 
こんな雪でもちゃんと楽しむ人はいます.リデルの停電事情を確認しに来てくれたついでにクロスカントリースキーをするディブ.吊り橋の上にも,しっかりスキーの跡が残っていました.
野生動物も元気.跳ね回るシカ.リスもなぜか活動中.森林地帯ではリスは冬眠するのに,都市部では餌があるせいか,冬眠しないとか.本当かなあ.
 
個人的には今回は雪激しく降っていた深夜まで,リデルの電源確保に努力してくれた,Grounds Dept(校地管理部)のスタッフにヒーロー性を感じました(アメリカ的!).クリスマスの夜の停電のときも,夏の洪水のときも,いつも頼りになります.プロだなあと思わせてくれますね,やっぱり.
 

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