コーネルフォト日記−35(1月22日)

珍しく気温がマイナスに.それは華氏の話.華氏の0度は摂氏-18度です.数日前華氏−5度を記録しました.下のグラフは12月からのイサカの気温(最高と最低,摂氏)の変化を示しています.12月始めにちょっと寒かった日があり,その後は一時は10度を超える日もあったのですが,ここ10日ほどは「真冬日(最高が氷点下)」が続いています.グラフがどんどん右に下がっていきそうですね.いわゆる寒波の到来です.冬将軍? 実際,寒いです.自転車は自虐的乗り物としか形容できなくなってきました.

 
寒いと成長するのはつらら.屋内が暖かく,屋根の表面で融けた雪が静かに流れ出て軒先でつららになります.こちらの家のつららは長さを競っていますが,長いもので1 mほど.朝日が当たったりするときれいです.
雨樋もあるはずなのになぜ,つららが? 雨樋を流れた水は,流れるうちに冷えて,雨樋の最後の部分で凍り付いて,雨樋を塞いでしまいます.リデルの雨樋も例外ではありません.このため毎年夏に修理しなくてはならないそうです.
 
こちらはフォール川の水面に浮かぶ雪島の縁.小さなつららが波しぶきを浴びて,揺れていました.鈴の音がしそうです.
そのフォール川,段差のある部分でははねた飛沫があちらこちらで凍りついて,いかにも寒そうです.右は川に流れ込むようなつららの群れ.上の道路を走っている車の大きさと較べてみて下さい.結構巨大なものができています.

水温の方がはるかに高いので,川面からは湯気があがり,これがまた木の枝で凍って,川の近くの木の枝は真っ白になっていました.
 
その下流のビービー湖は完全氷結.さすがに人間の足跡はありませんが(あちこちの池にありがちなスケート禁止の看板は見なかったけど?),動物はかなり湖面探索をしている模様です.雪で倒れ込んだ木の枝が折れるくらいには,どうやらこの氷は厚いようです.でも,シカやウサギの真似はしない方が賢明でしょう.
そのビービー湖からはトリップハンマー滝が落ちていますが,滝壺もすでに凍りついてしまっています.その滝壺に突き刺さるように,巨大なつららができていました.左の19世紀に立てられた水力学研究所の建物(現在は使っていません)と較べると高さがわかるでしょうか.このすぐ左にある滝が落差15 mほどで,ほぼ同じ高になっています.寒さの厳しいイサカならではの氷の造詣ですが,高さもあって,かなり寒い.
 
晴れているのに,気温は−15度の今日.猛烈な風が吹きまくり,地吹雪状態.ピグレットコーナーのトネリコの木も舞い上がる雪でかすんでいました.強風下,体感温度は−25度とも.実際には寒さもだけど雪の粒が痛くて,風上を向いていられない.でも天気の悪いときの方が何となくいい写真が撮れるので,ついかけずり回ってしまうのですが,同様にスキーをしている人もいて,顔を見合わせて笑ってしまいました.
風が強いと,風上は雪が削られて,表面は固くなるのですが,風下は細かな氷の粉のような雪がふんわりと堆積します.リデルの東側の入口も,上空は青空なのに,雪が降ったあとのような,いわゆる吹きだまりになっていました.
 
実は明日から10日ほど出張で留守にします.明日出発で,明後日の朝には南米ブラジルに着いている予定です.あちらは今は夏.その気温差,実に50度ほどにもなりそうです.安いガラスなら割れそうな温度差ですが,果たして人間への影響はどうでしょう.一度50度温めて,また50度冷やすということになりそうなんですが...
 

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