コーネルフォト日記−14(8月1日)

夏らしい花が咲いていますね. これも高緯度ならでは?
リデルのまわりは完全にお花畑状態ですが,今回は少し変わり種を紹介していきます.

 

Chicory
Cichorium intybus

リデル付近では道路端の優占種で,花期は7−8月にかけて長く,青くてきれいな花を咲かせます.朝咲いて,晴れた日には昼頃にはしおれてしまいます.突然変異でしょうか,花びらが細いものなどがあり,これは午後も咲き続けていました.根をコーヒーの代用にするチコリです.
 

Wild Carrot (Queen Ann's Lace)
Daucus carota

野菜のニンジンの原種ですが雑草としてはびこり,あたり一面を白くしています.蕾から実をつけるまで,花の形がめまぐるしく変わります.白い花と思ってよく見ると,中心花ひとつだけが濃赤色でした(この色には変異があるとか).
 

Common Milkweed
Asclepias syriaca

属名はギリシャ神話の医療の半神アスクレピオスに由来するもの,ということは薬草です(種小名の方はリンネがシリア産と勘違いしたとか).ジギタリスと同類の強心剤が含まれるそうです.左下の花にはカバマダラが吸蜜に来ていますが,この蝶は幼虫時代にこの植物を食べ,この成分を体内に蓄積するため有毒となり,一度この蝶を食べた鳥がそれに懲りて二度と食べなくなるといわれています.長さ15cmほどにもなるニガウリのような実がなっていますが,ホウセンカのようにはじけるんだそうです.ミツバチもよく行きますが,小さな花粉塊の粘性が強く,花にとらえられたり,足を負傷して戻ってくるものもいます.
 

Teasel
Dipsacus fullonum

日本ではオニナベナと呼ばれています.花が終わったあともそのまま自然にドライフラワーのようになって,翌年まで雄姿を見せてくれます.この乾燥花は花立てに活けておいてもよさそうですが,これを使って布を毛羽立てるんだそうです.
花の咲き方が面白く,中央から開花が始まり,やがて上下にそれが移動し,上下端の花が咲いて終わりになります(上の写真では左から右).
 

 Spotted Touch-me-not (Jewelweed)
Impatiens capensis

touch-me-notは通常ホウセンカと訳されますが,これはツリフネソウ.でも花はオレンジ色です.日本にある黄色のものもありますが,紫色はないようです.

 

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