コーネルフォト日記−27(11月9日)

今日 はかねてからのお約束で,ミツバチの自然巣を見に行ってきました.トムがこの秋から,探していたもので,今回は雑誌掲載用の画像撮影を主目的に,今までに見つかった巣(立木の洞にある)を見て回ってきました.場所はイサカの南西,リデルからは車で小一時間のニューフィールドの町に近いところです.かつて開拓民が入ったところが放棄され,コーネルに寄付されて,コーネルの自然資源学部の実習林となったそうです.この実習林では,コーネル名物のメープルシロップの採集も行われ,また各種の公開講座も開催されて,この日もキノコの講座が開かれていました.それにしてもコーネルは広い...
 
紅葉もすっかり終わり,カエデ類はもうすっかり散って,残っているのはカシくらいになっていました.落葉が進んで巣のある部分が見通せるだろうということで,今回の撮影行となりました.真面目な山歩きでした.
 

中央の木にいくつか穴があいています(右拡大)がこの中にミツバチの巣があるのです.樹種は多様ですが,やはりある程度の大きさの木に限られます.巣門の位置も高く,この木をまだうっそうと低層木が茂っていた頃に,まあよく見つけたもんだと感心.
今日のもうひとつの目的は,営巣木の胸高径を測ることです(しかし,トムの胸高径は高めだなあ).赤いテープは巣を発見したときに巻き付けた目印です.巣の発見は,餌場を次々に用意して,そこから巣に帰るミツバチの飛行方向で場所を絞り込みます.上下方向の移動もあるので,見逃して行き過ぎたり,苦労は多かったようです.
 
こちらは雑誌掲載のために撮影したもの.背の高いトムがわきに立っている木の上部青い矢印のところに右の巣門があります.この巣は活発で,ミツバチが盛んに出入りしていました.ちなみにこのミツバチはセイヨウミツバチ.アメリカ大陸にはヨーロッパからの移民が持ち込んだものです.イサカ近郊の冬は厳しいのですが,日本とちがってスズメバチもいないので,結構野生化しているようです.しかしここ数年ダニの影響で数は減っているとか.そのあたりも今後の研究計画に含められています.
 
少し開けたところに大きな石がごろごろしています.これは150年前ほどに入植した開拓民の住居跡.こんな山奥にたった1軒で住んでいたのかと,何となく当時に思いを馳せてしまいます.
このあたりにはもともとはない松林.開拓民が植えた2本の松から自然?に広がったんだそうです.松林の間を抜ける道は,さらに奥地に最後まで残っていた開拓民の家に通じる馬車道(の跡)です.
 
本日の同行者「サイラス」.シーリー家の飼い犬です.8歳ですが甘えん坊.前半の山歩きではしゃぎすぎて,後半はかなりぐったりしていました.運転中のトムの右腕(シフトレバーを握っている)に顎をのせてちょっと眠くなってきたところ? 
誰のいうことでも本当によく聞き,英語でも日本語でも理解できちゃいます(餌をもらうときだけは...ね).
 

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