コーネルフォト日記−29(11月28日)

今日はサンクスギビング(感謝祭).毎年11月の第4木曜日と定められている国民の休日で,アメリカ人にとって最も重要な「祝日」のひとつ.インターネット上の情報は,英語版では以下のものが良さそうです.Thanksgiving Day
サンクスギビングの故事は,1620年,メイフラワー号で渡ってきた102名の植民(英国教会に反対する分派,後にPilgrim Fathersと呼ばれるようになった人々)による,プリモス植入地(現在のマサチューセッツ州)の物語です.来たのが作物を作るのには遅く,新鮮な食品を得られないまま,最初の冬に食糧難と栄養失調で半数を失ってしまうという悲劇に始まります.冬が明け,インディアンにトウモロコシの育て方を教わり,1621年秋に,最初の収穫を祝って催したお祭り(原型はイギリスの収穫祭)がことの発端です.メニューに登場するのはインディアンから教わったスカッシュ(カボチャの一種)やクランベリーの料理.魚の塩漬けや肉類の燻製など,冬用の食料の他,野生の七面鳥やインディアンから贈られたシカでした.
それはともかく,この日は家庭で祝うもの,学生も多くは実家に向けて帰り,普段は休日のない図書館も今日と明日は休館です.
今夜はトムの家(右:山の中にある)に招かれてお手製の料理を堪能してきました.
 

リデルのキッチンにもあるけれど,巨大な七面鳥(ターキー)も楽々入る巨大なオーブンからターキー登場.大きさは隣のカボチャやワインのボトルと見比べてみて下さい.手前のボールに入っているのがクランベリーソース(ほとんどジャムともいえる).
ターキーがメインだというのに,クースもジュディットもベジタリアンなので,彼らには特製のナスとチーズの料理が用意されました.ちょっと悪いような気がするけど,こればっかりはしょうがないのでした.さて,トムによるターキー解体が始まりました.
左2人はトムの娘さん.食べたい部位(もも肉か胸肉)の注文を受けてトムが肉を切り取っていきます.この日は奥さんも含めて5人で食べたのですが,ももひとつと胸のほんの一部を食べてお終い.これからしばらくターキー料理が続くようです(今は冷凍できるので,毎日って訳ではないようですが).皿に盛られたターキー料理.右手前がターキーのもも肉.そこから時計回りに,マッシュポテト,スカッシュのマッシュしたもの,ターキーの詰め物(パンと内臓の一部+香辛料,これが味があってうまい),グリーンピースです.これにグレービーソースとクランベリーソースをかけて食べます.甘いクランベリーとターキーの取り合わせについてはいろいろいわれますが,意外なほど合います.皿の向こう側に,それぞれの名前と"Happy Thanksgiving"と書かれたカードがありますが,お正月に箸袋に名前を書く日本の習慣とよく似ていますね.
 

サンクスギビングの料理で忘れてはならないものがパンプキンのパイ.この日のデザートにはトムの手作りの,パンプキンパイ(向かって左側)とアップルパイの2種類が振る舞われました.パイを食べるにはアイスクリームがつきものですが,アップルパイとチェダーチーズという取り合わせもあり.右,アップルパイに添えてあるのがチェダーチーズ,甘いパイを食べながらチーズを少しずつかじります.これも予想に反していけていました(チーズにクセがないので).
 
この日はフットボールの試合もあり,男はそれをカウチ(ソファ)に座って観戦,女性は料理の支度に忙しい,というのも伝統的なアメリカの光景だそうです.映画「ロッキー」で内気なロッキーの彼女がこの日にデートの約束をしているにもかかわらずターキーを前に悪戦苦闘し,それを見るに見かねて,彼女の兄がターキーを窓から投げ捨てるシーンがあるとか(英語の講師に聞きました).アメリカ人には非常に印象に残るシーンなんだそうです.
 

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