下村 恭広 ゼミ ~真面目と書いて本気と読む~

教員より

下村 恭広

 最近は古着について社会学的に研究できないかと考えています。衣服が廃棄され、それが再び商品として売られる過程は、一度不要とされ価値を失ったものが再び価値を取り戻す過程とも言えます。その背後にはどのような仕掛けが働いているのでしょうか?

 ゼミ生の研究テーマは自由なので、美容、ディズニーランド、労働など様々です。しかし、研究対象を見たままで受け取るのではなく、それを現代社会のありようと関わらせて考える発想が求められるでしょう。

専門

都市社会学

「社会学」では何が学べますか?

下村 恭広ゼミ
 社会学では主に「人間の行為の社会的背景」が研究されています。私たちの人生には何か選択をする場面がたくさんあります。高校卒業後の進路もその選択の一部です。大学に行く人もいれば、専門学校に行く人もいます。また、そのまま働く人もいるかもしれません。人によってその進む道はさまざまです。その進路はあたかも、自分の意志で進んでいるかのように思われがちですが、実は目には見えない社会的要因が潜んでいるのです。自分の身の回りの友人はどのくらい大学に行きますか。改めて目を向けると、そう多くはないことに気付かされるかもしれません。そこには、親の収入などの社会的要因が関係しているから、とも言えるのです。

 人生の選択は意志だけによるものではなく、社会的要因が複雑に絡んでおり、それらは一体どのようなものなのかについて、またそれによって方向づけられた人間の行為がどのような世の中をつくるのかについて研究するのが「社会学」です。これは本を読んだり、理屈で埋めようとするだけではわかりませんので、実際に調査をすることで研究を進めていきます。

リベラルアーツ学部についてどう思われますか?

 私がはじめてこの学部に来たとき、先生方が学生をよく見ていることがとても印象的でした。学生と教員の距離が近く、仲が良いと思います。大学の教員は、教育者であると同時に研究者でもありますが、この学部には教育者であることを大いに楽しむ雰囲気があると思います。こうした雰囲気ができあがったのは、単に先生方の個性によるものだけではないでしょう。これまでの学生と教員の相互作用や、その積み重ねを通じて培われてきたものなのではないでしょうか。

学生からみた先生

 真面目さと若さと背の高さが評判の先生です。社会学が専門なだけあって、情報が豊富。各生徒が必要とするアドバイスを的確にしてくれます。時々、真顔で冗談を言ってくれるのがゼミ生の楽しみとなっています。

ゼミ生より

 自分の卒業論文のテーマをそれぞれが発表して、ゼミ生みんなでディスカッションする形式の、真面目さが売りのゼミです。最近では授業中でも冗談が飛び交うようになり、活発で楽しいゼミになってきました。その分、お互いに意見を堂々と言い合えるようになりましたが、最終的な討論のまとまりはまだまだ…。そこでいつも下村先生がきれいにまとめてくれます。真面目なときは真面目に、笑うときは笑う、けじめがしっかりしているゼミです。

受験生・高校生へ一言

 卒業後の進路への不安のあまり、大学では資格をたくさん取らないといけないとか、就職に役立つことを したいという学生さんと出会うことがあります。確かに日本経済の大きな変化に伴って「大人のなり方」の スタンダードが揺らぎ、将来に確実につながるものが何なのか誰も分からなくなっています。 それだけに、(私もそうなのですが)短期的に分かりやすい成果が出る事柄だけに意識が向かいがちになっ ています。しかし、そうした態度で学生生活を送ることが、将来に向けて意義のあるものとなるのか、疑問を 覚えないわけではありません。

 卒業後の進路について考えることはもちろん良いことですが、今感じる不安に怯えるあまり、無知な自分の 見える範囲での損得勘定しか気にならなくなってしまったら、もったいない。この時期にしかできないことって 何でしょう。自分がわくわくできることを見つけたり、関心を持てることにどっぷりとはまったり。そしてそれらを 通じて、予測できないことや不確実なことへの自分なりの向き合い方を作りあげて欲しいと思います。