バイオテクノロジー人材育成「微生物遺伝資源へのアクセスとその活用」コースの概要

 

1.微生物資源へのアクセスの国際的知識を習得する

ポストゲノム時代、プロテオミクス時代の創薬はどのようになるのか、天然物創薬に未来はあるか、生物多様性条約(CBD)の国際的な動向など、過去5年の推移を見極め、今後を展望する。バイオの技術革新のみならず、国際的、政治的バランス感覚が研究開発従事者に求められている。この第一番目のセッションでは、CBDに通じた国際的に著名な方々はじめ、ビジョンを語れる方をお招きした。このセッションは土曜日午後に行われ、主として座学であるが、講師の先生方から聴講される方に議論を投げかける形で行う予定である。予め「生物多様性条約」や「ボンガイドライン」に目を通されるとより理解が深まるであろう。

 

2.微生物資源の分離・同定、代謝産物のプロファイリングと最新の応用技術を習得する

この第二番目のセッションは実際の実験実習を含み、主としてかずさの生物遺伝資源センターで行われる。すなわち微生物の分離から形態、科学分類、分子遺伝学的手法を用いた同定に始まり、二次代謝産物のプロファイリングとコンビナトリアル生物学にもふれてこの分野の将来を占う。8月第1週をすべて使って行われる。

 

3.微生物資源の利用に関する、知財権、国際法、利用の際の交渉スキルを習得する

第三番目のセッションでは、よりマネージメントに近い部分のスキルを磨く。すなわち、プレゼンテーション、交渉、知的財産権からグローバル化まで、研究開発の企画部門、マネジャーはもちろん、研究者も必要とする知識とスキルである。このセッションは、座学で始まるが、ディベートやグループ討論にも力を入れたい。土曜の午後を用いて行われる。

 

4.いま、わが国のバイオ産業の研究のトップは何を期待しているのか習得する

最後のセッションでは、わが国一流企業のR&Dのトップあるいは研究所長クラスの方々をお招きし、話題を提供して頂き、その話題と上記3つのセッションの知識・経験をもとに、講師の方を中心にグループ討論を行いたい。従って、趣旨からこのセッションのみの参加ではなく、上記のいずれかのセッションを経験された方に参加して頂きたい。10月最後の1週間を用いて行い、企業見学も予定している(交渉中)。

 

5.第8回微生物資源ワークショップ

すべてのセッションが終了した翌日から、12日の日程で玉川大学学術研究所菌学応用研究施設主催の第8回微生物資源ワークショップが三島で開催される。この人材育成コースを経験された方には、とくに参加をお勧めしたい。詳細は未定であるが、欧米から一流の企業研究者、経営者を招聘し、少人数での緻密な意見交換と情報交換の場になることが期待され、これまでの例(箱根、河口湖)でも、情報量の豊かさと人的交流の幅には定評がある。

 

注:上記の内容は未定の部分を含んでいますことをご承知ください

 

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Last update on 2003/05/28
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