岐阜県養蜂21世紀大会

2001年1月19日

於:岐阜グランドホテル

21世紀の幕開けとして近代養蜂発祥の地である岐阜県において,全国の養蜂関係者と共に20世紀の養蜂界を振り返り,21世紀へ向けた養蜂業界の活性化と団結、並びに消費拡大を図ることを目的に開催されました.岐阜市は1910年(明治43年)に第1回全国養蜂家大会が開催された地でもあり,再び原点に回帰して将来に向けて誓いを新たにするという大会でした.

 

記念式典


記念式典であいさつする大会主催者
岐阜県養蜂組合連合会の郷馨会長

岐阜県養蜂21世紀大会実行委員会主催で開催された式典では,来賓あいさつ(知事選などで,県知事や市長などは代理出席,国会議員,県議会議員などのあいさつが続きました)のほか功労者への褒賞授与が行われました.

 

大会宣言

 私たちは,本日ここに岐阜県養蜂21世紀大会を開催し,これまでの一世紀にわたる,近代養蜂の歩みを振り返ることにより,先達が築いた日本の近代養蜂への,大きな努力を深く胸に刻み,養蜂業界を取り巻く情勢を踏まえ,新たに迎えた21世紀の,養蜂業界の方向を全国の皆様と考える必要があると考えます.
 現在の養蜂業は,一世紀前から見れば,その発展は隔世の感があり,その需要は,ハチミツだけでなくローヤルゼリーやプロポリスまた花粉交配用ミツバチなど,多方面へと拡大してまいりました.


養蜂21世紀大会宣言を読み上げる岐阜県養蜂組合連合会青年部の春日住夫氏
 しかしながら日本国内におきましては,自然環境の悪化による蜜源植物の減少また蜜源植物への害虫の被害の拡大,さらにミツバチの疾病についても,未だに克服されたものはない状況にあります.
 
そうした状況の中,ミツバチに熟知した養蜂家の高齢化が進むことにより,先達が多大な苦労により築き上げてきた大きな需要に対して,国内の生産だけでは,はるかに供給が及ばない状況にあります.蜂産品には,いまだ未知な部分も多く無限の可能性を秘めた貴重な産品です.
 
21世紀は,今以上に健康志向が高まり,さらなる需要が見込まれるものであると,確信するとともに新規開拓していかなければなりません.そのためには養蜂家と養蜂業者が,今以上に連携を図り,より良い蜂産品をより多くの方々にご利用いただくために,鋭意努力し,蜂産品の研究,開発に研鑚することにより,養蜂業界の新たな未来が,開けるものと考えます.

 本日の当大会を契機に,私たちは全国の養蜂関係者と共に一致団結して,21世紀の養蜂業界のさらなる飛躍に向けて,全力を上げて取り組み,新たな養蜂の歴史を次の世代に引き継ぐことをここに宣言します.
(原文提供,春日氏)
 

記念講演

名和昆虫博物館の名和秀雄館長による「自然とのふれあい」と題した講演.

多くのテレビやラジオ番組のレギュラー経験がある名和氏はユーモアたっぷりに自然とのふれあいの大切さを訴えました.生きたクワガタムシなど実物も登場,あっという間の楽しい1時間.もっと聞きたかった人も多かったのでは?
手にしているのは自著「虫のいい噺」.

 

展示会

養蜂関係の企業が展示ブースを設けていました.大盛況でしたがちょっと場所が狭かったですね.各種の生産物に交じって,花粉交配専用のミツバチなども目立って多く展示され,昨今の養蜂産業の動向を示す興味深い展示会でした.
 

大会記念パーティー

正月らしい飾り付けに,大勢のコンパニオン,大変にぎやかなパーティーでした.