イコンはギリシャ語の「エイコン」(像)が変化した言葉で、主として東方正教会で崇拝されているテンペラ技法を用いた板絵の聖画像をさします。イコンには、キリスト、聖母、聖人があらわされたもののほか、キリストや聖母の生涯、聖人伝など聖書の一場面、また複数の場面で構成されたものなどがあります。その慈愛に満ち、厳かな画面は、単なる画像ではなく、「天上の国と地上の国との間の窓」であり、映し出された神の国を仰ぎ見るものといわれています。