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008

十字架イコン

ロシア・イコン 1800年頃 板、テンペラ 117.0cm×87.5cm

このイコンは、ロシア式の十字架をかたどるもので、表にはイエス・キリストの磔刑像、裏には合掌してとりなしの祈りを捧げる聖母マリヤ像が描かれている。イコンとしては大型に属し、聖堂の奥中央に安置するために制作され、祝祭行進にも用いられるものである。 表側のイエスの頭上には、父なる神と聖霊(鳩)と腕を覆った天使、太陽と月など描かれ、聖三位一体をあらわしている。横木の左に聖母マリヤ、右に福音記者ヨハネ、イエスの足元にはエルサレムの市壁とアダムの頭蓋骨が描かれている。十字架の裏には、祈りの聖母マリヤを中央に、頭上には愛の天使セラヒム、足下には釘や金槌、滴る血を受ける聖杯、椅子、刑具類などを描き、柱の上に鶏(鳴き声で悔い改めたペテロの事蹟の象徴)、横木には腕を覆った天使と聖者のメダリオンが配されている。

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