教室の枠を超えた社会科学習の提案

玉川学園/玉川大学・社会科教材開発研究グループ

 

従来教室で行われていた授業は,教師が指導し生徒が学ぶといった基本的構造の上に成立していました.近年「自ら学ぶ〜」というコンセプトのもとに多くの学校で,いわゆる「考える授業」としての「問題解決学習」が取り入れられ,それぞれの分野で新しい価値観に基づく授業が模索され,展開されています.また,「総合的学習」が時間割の中に組み込まれようとしている今,社会科が本来有している総合的な学習展開が注目されてきました.

全人教育発祥の地である玉川学園では建学の頃より,広く教科学習の総合化に取り組んできました.当研究所では長年にわたって本学園が蓄積してきた学習法および教材を基盤としながらも,今日の技術と新しい方法とによって「新時代の学習」に相応しいものに変えていく実験を重ねてきました.ここに紹介する学習も社会科学習の一つの在り方を提示したものであり,以下のコンセプトにより制作,実験を行っています.

※実験中の歴史学習「鎌倉時代の学習」・総合学習「お米の学習」.教育素材「発掘シリーズ」はこのページの下にあります.

1.学習の基本は教室で.

一つのことを調べ,まとめ,発表するためには,自らが明確なテーマを持ち学習の筋道が立てられていなければなりません.そしてこの要件を充足するためには綿密な計画に基づく優れた授業が展開されなければなりません.
こうして一つの項目や単元が理解されたとき初めて,児童・生徒は深い内容をもったテーマ(疑問や知りたいこと)を設定することができます.
もちろんテーマが持てただけでは,学習は停滞します.当然そこに教師による適切な指導が要求されるわけです.
このように丁寧な指導とステップがあってはじめて高い内容を持った学習を展開し,生徒の要求を満たすことが出来ると言えましょう.そして,そのような状態が構築されてはじめて学習は時間と場所の束縛から解放されることになります.私たちは機械さえあれば好きな時に,好きな場所で学習することが可能になったのです.

2.情報は外から.

学習効果を更に高めるためには多くの情報を収集しそれを取捨選択し整理する能力が求められます.従来のように限られた参考書や資料では理解をより深めることは困難と言わざるをえません.このために社会科では実際に企業やお店を訪問して資料を集めるといったことが行われてきました.
コンピュータはこのような情報を収集するには最も優れた道具といえます.また,調べ上げたことに図版を加えたり,グラフ化することなどにも優れた能力を発揮します.今日こうした情報の件数は日々増加し,各国,各地域に優れた情報が構築されています.しかし,情報をどこから得るか,それをどう生かしまとめるかは人間の作業になります.ここに教師による適切な指導が要求される訳です.

3.指導は複数で.

このような形態の学習を行うためには複数の指導者が必要となります.教室での指導者,それにコンピュータを介しての指導者です.コンピュータを介しての指導者は学習に参加する生徒の状況によって,小学校や中学校あるいは高等学校という従来の枠組みを離れて生徒に対応することもあるでしょう.場合によっては専門家や他校の教師も必要になります.また,内容によっては教科の枠をこえての支援や協力も必要になります.これらの指導者は単元によって持ち回りでも良いわけですが,事前の打ち合わせなど高度なチームワークが要求されます.
しかし,これは児童や生徒にとっては幸いなことと言えます.一人だけの教師からは得られない知識や指導を受けることが出来るからです.

4.学び合うことの大切さ.

従来のクラスや学年,あるいは学校という限られた枠から,多種多様な学校あるいは研究者との交流を深めることにより,更に学習効果を高めることが可能になります.もちろんこうしたことには誤った情報や偏った情報,あるいは商業的な勧誘などのリスクが伴う可能性があるため,相手選びも慎重に行わなくてはなりません.
こうした問題点をクリアし,学習が従来の枠組みの中から飛び出すことによって学習は大きな広がりを持ちます.更に蓄積された個々の学習はそのまま次回のためのデーターベースになります. 本学習の一つの特色として,自ら学び,学び合って学習効果を高めると同時に,従来のように教室で1回限りの発表で終わっていた生徒の作品がそのままデータとして残されるところにあります.インターネット教材としても単なるドリルや辞書・辞典,指導者等による一方向の教材とは一線を画しています.

5.玉川学園学術研究所「社会科教材開発グループ」からのメッセージ

今日,さまざまな形態の学習がネットワーク上で行われておりますが,本教材は上述のように共に学び合うことに重心をおいて試作されたものです.コンピュータは大きな可能性を秘めた便利な機械ですが,私達はその機械の前にいる人間に焦点をあわせていきたいと思っています.
現在,当研究グループでは「鎌倉時代の学習」「お米の勉強」への参加校を募集しております.日常の授業をよりよいものにするために努力されている先生方の参加を是非お待ちしています.

社会科学習教材 開発・制作

玉川学園/玉川大学 社会科教育研究グループ

特別研究員 多 賀 譲 治

御質問・お問い合わせは 

Genbow Tamagawa

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ブロードバンド用授業 携帯電話を利用した学習実験 IPフォンを利用した学習実験

 

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