訪問記


教育研究所 澤柳 宏

小田原の海辺はうらうらと時空を超えた微風が吹いて、2000年は 瞬きの間でしかないことを実感させます。発掘の現場は初めての体験です。細かい作業の継続と、すでに露出されて覆われている遺物の群れと、その間を歩きながら説明してくれる 専門家のえもいえぬ語り口と、それらが絶妙な調和を生み出して、私は心地よい緊張を味わっていました。こういう時間は人を幸せにする、としみじみ考えたひとときでした。

WEBより


教育研究所 多賀 譲治

「地震,雷,火事,おやじ」のうち二千年前のやつを半分見ることが出来ました.今は液状化が起こる程の大地震でも,そのあとにすぐに家を建て直してしまう御先祖様の逞しさに感動しています. 今回「文化の出合いはこうしておきたのか!」を目の当たりにして「過渡期」とよばれる中途半端な時代のイメージはフッ飛んでいきました.

新しいものを積極的に取り入れた人々の気概に敬意を表するとともに,あの川で遊んだ子供達や,広場に集まって瀬戸内から漂着した人々の話に聞きいっていたであろう中里の人たちが,すぐそこにいるような気がしています.

FCISより

 


学術研究所 片岡 勝美

中里遺跡をご案内いただきありがとうございました。日頃、イネを材料にして生理・生態学分野の研究をしている私にとっては大変興味ある遺跡です。
関東にイネが伝播したのは弥生後期であろうと考えていました。しかし、鎌倉時代には関東平野がイネの作付け面積で日本一だったそうですし、すでに青森県でも栽培が始まっていたそうです。
イネが熱帯あるいは亜熱帯原産の植物であるところから、関東あるいは以北で栽培化が始まるには西南暖地に伝播してから、かなり時間がかかるとものと考えると普及の速度があまりにも速いと思って疑問に思っていました。 青森は標高で言えば多分1000メートルかそれ以上と考えられますので冷害の被害があります。それに打ち勝つ耐冷性品種が揃っていなければなりません。中里遺跡のように早くからイネ作が始まっていれば、低温に強いイネが早くから選抜され、高冷地でのイネ作の準備ができていたと考えることができます。
もう一つの興味は中国系の日本型それらの雑種系であったのか興味深いものです。遺跡からプラントオパールでも見つかると良いですね。

E-Mailより


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