ある日、次のようなメールがゲンボー先生の元によせられました・・・これは始めて稲作りにチャレンジした栗嶋さんご一家の全国のご家族におくる「バケツ稲」の生育記録です。

こんにちは。私はお米をバケツで育てています。今、稲が32.5cmです。だいぶ黄色くなっています。何故ですか?
40cmまで成長したら水を抜いていいと聞きましたが、抜いていいですか?(平成19年7月28日)


静岡県○○市立○○小学校
5年 りら

 

りらさん。メールをありがとう。

穂に実が付いて黄色くなるのは9月とか10月になってからのことです。その稲は穂が付いていますか?花が咲きましたか?そうでないのに黄色くなるのはいくつか原因があります。

1.病気(いもち病)
2.害虫によるひがい
3.肥料ぎれ

です。5月か6月に植えた苗でしたら以上のうちどれです・・・もう少しくわしく稲のようすを書くか写真を送ってください。そうすればはっきりします。(平成19年7月28日)

ゲンボー先生


りらの親です。
回答をありがとうございます。
前のメールに写真をつけましたが、ついてませんでしたか?
エクセルに写真を貼り付けて添付します。
よろしくお願いします。(平成19年7月29日)

 


りらさんのお母様?・・お父様?

今度は見ることができました。前回のは何かの加減でフィルターにかかってしまったかもしれませんね・・・

写真から判断すると「密生」が原因です・・・苗は3〜4本を一つの単位として植える方が根のはり方・・茎の成長・・穂付きがいいのです・・これはそれ以上に見えますが・・・

とにかく、ここまで成長すると難しいですが、黄色くなった茎を根ごと抜いてください。

次に肥料切れです・・黄緑色になっているのはそのせいです。化成肥料軽く一握りを均等にまいてください。

このままでいくと、弱って病気が発生します・・・りらちゃんのバケツ稲に稲を実らせるのは結構たいへんですよ・・こまめに手をかけてあげてください。・・・いつでも相談に乗りますので気兼ねなくメールをください・・何とか実らせたいですね・・

お宅の近くには田んぼがあるようでしたら、苗の様子をしっかり観察して「何がちがうか」を見るのも勉強かと思います・・・(平成19年7月29日)

ゲンボー先生


りらの父です。
黄色いのを抜いてみましたが、まだ密集している感じです。
もっと間引きするべきでしょうか?
写真を貼り付けたファイルを添付します。見ていただけますでしょうか?
また、化成肥料ですが、どのようなものをまけばよろしいのでしょうか?
できるだけ自然の肥料を使いたいのですが、良いものはありますでしょうか?

よろしくお願いします。(平成19年7月31日)

りらの父

  


お父さん、今晩は!

これくらいでイイと思います。問題は肥料ですがかなり肥料ぎれしていますので、ここはハイポネックスのような液体肥料をまいた方が効果的です。
化成肥料ならば粒状のものも出回っています。これが最初のメールに書いた「軽く一握り」です・・どちらも少量のものが用意されています。

有機肥料は腐りやすいのでバケツ稲には向きません。どうしてもという場合は腐葉土を足してください。しかし、これとてあまり薦められません・・
農家が有機肥料を使う場合は田植え前の土にすき込む方法をとります。こうすれば肥料が土になじみ土そのものが豊かになるからです。バケツ稲も同様で、やるなら土だけの時にかぎります。それも田植えの一ヶ月前(遅くともです・・)

なお、化成肥料は粒状・液状を問わず、適量を適度な間隔でまかないと枯れたり効果が薄れたりします。一番怖いのは「やりすぎ」です。説明書を良く読んであげてください。窒素・リン酸・カリのバランスの良いものがおすすめです。

なお、バケツをおく場所は陽当たり風通しの良いところです・・・ことしは日照時間が短いので病気も発生しやすくなっています・・・

頑張ってくださいね・・(平成19年8月1日)

ゲンボー先生


丁寧なお返事をありがとうございます。
化成肥料もまきました。
何とかもちなおしてくれることを期待しています。
今後、状況を報告させていただきますので、よろしくお願いいたします。
(平成19年8月4日)

りらの父


今晩は。
化成肥料を入れて数日経ちましたが、水面に緑色の藻のような、苔のようなものが出てきました。
これは何でしょうか?
このままで大丈夫でしょうか?
(平成19年8月6日)

りらの父


おとう様

そのとおり!「苔」の一種です。栄養状態と温度が良くなったために発生したものです。これはあるよりない方がよいので取り除いてください。
まだ枯れている葉が残っていますので、これは根本の方から切り取ってください。良い葉だけを残しておきましょう。(平成19年8月6日)

ゲンボー先生



りらの父です。
しばらくご無沙汰してしまいました。
稲は一応順調に育っているようで、穂が出てきました。
娘からの質問です。
『穂のてっぺんに赤い点がありますが、これで良いですか?』
分かりにくいのですが、現状の写真(9月2日撮影)を添付します。
よろしくお願いします。
(平成19年9月2日)

    


おとう様

良かったですね・・穂のてっぺんに赤い点がでるのは品種による特徴ですからだいじょうぶです。
穂の中にお米が育ってくる頃合いだと思いますが、ここまでくれば心配はありません。水の管理(土が湿っている・・水は少量)と陽当たり風通しのよいところで育ててください。

黄色くなってきたらまたご連絡ください。(平成19年9月5日)

ゲンボー先生


りらの父です。
稲が大分黄色くなりました。(黄色くなりすぎ?)

如何でしょうか?(9月22日撮影)(平成19年9月22日

 


おとう様

穂の部分アップ写真を送って頂けますか?
(平成19年9月23日
ゲンボー先生


ファイルが重くなる為画質を落としてありますが、これで分かりますでしょうか?
分かりにくかったら、少し重くなりますが、画質を落とさず送ります。(平成19年9月24日)

りらの父


おとう様

写真で確認しました。穂がついていますね・・(微笑)穂を触れば分かるのですが中に「実」(つまりお米)は入っていますか?写真で見ると米が入っていないものもあるようなので質問しました。

いずれにしましても刈り取りまでには今しばらくの時間が必要です。田んぼのお米で確認して頂ければ分かると思いますが、稲刈りをする段階の稲はすべて黄色くなっています。栗嶋様のバケツ稲も同様に完全に黄色くなってから刈り取ってください。
(平成19年9月24日)

ゲンボー先生


穂を確認しましたが、空のもののあれば、お米が入っているのもあります。
何とか少しばかりは収穫できそうです。
刈り取りにつきましてはわかりました。
田んぼのお米を見ながらやってみます。
いつもありがとうございます。(平成19年9月24日)

りらの父


りらの父です。
とうとう稲刈りをしました。と言うより、稲切りです。鎌で刈り取ったのではなくて、はさみで切りました。(笑)
穂はたくさんできましたが、実が入っているものは7粒だけでした。
たった7粒で残念でしたが、娘にとって、正直言って親の私たちにとっても初めて経験で、とても良かったと思います。
娘は食べてみたいと言いましたが、これだけでは炊くことはできないのと、他のお米と一緒に炊いてもどれか分からなくなるので、記念にとっておくことにしました。
これまで親切、丁寧にアドバイスを頂きまして、大変ありがとうございました。
(平成19年10月8日)

 

りらちゃんと 稲切り・・(^^)


おとう様

7粒ですか・・七福神ですね(笑)
しかし7粒でも立派な収穫です。約半年間お子さんと一緒に稲を栽培したことはお父さんにとってもお子さんにとってもかけがえのないよい体験だったと思います。今回の経験を生かせば次にはもっとたくさん収穫できると思います。
本当にご苦労様でした!!
(平成19年10月9日)

ゲンボー先生

 


おとう様
7月からのやりとりをHP上にアップしたいと思いますが宜しいでしょうか?全国のお父さんに見てもらいたい。(^^)
(平成19年10月9日)
ゲンボー先生


りらの父です。
返信が遅くなって申し訳ありません。
HPへの掲載は問題ありません。
が、このバケツ稲は、娘と私だけの作業ではなく、どちらかというと、私より妻がやっていました。
私は写真のファイルの作成とメールが担当で、実務は娘と妻でした。
ということで、『全国のお父さまへ』というより、『全国のご家族の皆様へ』
で、お願いできますか?(平成19年10月17日)


おとう様

ありがとうございます。全国のご家族の皆様〜でやらせて頂きます。(^^)

(平成19年10月17日)

ゲンボー先生


ゲンボー先生へ

りらの母です。この夏は、いろいろとご指導、ありがとうございました。おかげさまで、7粒(!!)収穫できました。りらは、とても喜んで、「来年もまたやる!」とはりきっています。私自身も、海の近くで育ったせいか、米作りには縁がなく、まったく初めてで、とても良い経験になりました。バケツ稲栽培を始めたのも、娘の学校では5年生が米作りをする伝統があり、あまった稲をもらってきたことがきっかけでした。5年生になった娘の親として、一緒に田植え、稲刈りをさせてもらい、非常に勉強になりました。
ゲンボー先生の、’全国のお父さんに見てもらいたい’というお気持ち、大変うれしく思いました。夫は「私より妻がやっていました」と申しましたが、私もたいしたことはしていません。バケツと土などを買ってきて娘や娘の友達たちと稲を植えたことと、肥料を買ってきて入れたこと、くらいかな。稲刈り(稲切り?!)は夫が娘と一緒にやったようで、知らないうちにお米が取れていたし・・・。どちらにしても、娘がHPに掲載されると聞いてとても喜んでいます。私たちもうれしく思います。
とれたお米と一緒に私たちの写真をゲンボー先生に送ればよかったな〜と今更ながら思いました。お米は実は食べちゃいました。始めは大切にとっておくつもりでしたが、せっかく収穫したのだから、食べてみよう、ということになり、夫が籾殻を手で取り除き、いつも食べてる玄米に混ぜて一緒に炊いて食べました。どれが収穫した米(もち米です)か分からなかったけど、これかな〜、とかいいながら、食べて楽しかったです。
また、来年、家族で米作りしますね。またお世話になると思いますが、よろしくお願いします。
本当に、見ず知らずの私たちに丁寧にご指導くださって感謝しています。ありがとうございました。
(平成19年10月17日)


お母様

ご丁寧なメールをありがとうございます。・・・メールの向こうに栗嶋家の笑顔が見えてきそうです(笑)
ご家族の写真差し支えがなければ送ってください。一緒に掲載しましょう。明日から出張なので来週にはアップしたいと思います。
それからお父様にお願いですが、写真は容量を落としてエクセルに貼り付けられて送っていただきました。
このメールは容量無制限ですのでオリジナル画像がありましたらそちらを送ってください。今までの写真ですとちょっと小さいかなあ・・と思います。
来年もやられるということですので、今年の経験を生かしてぜひ頑張ってください。植えるタイミングと水加減さえ気をつけていれば、かなり収穫できると思います。
(平成19年10月18日)
ゲンボー先生


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