玉川大学出版部の本


電気の精とパリ

A.ベルトラン・P.A.カレ著

松本栄寿(横河電機技術館準備室学芸員)・小浜清子訳
A5判上製・296頁
定価 :3,990円(税込)
発行年月 :1999年12月
ISBN :ISBN4-472-11381-3 C3042
ジャンル :工学

かつては近代化の象徴とされ、現在では当たり前のように使われている電気。それはどのような過程を経て、われわれの生活に浸透してきたのであろうか。電信の発明、馬車から路面電車への移行、ガス灯と電気照明の争い、農村への電気の普及、家電の発達など、フランスにおける電気の発達の歴史と社会・文化に与えた影響を探る。

主な目次

序文
第I部 神秘の流体 一七八〇〜一八八〇年
  一章 神秘の流体
   l 黄色のコハクと電気の語源
   2 ゆるやかな科学の歩み 十七〜十八世紀
   3 雷と空と電気
   4 物理の実験室と宮廷の見世物
   5 メスメルの桶
   6 電気による看護と回復
  二章 電気通信
   1 電気応用のはじめ−通信
   2 フランスの電信
   3 身近になった電信
   4 世界をめぐる通信網
   5 電話のコミュニケーションと私生活空間
   6 すてきな道楽
   7 電話と空想
第II部 電気の驚異 一八八〇〜一九一四年
  三章 一八八一年の「電気革命」
   1 一八八一年の「革命」前の技術革新
   2 電気技師
   3 一八八一年の「電気」大臣
   4 電気の都パリ
   5 太陽のライバル
   6 世界を揺さぶった二十年
  四章 電車と地下鉄
   1 幼稚な手探り技術
   2 パリのアメリカ式−馬の引く路面車
   3 フランスの路面電車−ゆるやかな普及
   4 地下鉄
   5 公共の空間は電気の空間か?
   6 輸送機関の合理化と電化
  五章 電気照明の驚異
   1 喜びとあふれる光
   2 驚異と安全
   3 夜の終わり
   4 健康と快適さ
  六章 社会問題への解答か?
   1 家内工業のチャンス到来
   2 革命への加速か?
   3 高性能モーター出現
   4 電気のユートピア、社会問題の終わりか?
   5 流水力
   6 失望落胆
   7 高価な電気
第II部 抵抗 一八八〇〜一九一四年
  七章 恐怖と退廃
   1 電気の火あぶり
   2 作業中の新事故
   3 驚くべき神秘的事故!
   4 電気の死神
   5 失明の恐柿
   6 軟弱な精神の増加
   7 「電気の生活を逃れて」
  八章 不確かな供給
   1 頻発する供給の中断
   2 数件の大事故
   3 電気のストライキ
   4 一九〇七年の大スト
   5 共産主義者による停電の恐体
   6 少数の利用者、高価格
   7 電気の公共牲と法規制
  九章 すべてを電気で
   1 電気技師は造物主
   2 すべてを電気で
   3 田畑の電気
   4 電気モーター、海底、海上、空中?
   5 電気自動車
   6 電気の未来は鉄道か?
  一〇章 消費者の選択
   1 ガスのゆるぎない地位
   2 レンヌの例
   3 ガスの進歩
   4 工場の操業
   5 他の証明
   6 さまぎまな原動機
第IV部 普及 一九一四〜三九年
  一一章 生活と労働の変化
   l 農村の電化の進歩
   2 農作業は変化したか?
   3 農家の照明
   4 農村の電化
   5 仕事場の照明
   6 電気モーターと仕事場
   7 明かりは販売を促進する!
   8 都会の照明と芸術
   9 電気の建物
  一二章 家電のマーケット
   l 新しい私生活空間の発明か?
   2 新しい美学
   3 小型化と電気の奴隷
   4 家電製品の用途は?
   5 フランスの消費の低迷
   6 アメリカ女性は理想像か?
   7 家鹿への電気の「宣伝」
  一三章 全国配電網
   l 国家資源の結集
   2 国家規模のグループ
   3 電気と輸送
   4 国家統制の悪夢
   5 統一の必要性
   6 完全な全国網
   7 「給電管理者」
   8 ヨーロッパの配電網は?
   9 送電の国営化
   10 産業上の低い地位
   11 「電気の精」
第V部 一般化 一九三九年〜
  一四章 窮乏の時代 一九三九〜四九年
   1 欠乏の原因
   2 消費の禁止
   3 規制の実施
   4 電気暖房への殺到
   5 規制の限界
   6 配電停止の継続!
   7 窮乏の影響
  一五章 電気と栄光の三〇年
   1 国土の電化の終了
   2 著しい遅れ
   3 機械と幸福、家電製品
   4 情報提供と商業努力
   5 イメージの定着
   6 「万人にとっての権利」か?
訳者あとがき
年表

索引

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