玉川大学出版部の本


日本の産業遺産II −産業考古学研究−

前田清志(元玉川大学教授・前産業考古学会会長)・玉川寛治(東京国際大学非常勤講師・産業考古学会理事)編

A5判上製・496頁(カラー口絵4 頁)
定価 品切・オンデマンド対応
発行年月 :2000年11月
ISBN :ISBN4-472-40244-0 C3060
ジャンル :工学

産業技術の近代化を実証する上でも、またこれからの技術革新の行方を模索する上でも、産業遺産を調査・研究・保存しようという気運が日本のみならず海外でも高揚している。第I巻に続き、日本の近代化を推進した貴重な価値をもつ産業遺産の調査・研究を業態別に分けて報告するとともに保存活動の実情とその意義を紹介する。

主な目次

まえがき
序論 産業考古学会の二〇年(前田清志)
第一編 理論・方法
  一 産業考古学の構図と構成(種田明)
  二 産業遺産データベースの構築とその諸問題(石田正治)
  三 産業遺産とエコミュージアム−地域における産業遺産の保存と活用の可能性(柿ア博孝)
第二編 鉱山・金属・窯業
  一 志免炭鉱の立坑遺産−失われた海軍炭鉱技術遺産の発掘(山田大隆・長渡隆一・大石道義、池森寛)
  二 火縄銃の製作技法の研究(伊藤博之・伊藤薫・佐々木稔・所荘吉)
  三 海防艦「志賀」に使用された鋼板の金属学的研究(伊藤博之)
  四 近世以降におけるわが国の石灰工業−石灰の産業考古学的研究(熊倉一見)
第三編 建 築
  一 東海地方の煉瓦造産業遺産建築−愛知・岐阜・静岡の“赤煉瓦”研究と保存問題(野口英一朗・水野信太郎)
  二 織物工場 鋸屋根−桐生の調査から(野口三郎)
  三 北部九州における炭鉱主の住宅の平面構成について(森山恵香・松岡高弘・川上秀人・北野隆)
  四 旧陸軍岩鼻火薬製造所の敷地・建物の変遷-明治・大正期の動向(菊池実)
  五 旧陸軍兵器庫の保存と活用−第九師団兵器支廠兵器庫の場合(本康宏史)
第四編 交 通
  一 戦後日本における船の保存(青木栄一)
  二 鉱山寮釜石鉄道とその遺産−精神・社会遺産としての鉄道文化(小野寺英輝)
  三 足尾銅山の電気機関車考(吉川文夫)
  四 蒸気機関車の活躍を支えた転車台−新潟県内の転車台について(今井寛)
  五 三井鉱山所有とされる初期の自動車について−明治末期の九州における輸入自動車の一断面(松本晉一)
  六 東京・多摩の戦車橋(川上顕治郎)
  七 首都圏に残る鋳鉄製跨線橋支柱の現状(堤一郎)
第五編 繊維・機械
  一 幕末・明治期の輸入綿紡績機械関係の産業遺物(玉川寛治)
  二 産業遺構の時代性−足利・桐生の近代織物産業の場合(日下部高明)
  三 和時計技術転換期の研究−一挺天府式から二挺天府式へ(北野進)
第六編 水車・農村工業
  一 天竜川と豊川流域の水車製材(天野武弘)
  二 現在も稼働する綱唐臼(池森寛)
  三 南武蔵野の水車が産業に果たした役割−砂川用水を中心に(小坂克信)
  四 北見地方の薄荷蒸留技術の変遷−中川地方との対比において(山田大隆)
第七編 映像記録・教育実践
  一 上総掘りの研究と映像記録(諸岡青人)
  二 産業遺産の調査研究を教育にどう活用したか(高橋伊佐夫)
産業考古学会推薦産業遺産一覧

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