津田梅子の社会史 |
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橋裕子(津田塾大学助教授)著
A5判上製・264頁
定価 |
:2,730円(税込) |
発行年月 |
:2002年12月 |
ISBN |
:ISBN4-472-40275-0 C0023 |
ジャンル |
:伝記 |
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近代日本女子高等教育界のパイオニア津田梅子。生い立ちから米国での留学生生活、帰国後の文化的葛藤、再留学、そして女子英学塾建学に至るまでを、梅子に影響を与えた思想・人物に依りながら検討する。また、新たに発見された書簡等から、日米の価値観の懸隔に揺れた内面生活や終生抱き続けた教育にかける信念を跡づける。 |
主な目次
序 章
第一章 最初の女子留学生派遣の経緯
―津田梅子の背景を中心に
はじめに
一 家族背景
二 梅子への早期教育
三 黒田清隆の開拓使建議書と女性
四 岩倉使節団と女子留学生
五 留学生とジェンダー
六 明治天皇による賢母論
七 皇后謁見
八 旅立ち
おわりに
第二章 駐米時代における森有礼と女子教育観
―津田梅子ら女子留学生との接点から
はじめに
一 『アメリカにおける生活と資源』に見られる女子教育事情
二 『日本の教育』に見られる女子教育についての助言
三 『米国在留日本人』に見られる森の女子教育観
四 キャサリン・ビーチャーの思想―「異なってはいるが平等」というジェンダー観
おわりに
第三章 「ヴィクトリア時代の家庭」と最初の女子留学生
―津田梅子のランマン家受け入れの経緯を中心に
はじめに
一 女子留学生の受け入れ家庭
二 森有礼とチャールズ・ランマンの確執
三 留学生「一斉帰国命令」と森有礼の女子教育観
四 「ヴィクトリア時代の家庭」と女子留学生
おわりに
第四章 チャールズ・ランマンの「父性」
―アメリカ・ヴィクトリア時代後期の「男性的家庭性」を中心に
はじめに
一 「父性」の定義
二 ヴィクトリア時代後期の男性性
三 「新しい父性」の原点―ラロッサの整理
四 チャールズ・ランマンの「父性」
おわりに
第五章 ベーコン家の〈娘〉たちと津田梅子の〈絆〉
―アリス・ベーコンと大山捨松を中心に
はじめに
一 アリスと捨松を育んだベーコン家
二 梅子の逆カルチャーショック
三 捨松の夢、梅子の夢、アリスの支え
四 夢の前進
五 日本女性の表象をめぐって
おわりに―三人の夢の実現
第六章 M・ケアリ・トマスのフェミニズム
―傑出したアメリカ女性と津田梅子の接点
はじめに
一 M・ケアリ・トマスの背景
二 トマスと女性の高等教育
三 トマスと「女性文化」
四 トマスと梅子の接点―往復書簡を中心に
五 トマスの来日―異なる「人種」「民族」へのまなざし
六 トマスによる梅子への支援のかたち
おわりに
終 章
注
参考文献
索 引
あとがき |
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