臨床教育学の生成 |
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皇紀夫(京都大学名誉教授)編著
A5判上製・264頁
定価 |
:品切・オンデマンド対応 |
発行年月 |
:2003年5月 |
ISBN |
:ISBN4-472-40294-7 C3037 |
ジャンル |
:教育学・教育思想 |
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臨床教育学は、従来の学問では理解できない今日の教育問題に向き合うことができる新しい学問として、現場に立つ教師やカウンセラーからも関心を集めている。人間とは何かを問うことから教育を考える教育人間学と、心理療法の実践体験をもとに人間の心を理解しようとする臨床心理学の研究者が臨床教育学の広がりについて論究。 |
主な目次
まえがき
第I部 臨床教育学とは何か
教育言説の解釈臨床-小原國芳「全人教育」論のスタイルを探る-(皇 紀夫)
1 はじめに--考察の視点
2 全人教育論の目論み
3 全人教育論の論理〈反対の合一〉
4 全人教育論の「スタイル」
臨床教育学の構想-体験をとおしてもたらされた覚書-(皆藤 章)
1 私とは何か
2 私が生きるとはどういうことなのか
3 臨床ということ
4 方法論の模索
臨床的人間形成論の成立可能性(田中毎実)
1 教育から人間形成へ
2 教育学、教育人間学、人間形成論、臨床的人間形成論
3 ライフサイクルと異世代間の相互性--人間形成論の構築とその超克
4 臨床的人間形成論の生成と教育的公共性の生成
第II部 「現場」で考える臨床教育学
語りの布置の中の主体生成(大山泰宏)
1 なぜ聴くことが治療につながるのか
2 語る<わたし>の成立
3 聴いてくれる<あなた>の成立
先生は眠らない-生の誘惑としての教育-(鳶野克己)
1 先生へのアプローチ
2 先生という人
3 真面目な先生
4 誘惑する先生
大学授業の臨床教育学-「学生による授業評価」をどう読み解くか-(毛利 猛)
1 大学における教育の見直し
2 制度としての「学生による授業評価」
3 「学生による授業評価」をどう読み解くか
4 授業改善に向けた取り組み
現代の教育改革における日本人の意識と思想(山下一夫)
1 世界のなかの日本
2 教育と時代の流れ
3 教育臨床心理学から見た現代教育の課題
第III部 「人間」を考える臨床教育学
気と身体からみた教育臨床学-自分づくりに向けて-(濱野清志)
1 崖から落ちる
2 気に抱かれる
3 澄んだ鏡のような目で見る
4 谷に生き、山に生きる
5 仙と俗を生きる
6 王として大地に立つ
7 土とつながる
マナーと礼儀作法の教育人間学-交換と贈与の教育人間学から-(矢野智司)
1 マナー問題とは何か
2 植民地主義としてのマナー問題と私たちの課題
3 贈与交換としてのマナーと純粋贈与としてのマナー
スピリチュアリティの位相-「教育におけるスピリチュアリティ問題」のために-(西平 直)
1 WHOのspirituality--訳語の問題
2 スピリチュアリティの四つの位相
3 スピリチュアリティの多義性と重層性--スピリチュアリティの抱える矛盾
4 訳語の工夫--ルビとしての「スピリチュアリティ」
呼びかけ、語りかけること-神秘主義から対話へ-(吉田敦彦)
1 語りえぬものの語り方
2 ブーバー思想の現代的意義
3 ブーバーの神秘主義へのスタンス
4 汝に語りかけること
5 人間形成の垂直軸へ
あとがき(皆藤 章) |
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