■セル・アセンブリ

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■解説
 ニューロン同士の活動相関は多数のニューロンを繋ぐ膨大なルート、すなわちシナプス結合の中から特定の結合が選ばれて働いています。
セル・アセンブリとはヘッブの学習則の提唱者であるドナルド・ヘブが唱えた機能的シナプス結合に関する仮説で、表現する情報に合わせて短時間の間にON-OFFを繰り返し、特定のニューロン集団が特定の情報を表現するために次々と一時的に形成されていくことを意味しています。これを電気回路に例えるなら縦横無尽に張り巡らされた配線の中から特定の経路だけを選び電流を流すということです。
 セル・アセンブリの主な特徴は以下に記す2つであり、1つ目は異なる回路間でのニューロンの重複(neurons overlapping)と機能的シナプス結合の変化による回路自体の動的な変化(connection dynamics)です。


1.重複(neurons overlapping)
上の動画はセル・アセンブリのモデルで、ある記憶情報にはセル・アセンブリAが、別な情報にはセル・アセンブリBが、さらに別な情報にはセル・アセンブリCがそれぞれの情報を表現する基本コードとして働いている。まず、ここのニューロンの活動について見てみるとセル・アセンブリAとBの重複部分に属しているニューロンはどちらの記憶情報の処理中にも、それらの情報に関連した特異的活動を示すということです。また、重複部分以外のニューロンはセル・アセンブリA、B、Cいずれかの情報の処理中にのみ特異的な活動を示すはずです。


2.能的シナプス結合の変化による回路自体の動的な変化(connection dynamics)
 A、B、Cのそれぞれのセル・アセンブリを構成するため機能的シナプス結合はいずれかの記憶情報に対してのみ機能することから、処理している記憶情報の違いによりヘブの学習則で解説したようなシナプス結合の変化が起こります。つまり、複数の記憶情報を処理している際の単一ニューロンの機能重複と機能的シナプス結合の変化が、セル・アセンブリが基本コードとして働いているという証拠になります。