留学って、どんな?

 

中学部生からの質問

先生の留学の話、聞かせてください!

Ms.Ohtaniの留学

私が留学したのは、ダメもとでチャレンジした伊藤忠記念財団というところの奨学生に思いもかけずに合格したからでした。アメリカの大学院で留学するにはお金がかかるので、その奨学金がなかったら私は留学できなかったと思います。でも、「勉強したい!」という気持ちがあれば、道は開けるものです。色々な留学の奨学金もあると思いますが、アメリカの大学も成績優秀だと奨学金を出してくれたり、アシスタントのアルバイトをさせてくれたり、と色々なチャンスやサポートは探せばあると思います。

私が勉強したかったのはCross-cultural educationという異文化理解に関わることなので、サンディエゴというメキシコとの国境にある町で勉強をすることにしました。なぜならば、メキシコからの移民も多い所ですが、東南アジアやアフリカなどからの難民も多く受け入れているところだったからです。様々な文化を持った人々がたくさん生活している所で、どうしたら仲良く、違う生活や考え方の人どうしがお互いを尊重して生きていけるのか、どのような教育がそのような様々な人達がいる所には必要なのか学びたかったからです。

前に、私が調査していた学校の写真を見せたと思いますが(アメリカの生徒の写真)、学校の中にメキシコ系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人、カンボジア人、ベトナム人、ソマリア人、中国系アメリカ人...と、本当に様々な人達が通っているのです。95%以上の生徒が福祉を受けています。貧しくて、家で朝食を食べられない生徒もたくさんいました。お父さんだけ、あるいはお母さんだけの子供もたくさんいました。そのような様々な人達が集まる学校では、1つのことについても考え方や表現の仕方が色々と違うのです。うまくいくときもあるし、うまくいかないこともあります。

そこで学んでよかったことは、色々な問題をたくさん抱えているアメリカに、「それらの問題を解決できるようにするにはどうしたらいいのか」と真剣に考え、行動している人達に出会えたことです。また、日本にいた時には気がつかなかったマイノリティ(少数派)の気持ちや社会環境についても、自分自身がマイノリティの1人になることで少し理解できるようになったと思います。

勉強は本当に大変でした。授業の前に3〜4時間勉強していかないと、ついていけないのです。英語で分厚い本を何冊も読むのは本当に大変でしたが、でも、いつでも「なんでも時間さえかければできるんだ!」と思って予習や復習をしました。予習をちゃんとしないと、授業の中でのディスカッションにも入っていけません。授業中に全然発言しないと、「能力が低くて授業についてこれないのでは?」と思われてしまいます。だから、自分の考えや意見、質問はちゃんとしないと、自分が誤解されてしまうのです。日本の学校じゃ、信じられないでしょ。でも、がんばれば、がんばっただけちゃんと評価してくれます。

色々と大変なこともあるけど、大変だからこそ、自分が成長できるのだと思います。でも、留学をしなくても、学べることはたくさんあります。留学しても、努力をしないとなかなか英語力もつきません。いつもベストをつくすことが、留学してもしなくても一番大切なことだと思います。

がんばってね。