総合演習 

 

授業案フォーマット

授業タイトル : 資源は有限

 

       

子供の設定 : 

l             地域の特徴
設定地域では、紙のゴミについて、段ボール・紙パック・新聞紙・雑誌・紙トレイなどに細かく分類され、出し方も指定されている。このことから、この地域では紙のリサイクルに力を入れていることがわかる。また、紙のゴミ以外の一般ごみでは、指定のごみ袋にゴミを入れて出すことになっている。しかし、この指定のごみ袋は他の地域の指定ごみ袋と比較すると値段が高く、ゴミの規則について少し難色を示す住民もいる。ゴミの分別や公共のルールに関する認識は、多くの住民がしっかりと規則に従っているが、中にはルールを守らない人もいる。

また、まちづくりの取り組みとして、身近な自然(森林)の伐採が行われてきたが、最近では残っている緑を保全するための対策を行い、伐採地域を限定するなどの活動を行っている。

子どもたちの家族環境は一人っ子の核家族家庭が多いので、家庭から出るゴミの量が比較的少ないため、一人が出すゴミがたくさん集まるとどのようなことになるのかについて認識がない。

l             学年
6

l             子供達の構成

男子:15人 女子:16人 (計31人)

LDのため、話すことが苦手な児童が男子に1名いる。

 

 

教師の問題意識 :
最近、新聞やニュースで地球温暖化について取り上げられることが多く、クラスの児童たちは少なからず、言葉くらいは耳にしたことがある問題である。したがって、この温暖化の問題を自分は関係がないと認識しており、その考え方を変えたいと強く願っている。そこで、教室や家などどこにでも存在する紙を利用して、地球温暖化へ目を向けるようにしていきたい。そして、身近な自然を大切にする心を育てていきたい。したがって、紙の無駄遣いをなくすために、紙一枚が出来るまでに木がどれだけの工程を経ているのかを理解させたい。

 

授業目的 : (目に見えなくても構いません)

○限りある資源を大切にする気持ちを育てる。

○無駄を減らした生活をしようと取り組めるようになる。


子供達の到達目標 : (目に見える具体的なものにします)

1.紙は木からできていること、また資源には限りがあることを示せる。

2.
 調べたい内容に適した資料を選び、必要な情報を選別して、使用することができる。

3.
自分たちが学習したこと、理解したこと、感じたことをまとめて発表することができる。

4.
現在の自分たちの行っている無駄遣いを客観的に観察し、自分の行動を分析できる。

  

 5.紙の無駄遣いを減らすことができる。

 

 

 

 

授業計画 : 授業目的を達成するために必要な授業数と各授業の概要
     

授業回数

テーマ

各授業での子供達の具体的な達成目標

紙の消費について

普段何気なく使用している紙の消費量を児童に身近な

具体物に置き換えられる。そして、消費量の多さと、自分たちの紙についての意見を述べられる。

2・3

紙ができるまで
・木から紙に変わる。

 ・製紙工場の仕事→調べ学習

紙の原材料は何か。紙一枚できるまでにどれだけの工程を踏んで普段使っている紙へと変化しているのかを調べて、まとめる。

製紙工場の仕事を観よう。

自分たちが調べた内容の確認として、製紙の流れについてVTRを用いて確認し、紙はとても手間がかかっているということを指摘できる。そして、紙を大切にしようという意見が出てくるようになる。

5・6

紙をたくさん使うとどうなるかな?

 ・森林伐採

 ・地球温暖化

製紙の流れと紙の消費量について学んだことを受け、環境問題につながっているということを指摘できる。

7・8

わかったことをまとめてみよう!

グループごとに今まで学習した内容、自分たちが気づいた点、そしてこれから自分たちが取り組んでいくリサイクル活動についてまとめる。

まとめたことを発表しよう!

グループごとにまとめた内容を発表し、学習を全員で振り返る。

 

 

本時の授業 : 上記の表の _______回目の授業(模擬授業は上記の授業計画の中の1つの授業をします)

毎日の生活で使用している紙を取り上げ、どれだけの紙が一日に消費されているのか。について理解してもらいたい。そして、量の多さに驚き、紙に対する見方を変えてほしい。

 

本時の授業でのポイントや指導上の注意点 :

いかに自分たちにとって身近な問題であるかが理解できるように、教室のゴミ箱の分別活動を通して、紙の無駄遣いと消費量に目を向けさせる。消費量に関しては、視覚的に理解できるようにする。

 

 

 

授業方法 : なぜ、その授業方法/教材、etc.を選んだのか?
【教材】

○地球温暖化白書 【SEO 2007年による】

⇒一秒ごとに紙の消費量が増えていくカウントが行われていて、現実に起こっている問題を強く実感したからである。また、自分たちが取り組める簡単な無駄遣い防止の対策や実際の消費量を、具体物を挙げて説明している点も分かりやすかったからである。


 

本時の授業 :

流れ

教師の指示内容

教師の動きなど

時間

導入

 

先生:教室の前と後ろにはごみ箱があるけど、そのゴミ箱には違いがあります。何と何を捨てるゴミ箱かな?

 

⇒児童たちに答えてもらう。(23) 例:「紙ごみと普通ごみ。」など

 

先生:では、どうしてゴミ箱が二つに分けられていて、捨てられるゴミが限定されているのかな?

 

⇒児童たちに答えてもらう。 例:「ゴミの回収が違うから。」など

 

先生:リサイクルって言葉を皆さんは知っていますか?そのリサイクルを大谷小ではやっているから、ごみ箱が分かれているんだよ。では、リサイクルがどうして必要なのかみんなで考えていきます。でも、今日の授業だけではリサイクルを理解するのは難しいので、この総合の授業を通して、最後に分かってもらえるといいと思います。だから、リサイクルって言葉を覚えておいてください。今日は、紙がどれくらい使われているかについて勉強していきます。

○児童たちの様子を見て、挙手している児童を指名し、答えてもらう。

 

 

 

 

 

 

○今日、使用するワークシートの配布をする。

 

5

展開

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生:まず、みんなは一日にどれくらいの紙を使っているか分かりますか?一日に使う紙の量を今日は普段使っているこのサイズ(B5)のノートに例えたら、何冊分になるか考えてみましょう。

 

⇒話し合い・意見まとめ

【話し合い】グループごと

「ノート10冊分!ノート2冊!」など。

【意見まとめ】

グループごとに話し合った内容をワークシートに記録する。

 

先生:では、どんな予想をたてたかいくつかの班に聞いてみたいと思います。では、●班さんどうですか?(23班に聞く。)

 

皆さん、いろいろな予想が出ました。本当はいくつかというと、ノート56冊くらいです。量は650g

   これを聞いて、どう感じましたか?

   多い?それとも少ない?

 

⇒発言・反応 例:「そんなに多くないよ」「普通だよ。」など

 

《展開2》 

先生:一人がノート56冊なんて、そんなに多いと思わないでしょう?でも、これが日本人全員だったら、どれくらいの紙の量になるか想像できるかな??

そこで、色んな物の一年間に使われる量を考えてみましょう。

1つ目…ティッシュ

2つ目…トイレットペーパー

3つ目…新聞や雑誌など

4つ目…紙パック

この4つの物が一年間でどれくらい使われているか考えます。グループで話し合っていいので、それぞれの予想を立ててみましょう。

⇒話し合い・意見まとめ

 【話し合い】グループごと

 【意見まとめ】グループで話し合った内容をワークシートに記入する。

 

先生:さぁ、話し合いをしてもらいました。皆さんが考えた予想を聞いていきたいと思います。今から、各班にペンを渡すので、班の中から代表者を一人決めて、黒板の表に班の予想の数を記入してみてください。

 

⇒代表者が記入

 

先生:さぁ、各班の予想を書いてもらいました。それでは、正解はどれくらいなのか見てみましょう。

   まず、ティッシュペーパーの一年間の量のみんなの予想はこんな感じです。では、実際の使っている量は・・・・

 

@       ティッシュペーパー…約100kg

A       トイレットペーパー…約300kg

※実際に1kgの紙を用意して、重さを実感してもらいます。

B       新聞や雑誌など…1000kg  = 乗用車(1)1台分

C       牛乳パック…約548000kg = 乗用車(1)548台分

 

 

 

 

 

○話し合い中は各グループを回り、机間指導する。

 

○児童たちの発言に耳を傾ける。

 

○いくつかの班の代表者に答えてもらう。

 

○グループが話し合っている間に、ノート6冊の用意。

 

 

 

○ティッシュペーパー、トイレットペーパー、紙パック、新聞などのイラストを一つずつ提示しながら話を進める。

 

○グループごとの活動中は机間指導。

 

 

○それぞれの答えをあらかじめ紙などに書いて準備しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

25

まとめ

 

 

 

 

 

 

先生:今、一日に紙がどれくらい使われているか確認しました。皆さんはどんな風に感じましたか?今から少し時間を取ります。感じたこと・考えたことをワークシートの一番下の枠に書いてください。

 

(……5分間時間取る)

 

先生:では、皆さんがワークシートに書いた意見を発表してもらいたいと思います。感じたことを発表して下さい。

 

⇒発言 例:「いっぱい使っていると思った。」「紙の量を減らした方がいいと思う。」「思っていたより使っていなかった。」など。

 

先生:今、いろいろな意見を発表してくれました。みんな思った以上に紙を使っている量が多いということがわかりましたね。たくさん使っているものは、どうすれば減らせるのか。これからの総合の時間で勉強していきましょう。

次回は『紙一枚が出来るまで』について勉強していきます。みんなは紙が何から出来ているのか知ってる?次の時間で勉強していきます。

○各自の机の周りを回って児童の意見を見る。

 

 

 

○児童の意見を黒板にまとめる。

 

 

 

 

 

○次回の授業の予告

 

 

 

 

 

 

 

15

 

 

評価 :

基本的には、ワークシートと児童の発言、話し合い活動を基に判断する。

【ワークシート】

      しっかりとすべて記入してある。

      自分の予想と実際の結果を比較した感想が書かれている。

      紙の消費量に対して、問題意識を示すコメントが書かれている。

 

【発言】

      積極的に自分の意見を述べることが出来る。

      グループでの話し合った内容を、みんなに分かりやすく説明できる。

 

【話し合い活動】

      話し合いの時にみんなの意見を聞き入れることができる。

      グループの中で自分の意見をしっかりと主張できる。

      グループの話し合いを仲間の話を聞きながら、リードできる。

 

【クラスの取り組み】

○クラスで使用する紙の量を記録し、定期的に子ども達はチェックしていける。

○クラスでリサイクル用の紙を集めるようになり、ゴミではなく資源として再利用するようになる。