総合演習
授業タイトル :沖縄戦を通じて、命について考えよう
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子供の設定 :
●地域の特徴
・横浜市 市立○○小学校 6年生
・住宅街
・たまに戦闘機が学校上空を飛び騒音がする
・核家族化が進み、祖父や祖母との会話が少ない
・地域の老人との係わり合いがある学年
●子供達の構成
男子23名 女子13名 発達障害の児童2名
→発達障害の児童2名には、アシスタントティーチャーについてもらう
教師の問題意識 :
・戦争を知らない子が多い⇒戦争の背景を理解することが大切だと考える。
・核家族化が進み、戦争についての話を聞く機会が少なくなってきている。
・ゲームと現実世界を混同してしまう子が少なからず出てきている。
→人間は1度死んでも、リセットボタンで生き返ると思っていたり、戦闘が怖いものだと思っていない。
・戦争があって今の日本があるという事をわかってほしい。
・命の大切さを考えさせたい。
・修学旅行に事前指導など沖縄について触れる機会があった。
授業目的 : (目に見えなくても構いません)
・戦争に対して問題意識を持つ。
・戦争について家族と話し合うことが出来る。
子供達の到達目標 : (目に見える具体的なものにします)
・戦争に関して考えを話し合ったり、発表したりできる。
・戦争について学んで、感じたことや思ったことを伝えられる。
・家族で戦争について話し合い、戦争についての知識や考えを共有する。
→「戦争」について身近な人たちはどう考えているのか、家族、祖父母、近所のおじさんやおばさんに聞く。
→「もしも、今自分が徴兵されたら家族はどうするか?」など、ワークシートにインタビューの内容を記入できる。
授業計画 : 授業目的を達成するために必要な授業数と各授業の概要
(達成目標をクリアするのに必要なだけの授業を計画します)
授業回数 |
テーマ |
各授業での子供達の具体的な達成目標 |
1~2 |
ビデオ鑑賞(対馬丸) 戦争について考える |
ビデオを見て、感想をまとめる。気がついたことや考えたことを、プリントにまとめ発表する。 |
3~4 (本時) |
沖縄戦について知る |
前回のビデオを見たみんなの意見を共有する。 沖縄戦の背景や流れを理解する。 |
4~10 |
グループワーク |
これから行く沖縄での戦争について、各自興味のある事柄について調べ、まとめる。 |
11 ~12 |
グループワークの中間発表 |
前回までに、調べてきた事を発表する。 |
修学旅行 |
戦争体験者の話を聞く・集団自決の現場を見る |
戦争体験者の話を聞き、自分の考えをまとめ、感想を持つことができる。 |
13 ~16 |
修学旅行で学んだ事を、新聞にしよう |
沖縄での体験やグループワークでまとめた資料を活用し、新聞にまとめることができる。 |
16 ~18 |
新聞を発表 |
前回までにまとめた新聞を児童・教師の前で発表できる。 |
本時の授業 : 上記の表の3回目の授業(模擬授業は上記の授業計画の中の1つの授業をします)
本時の授業でのポイントや指導上の注意点 :
・一方的な授業にならないよう、常に児童に考えさせるようにする。
・児童が実際に体験したことではないので、どこか「自分には関係ない」という気持ちがある。その気持ちを、「自分たちの問題」として考えられるように具体的な例を使って指導する。
授業方法 : なぜ、その授業方法/教材、etc.を選んだのか?
・本州に暮らす私たちは、同じ日本の中でおきた沖縄戦について詳しく学ぶ機会が少ないので、沖縄の人々
の視線から当時を振り返ることが大切だと考えたので、本テーマを設定した。
・戦争が身近ではない児童たちが、戦争についてしっかり考えられるように、学校だけでなく、家族とも話し合えるようにした。
・当時の戦地へ向かう兵士の気持ちや、送り出す家族の気持ちを具体的な資料(兵士のや家族の手紙etc…)を用いて、また家族との話し合いによって戦争をより身近に感じられるようにした。
本時の授業 :
流れ |
教師の指示内容 |
教師の動きなど |
時間 |
導入
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○ビデオの感想の紹介 「前回、沖縄戦の対馬丸のビデオ見たのを覚えてる?○○な内容だったよね?」 (あーそうだそうだ!) (覚えているよ!) 「前回はみんなすごく良く感想を書けていたから、少し紹介をしたいと思います。」 ……2~3人の感想を紹介する。 →それぞれの感想に対して、コメントを入れる 「今紹介しなかった人も、みんなすごく良くかけていました。」
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●一人一人の感想のあとには拍手を促す。
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10分 |
展開
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○宿題の発表 ・宿題の、戦争の話を祖父母や近所のおじさんやおばさんに聞いてきたことを発表させる。 →沖縄戦の話が出なければ、教師が児童から出た意見から沖縄戦に広げていく。 →児童から沖縄戦の話が出たら、そこから話を広げていく 「では、宿題の戦争の話を祖父母や近所のおじさんやおばさんに聞いてきたことを発表してもらいたいと思います。」 (沖縄では、本土で戦闘があったんだって!) (おばあちゃんも防空壕にいつも逃げてたって言ってたよ。) →もしも戦争肯定派の意見が出たら、理由をよく聞き、これから沖縄戦の背景や流れを話して、自分自身はどう思うか考えてもらう
○沖縄戦の流れ ・沖縄戦は、前回見たビデオだけではないことを説明する 「沖縄戦は、ビデオで見た対馬丸のことだけではないのです。沖縄戦では、実は他にもたくさんのことがありました。たとえばどんなこと があったか言える人いますか?」 →宿題で沖縄戦について意見が出ていたら、それから説明する →宿題で意見が出ていなかったら、児童たちに聞く
【いた場合】 「○○くん(さん)どうぞ。」 「○○がありました。」 「そうだね!良く知っているね!○○くん(さん)はどこでそのことを知ったのかな?」 「おじいちゃんに聞きました。」 など
【いない場合】 何個か提示する 「例えばこんなことがありました。(ひめゆり・学徒隊・本土決戦 など)」
「まだまだたくさんあります。それを今日は表にまとめてき�ワした。」 ○沖縄戦の背景 ・沖縄戦がおこった背景について説明する →社会科の授業で学んだことや、前回のビデオの内容も交えて、 児童が分かりやすく理解できるように
「みんながみた対馬丸のお話はこのときに起こったことです。」 ・学徒隊などの話をしたときに、宿題を発表する →「もしも今自分が徴兵されたら家族はどうするか」について発表してもらう 「お母さんは、行かせたくないって。」 「今そんなことは、絶対起こらないって。」… ⇒それぞれの意見にコメントし、「起こらない」などの意見が出た場合は、簡単に憲法9条などの話にも触れる(児童が混乱しないように深くは触れない) 「日本は、日本国憲法の第9条で、戦争はしないと宣言しているの。だから、国の決まりとして戦争はしないってことだね。 ○○君のお母さんが戦争は起きないって言ったのは、日本国憲法第9条があるからだね。」
・出てきた意見に対して、思ったことや考えたことを発表してもらう →教師が、上手くまとめる(児童が考えることをそこで止めない様、次回のグループワークにつながるような話をする)
【表を提示したときに何か質問が出た場合】 1~2個簡単に答える。 「みんなたくさん疑問が出てきてすごいね!自分が一番疑問に思ったり、興味をもったところを探して、これから約1ヶ月かけて調べていきます。」
【質問されなかった場合】 「これなんだろう?と不思議に思ったり、もっと知りたいなって思ったことを探して、そのことについてこれから約1ヶ月かけて調べていきます。」
「でも、一人で調べるのではありません。グループごとに調べて、最後に発表をしてもらいます!」
○グループ分けのアンケート 「自分が調べたいと思ったことをこのアンケートに書いてください。それをもとに来週までに先生がグループ分けをしてくるのでお楽しみに!」 |
●出てきた意見を板書していく。
●児童の家族が考えてくれた意見なので、否定的なことは言わないようにする
●スライドやフラッシュカードなどを使う
●現実に、今徴兵制度があった場合を考えるので、緊張感を持って話をする
●出てきた意見を黒板に書く →児童の家族が考えてくれた意見なので、否定的なことは言わないようにする
●児童の調べたい気持ちが尊重されるようにグループ分けする |
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まとめ
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○本時の内容のまとめ 「みんな、今日の授業で沖縄戦について知ることが出来たかな?来週からは、今日の授業を基にグループワークをしてもらいます。今日の授業を振り返って、また家族で話し合ってみたり、さっき紙に書いてもらったテーマの何を調べたいか、具体的に考えてきましょう。」
○次回の予告 →持ち物や、グループワークの準備の確認 「自分の調べたいテーマに必要な資料を用意してきましょう。もし、先生こんなもの持ってない?というものがあったら、聞きに来てください。 今日の授業を終わります。」 |
●板書やフラッシュカードを使って、確認する ●次回の準備は、自分の調べたいテーマの資料を持ってくる |
10分 |
評価 :
・沖縄戦が起こった理由をキーワードを使って説明できるか。(思考・判断)
・「もしも今自分が徴兵されたら家族はどうするか」で出た意見に対して、考察まとめることができたか。(思考・判断)
・沖縄戦の背景や流れに関心を持ち、時間内に作業を進めて学習に取り組むことができたか。(関心・意欲・態度)
・ 表から情報を読み取ることができたか。そして、ワークシートに必要な情報をきちんと記入することがきたか。
(資料活用・表現)
・ 沖縄戦で実際に起きた出来事を�鮪鮪メの視点から受け止め、身近な問題として感じることができたか。
(知識・理解)