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新米の季節

食欲の秋!おいしい新米はいかが!

食欲の秋、おいしい秋の味覚がいっぱいです。新米を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。作物学の授業で、新米をどんなおかずで食べたいか一品だけあげてもらいました。1番多かったのは生卵かけご飯、2番が明太子、3番が納豆でした。おかずはいらないという学生さんもいました。
お米を食べる量は、食の多様化、欧米化にともないどんどん減ってきています。これはかなり困ったことなのです。お米を食べなくなると水田はいらなくなります。放棄され荒地となった水田は、食料を生産する能力が失われてしまいます。水田はお米を生産するだけでなく、多種多様な生物たちの生活の場でもあります。また、手入れの行き届いた水田は美しい国土と安全で快適な環境を守っています。さらに、お米を作ることと私たちの文化形成や文化活動にはとても長く深い結びつきがあります。ご先祖様から大切に引き継がれてきた水田が、一度荒れてしまったならば、それを元に戻すためには大変な時間と労力が必要となります。失ってしまうことがとても大きいのです。歴史をみると(世界をみると)、人類は飢餓や飢饉に苦しんできた(苦しんでいる)こと、食料が十分に満たされることは当たり前ではないということが良くわかります。食料を生産できる環境を常に守り続けなければなりません。
昨日、私たちの水田の稲刈りをしました。先日の大きな台風の影響で、稲が随分と倒れてしまいましたが、まずまずの収穫でした。農学部でさえも稲刈りを経験している学生さんは少なくなってきました。お米を食べることができる意味、水田の大切さを考えながら、お米を作ってくださっている方々や自然の恵みに感謝しつつ、新米をより深く味わいたいと思います。
植物機能開発科学領域 飛田有支


頭をたれた稲穂は澄んだ秋空のもと黄金に輝きます

稲刈りはみんなで協力して行います

今はあまり見かけなくなったはさがけで乾燥させます

落穂拾いをしてお米一粒たりとも無駄にはいたしません

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