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●青いコスモスへの挑戦

世界初のイエローコスモスから青いコスモスへの挑戦

玉川大学農学部では、長い期間をかけていろいろな花色や花形をもつコスモスを研究・開発してきました。その中で世界にさきがけて開発した黄色コスモスは特に有名です。現在、イエローキャンパスの品種名で種苗会社から販売されています。
一方、分子生物学をもとにした植物のバイオテクノロジーの著しい発達によって、遺伝子を自由に植物に導入して、その特性を変えることができるようになりました。この方法を使い、私たちは青いコスモスを作り出そうとしています。現在、コスモスの花色に青はありません。その主な理由は、ペチュニアやリンドウなどの青い花に蓄積しているデルフィニジンとよばれる色素を合成する酵素がコスモスにはないためです。そこで、この酵素をもっている植物から、酵素の遺伝子を取り出しコスモスに導入することで、コスモスに青い色素を作らせることができるはずと考えました。そのために、コスモスにDNAを導入する方法の開発を進めています。また、青い色素をコスモスの花弁に蓄積させるために、いろいろな遺伝子を植物から取り出して、その働き方の研究も行っています。このような研究を進めていくことで、近い将来、青いコスモスを作るという夢が現実になると思っています。
玉川大学農学部生物資源学科 遺伝子・細胞科学領域 今村順


八重咲きコスモス(ピンク)と白色コスモス

イエローキャンパス

コスモス子葉切片の組織培養からの不定芽(矢印)の再生

組織培養で再生したコスモスの幼植物

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