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動物・昆虫機能開発科学領域

<社会性ハチ類の香りの言葉の解読>

“ハチ”と聞くと「刺される」、「怖い」というイメージが強いようで、どちらかと言えば、「悪者」、「嫌われ者」の部類に入れられています。しかし、現実的にはミツバチやマルハナバチは、野山の花々の授粉を行い、スズメバチやアシナガバチさえも草木を食い荒らす害虫を捕食し、生態系のバランスを保つ大切な機能をもっています。もちろん、彼女たち(働き蜂はメス)は、鋭い刺針と毒液を備えていますが、それを使用するのは基本的には巣を守る時に限られます。一匹の女王蜂を中心に、その娘にあたる多数の働き蜂から構成される大家族のコミュニケーションの主な手段は“香り”です。様々な揮発性の成分を組み合わせて、「食べ物があるよ♪」、「敵が来たぞ!」、「私が女王よ!!」という意味をもつ香りのブレンドを発しているのです。そのような香り成分を、精密な機器で分析し、さらに合成ブレンドを作成して、“ハチと会話”することにより、作物の授粉を効率化したり、刺症害を回避したりする研究を進めています。とても楽しいですよ!


イチゴの花香に誘われ花蜜と花粉を集めるミツバチ

ミツバチの授粉により実ったイチゴ

ブルーベリーに訪花し授粉するクロマルハナバチ

「敵が来た!」集団でスズメバチを取り囲み熱殺するニホンミツバチ

昆虫機能利用学研究分野

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