玉川大学農学部 > News > コラムアーカイブ(2009〜2016) > 詳細
ヒトはおよそ60兆個の細胞から成り立っていると言われています。多細胞生物は一つ一つの細胞が勝手に生きているのではなく、それぞれの細胞同士がコミュニケーションをとって、細胞数の制御や働きを調節しています。膨大な数の細胞で成り立っている多細胞生物はこのコミュニケーションなくして生きることはできません。この細胞間コミュニケーションの道具の1つがホルモンです。ホルモンは血液を通して体中に循環します。そのおかげで、シグナルを伝えたい細胞が隣にいなくても脳内の細胞から遠く離れた臓器の細胞までお互いに連絡を取り合うことができるのです。さらに、細胞の中でもコミュニケーションは行われています。小さな細胞の中にも細胞内シグナル伝達系と呼ばれる複雑なネットワークが存在し、細胞の分裂や代謝の調節、細胞自身の生死の制御をしています。生物化学領域では、ガン細胞の増殖の制御、メラニン生成の制御、免疫細胞の応答に関する研究をしています。生命現象を解明するためには、細胞がコミュニケーションのために発する小さなシグナルを捕らえることが重要です。
生物化学領域 K.S.
![]() メラニン生成関連遺伝子の解析 薬剤のメラニン生成抑制効果を遺伝子の働きを調べることで解明します。 |
![]() 自動細胞解析装置によるアポトーシス細胞の検出 アポトーシス(プログラム細胞死)を起こす前に細胞が発するシグナルを解析装置で測定しています。 |