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新しい花を作る楽しさ=その2

玉川大学農学部の育成した黄色い花のコスモス、大変に有名なのですが、開花期が遅いのが不満な所でした。沢山の種子を蒔いて、その中から少しでも花が早い時期に咲く個体を三年間選び続けてみた所、やっと一ヶ月以上早くに花をつけるようになりました。早咲きの遺伝子が幾つもあって、その効果の強い遺伝子をまとめることに成功したことになります。でも、それにつれて黄色の色調が薄くなりました。今度は黄色の色を強く発色補強する遺伝子を集める交配に取りかかることになりました。今、温室を使って特別に時期外れに咲かせて交配をしています。後、二〜三回の選抜を続ければ、早咲きで、しかも黄色の濃いコスモスが選べるように期待しています。理論的に説明するとポリジーンの集積という手法です。根気と手間がかかりますが、念ずれば花開く、強い継続心ときちんと観察する姿勢が有れば、誰にでも成果が上げられます。やはり、花の育種は楽しい仕事です。
植物機能/花卉育種 山口 聰


育成中の早咲きの黄色いコスモス

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