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「虹の女神」、Iris(アイリス)の微笑みを追い求めて

ノハナショウブ(Iris)は園芸植物の「花菖蒲」の源になった植物で、6月から7月にかけて開花しますが、地球温暖化などによって今や絶滅寸前になっています。私たちのチーム(弘前大学、鳥取大学との共同研究)ではノハナショウブを貴重な遺伝資源と捉え、10年間に渡って日本各地の自生地で調査し、新たな花形や花色などの発見、環境への適応性、維持と保存の研究を行っています。北東北では水田の畔(あぜ)に咲く花を見て農耕文化との深い関わりを実感、海岸部では津波を受けても開花する力強い姿に感動しました。現在、地元の方々のご協力を得て復興のシンボルとして心の支えになるよう、塩に強いメカニズムを研究中です。南アルプス山麓では高原の風に揺れる花に、氷河期からの生き残り植物として想いを馳せました。これらの調査結果は管轄当局の許可の元に行われ、学会で発表、新聞各紙でも報じられています。(植物機能開発科学領域、田淵俊人)


津波を受けてもたくましく開花した海岸部のノハナショウブ。塩類に強い性質を研究中です

津波を受けてもたくましく開花した海岸部のノハナショウブ。向こう側の木は枯れていますが、ノハナショウブは残りました

溜池に残るノハナショウブは花形の変異が多く貴重な遺伝資源となります

北国の初夏を彩るノハナショウブ。紫色が空に映えます

高原に咲き競うノハナショウブはまるでお花畑のようです

水田脇に生えるノハナショウブは日本の原風景を見ているようです

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