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植物栽培もスポーツも、上達のコツは同じです

3月末から5月初旬にかけては、夏の野菜や草花の育苗や定植作業が盛んな時期です。農学部の総合生物環境情報センター(附属農場)内の畑や周りの森林はにわかに活気づきます。生物資源学科や生物環境システム学科の学生達は教員と共に、毎日朝に夕に畑や温室、あるいは林の中で、栽培や観察にいそしんでいます。4年生は「卒業研究」の実験や調査です。1〜3年生は「実習」あるいは「実験」科目として、栽培や調査課題に取り組みます。農学部では、教室での勉強(講義や演習)と共に、このようなフィールドワークが必修科目として課されます。
野球やサッカーなどのスポーツは、常日頃から練習を続けていなければ上達はしませんし、技術の維持もできません。練習せずにいきなり試合をしても、ボールは足に、手につきませんし、周りを見渡す余裕がなく、下手で独りよがりなプレーしかできないでしょう。とても人に見せられるような試合にはなりません。そこで選手達は上達を目指して毎日毎日練習に励むわけですし、練習時間以外も電車通学を自転車通学に変えたり、食事に気を遣ったり、基礎体力の向上のための工夫をするわけです。他人のプレイや練習も参考にします。一方で、ルールや戦術の習得も大切です。チームスポーツならばミーティングを行ったりして、この点の向上にも努めます。これらが有機的に組み合わさって、試合ができるような選手やチームが育つのです。
農学部で学生が取り組む卒業研究もまったく同じです。教室での講義や演習に出席し、自室や図書室での自学に取り組み、生物学(植物、動物)や化学、農業、環境などについての知識・理論を高める一方で、常日頃からフィールド(圃場、温室、林など)に出て、実際の植物の栽培や観察に取り組み、五感を研ぎ澄まして体得することが、理論を伴った確かな技術を身につけることに繋がります。これらの両方の重要性を理解し、到達目標をクリアした学生が、ようやく卒業研究に取り組むことができるのです。そして、この能力は練習を怠れば衰えます。
だから、農学部では学生だけで無く、私たち教員もユニフォーム(実習着)に身を包み、毎日グラウンド(圃場)に出て、常に練習練習の毎日を過ごしているのです。


野菜畑の準備1

野菜畑の準備2

ジャガイモ畑の除草と土寄せ

田起こし

ランの人工授粉(屋外)

ランの人工授粉(室内)

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