※2025年度卒業の生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(関川 清広 教授指導)
着生植物の生育環境(樹幹や岩上)は土壌と比べて水や栄養が制限されるが、林床より位置が高ければ光環境は好適である。オオタニワタリ(Asplenium antiquum Makino)は着生性のシダ植物の一種で、陰湿な樹幹や岩上に生育する(岩槻、1992)。本種は絶滅危惧種であり、伊豆諸島では八丈島と御蔵島に見られるが、八丈島の方が御蔵島より出現頻度が低い(仲山、2012)。本研究は、八丈島植物公園内を対象としオオタニワタリの生育状況を把握することを目的とした。各個体の位置情報、基質別の個体数、個体サイズの測定を行い、基質ごとの特徴を評価した。着生基質として樹幹の他に、石垣と地表が確認され、石垣に43個体、樹幹に14個体、地表に8個体が観察された。着生高は石垣では1m以内、樹幹では樹高1~4mで個体サイズはいずれも2m以内だった。個体サイズは着生高と対応せず着生時期が影響する可能性がある。
(左)オオタニワタリの着生分布 (右)樹幹着生のオオタニワタリ
研究に取組んだきっかけ、感想など
八丈島での調査は、移動や滞在に時間とお金がかかるので、限られた時間で効率よく作業することの重要性を感じることができました。計画的に行動することや準備の大切さを学べた点も大きな利点になりました。また、現地では協力してくださった方々のおかげで、安全かつ円滑に作業を進めることができ、貴重な経験となりました。
