多彩な授業実践・課外活動

多彩な授業実践・課外活動

労作としてのさまざまな授業実践・課外活動

百聞は一見に如かず、百見は一労作に如かず
(小原國芳『師道』玉川大学出版部、昭和49年、75頁)

玉川学園創立者小原國芳が教育実践の根本として掲げた教育方針「労作」は国語教育学科においても脈々と受け継がれています。
国語教育学科の中心となる専門領域、人文学 (文学・日本語学・哲学)の本質は、暗記や試験勉強ではなく、自ら問いを立て、問いに向かい合うこと。
日々の授業において、グループディスカッションやプレゼンテーションを通じて、言葉や概念、テキストと日々格闘し、試行錯誤しながら、分析や解釈を試み続け、リアルな知の獲得を目指します。

玉川学園創立者小原國芳は、20世紀初頭ドイツの改革教育運動のなかから生まれた‘Arbeitsschule(労作学校)’や‘Versuchsschule(試行学校)’の教育原理を「労作教育」として展開し、教育実践の根本に位置付けました。それは、詰め込みや棒暗記とは異なった、「探し、求め、試み、作り、行い、為し、労しむ」ことから得られる教育です。小原國芳は真の教育(知育)も労作の視点から捉えましたが、この考え方も国語教育学科において脈々と受け継がれています。

感性を刺激し、知性を磨く 人文学系専門科目の授業

「日本文学概論」における「くずし字を読む 入門編」

ゼミ(「人文学総合演習」)における和綴じのゼミ論製作

ゼミ(「人文学総合演習」)における図書館所蔵本の書誌調査(写本の元となった本の刊行年を推定)

ゼミ(「人文学総合演習」)におけるプレゼンテーションとディスカッション

学生による企画・運営 キャリア実践系科目における授業

労作教育は、人文学の専門科目だけでなく、学科のキャリア実践系科目においても通底する授業方針です。
例えば、2年次の「キャリアセミナー」では、「職業と人生」をテーマに、4年生の進路内定者に加え、外部から専門家を講師としてお招きしますが、当日の運営にむけたスケジュール管理、企画書作成、講師との事前打ち合わせ、依頼状や御礼状等々、試行錯誤しながらその全てを学生たちが取り仕切ります。2年次に実施する歌舞伎鑑賞の事前研修として行われる、市川高麗蔵丈による講演も、「キャリアセミナー」で学生たちが企画・運営したものです。
文学部国語教育学科の授業は全て労作が基本。学生が受け身となる授業はありません。

「キャリアセミナー」にて司会と書記をつとめる学生たち

「キャリアセミナー」にて企画の趣旨を受講生に説明する司会担当学生

高麗蔵丈入場時プロモーション動画も学生が作成

「キャリアセミナー」にて学生たちが作成した当日の教室配置図

国語教育学科独自の学内就業体験 通称学内インターンシップ

大学内の印刷部門を担当する、富士フィルムビジネスイノベーションジャパンが運営する「Document Tech Station(DTS)」。「就業体験」は通常、学外企業で行われますが、国語教育学科では、学内に常設されるDTSとコラボした独特な取り組み、学内就業体験(通称学内インターンシップ)を実施しています。
学生の就業体験先ではDTSですが、DTSと学生に案件を依頼するクライアントは国語教育学科。学科からの依頼を受け、受講生たちはDTSのプロスタッフの指導のもと、企画をまとめ、調査を行い、それをもとに、学科の依頼に対する成果物を作成したり、提案をプレゼンしたりします。

国語教育学科独自の課外活動 学生の学生による学生のためのアドスタ

国語教育学科における労作の精神は、学科の授業を超えて、学生たちの課外活動にも広がっています。
学生たちによる有志団体、国語教育学科アドバイザリースタッフ(通称アドスタ)は、2007年に旧文学部人間学科内に誕生した人間学科アドバイザリースタッフの活動を引き継ぐ形で、国語教育学科が設立された2017年に誕生しました。
国語教育学科アドバイザリースタッフは、学生たちのピアリーダーとして、学科の縦と横の繋がりを築き、様々な学びのサポートを行う、国語教育学科独自の学生によるボランティア団体。
新入生が大学生活に早く慣れることができるよう、学業面・生活面でサポートするためのイベント、キャンパスツアーや情報サポートを企画・運営したり、学科の情報誌『るるぶん』を作成したり、学科の全学年の学生が将来の人生の参考となるよう、卒業生を招いた談話会を開催したりと、年間にわたって様々に活動しています。

学園祭での模擬店出店 学科紹介展示でも活躍

Activity Archive

過去の実践活動アーカイブ

地域連携・地域貢献 国語教育学科×町田文学館ことばらんど×ブンガク=!?

玉川大学は町田市・川崎市・横浜市の3市にまたがっています。本部は町田市。この「地元」との交流のひとつがインターンシップとしての「町田市民文学館ことばらんど」との企画です。
国語教育学科の学生たちは、町田にゆかりのある作家・作品を調べ、中学生等の若い世代が地域の文化を知り、町田の文化に関心を持ってもらうきっかけとなる、「中学生等が興味が持てる冊子と授業」を目指し、2年間のインターンシップに取り組みました。
メンバー自体が日々さらなる「町田ブンガク推し」となりながら、多くの方々の協力のなかで冊子を作成、さらに地元の中学校を訪れて「町田ブンガク」を紹介する授業を行いました。
完成した「町田の学生による町田の学生のための「町田ブンガク」」は、冊子『君の気持ちにマッチする町田ブンガク!』として町田文学館HPで公開中です。

「町田ブンガク」を用いた市内中学校での出前授業