ホンモノに触れる教育

ホンモノに触れる教育

私はどんな若い方からでも、どんな山奥からでも、ホンモノを学び取りたい
(小原國芳『玉川塾の教育』、玉川大学出版部、昭和51年、26頁)

創立者小原國芳がこだわった(重視した)教育実践のひとつがホンモノに触れる教育 。
その精神は文学部国語教育学科においても脈々と受け継がれています。
インターネット上に情報が溢れ、ほとんどがスマートフォンの画面上で見られる時代だからこそ、生まれる「体験格差」。
学問において、研修行事において、ホンモノの文字、サイズ、質感、臨場感、等々に触れ、知性のみならず、感性(五感)にも訴える教育を行っています。
ホンモノに触れることで、知識を頭で理解するだけでなく、自分自身の身体に刻み込むことができます。

Original Article

原典・原著に触れる学科教養科目

原典や原著といったホンモノに触れられるのも国語教育学科の学びの特徴です。例えば、高校で学ぶ漢文や古文は、濁点や句読点が打たれているなど、意味がとれるように人の手が加わったものですが、原典にはそれはありません。つまり、清濁や句読点ひとつで意味が180°変わることもありうるわけです。
また、高校までに学ぶ西洋の哲学者が書いたものを、それが書かれた原語で読むことで、その哲学者に対するイメージがガラッと変わることもあります。
ホンモノに触れることは、まさに学問との出会いです。このような学修を経てこそ、深い教養や高い思考力が獲得できるのです。

「日本古典文学演習」初回(図書館所蔵の古典籍資料に触れる)

17世紀を代表する哲学者スピノザの著作および書簡
(Spinoza, Opera, im Auftrag der Heidelberger Akademie der Wissenschaften, herausgegeben von Carl Gebhardt, Heidelberg, Carl Winters Universitätsbuchhandlund, 1925 )

近代哲学の祖とされるデカルトの著作
LŒuvres de Descartes, publiées par Charles Adam& Paul Tannery, sous les auspices du ministère du l’instruction publique, Léopord Cerf, imprimeur-éditeur, 1905)

あなたはどこまで読めますか?(元禄版『おくのほそ道』「日本古典文学演習」資料)

芭蕉庵はどこ?「本所深川絵図」

Training Events

ホンモノに触れる授業×研修行事

玉川大学は大相撲観戦、歌舞伎鑑賞などの研修行事を積極的に取り入れていますが、国語教育学科の研修行事はひと味違います。

1年次 大相撲関係者講演→大相撲観戦

1年次に行われる大相撲観戦は、その事前研修として、日本相撲協会所属の方による講演を通じて、相撲界の伝統や力士の魅力、呼出や行司の役割など、相撲に関するリアルな伝統文化に触れます。

2年次 市川高麗蔵丈(現役歌舞伎役者)講演→歌舞伎鑑賞

2年次に行われる歌舞伎鑑賞は、その事前研修として、市川高麗蔵丈による講演 「職業と人生」を「キャリアセミナー」授業内で企画し、高麗蔵丈の歌舞伎役者としての生き方や歌舞伎の魅力について触れて理解を深めつつ、歌舞伎のリアルな世界に接近します。2024年度には、学生の希望で実際に高麗蔵丈から学生が立役と女形の所作をご指導いただく歌舞伎体験の機会を得ました。

市川高麗蔵丈(現役歌舞伎役者)講演「職業と人生」(学友会寄付講座)

高麗蔵丈より女形の所作の実演指導

3年次 和食テーブルマナー研修

3年次には、東京都内の一流ホテルで和食(会席料理)マナー研修を通じて、日本の食文化の伝統に触れ、和食の作法を身に付けます。
日本のホンモノの伝統文化を深く知ること。これが、国際的な視点、普遍的な視点をもつための第一歩です。

ホテル雅叙園東京での会席料理テーブルマナー研修(2023年)

Endowed Courses

充実した学友会寄付講座