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【玉川学園キャンパスの木】大阪・関西万博「サテライトスタジオ(東)」において、聖山労作で間伐したヒマラヤスギと大学2号館解体に伴い伐採したカナリーヤシが、建物の柱として使われています。

木を循環する

2025年10月13日にまで、大阪市 夢洲(ゆめしま)で開催されている大阪・関西万博において、玉川学園キャンパスの木が会場内木造建築物の柱として採用されています。

柱として利用されているのは、万博会場内の海側に位置する放送用スタジオ「サテライトスタジオ(東)」です。この「サテライトスタジオ(東)」設計は、名古屋市の株式会社ナノメートルアーキテクチャー一級建築士事務所が手掛けたもので、設計コンセプトは、『一般的な建材を扱う合理性を捨て、規格も入手ルートも不鮮明な非合理的な手法で建築をつくる』というもの。そこで使われる木が、どのような由来=ストーリー性を持つか、個性的なバックボーンを持つ、実に厄介で愛らしい木たちを主役に据え、木や建築そのものにストーリー性という新たな視点で批評できる価値観を養うことを目的としています。

玉川学園は「自然の尊重」と「全人教育」を理念に、長年にわたり植林活動を行い、豊かな里山環境を育んできました。しかし、その過程で成長しすぎた木々は間伐が必要な状態、すなわち「困った木」となっています。間伐は森林の健康を保ち、生態系の維持にも重要です。人の手を加えて管理する里山は、自然と人との関わりを象徴しており、「困難」を「まごころ(悃)」に変える姿勢を、玉川学園は労作教育を通じて実践しています。その一環として、毎年2月に里山管理として行う聖山労作により間伐したヒマラヤスギと大学2号館解体に伴い伐採したカナリーヤシは、この施設の円盤状の大屋根を支える「積み柱」の材として、「大学からやってきた木」として利用されています。

大阪・関西万博に行かれる際には、玉川学園の木をぜひご覧ください。

建物の円盤状の大屋根を支える「積み柱」と玉川学園キャンパスの木
万博会場内の海側に位置する放送用スタジオ「サテライトスタジオ(東)」
聖山労作で間伐したヒマラヤスギ(上)
大学2号館解体に伴い伐採したカナリーヤシ(下)