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お知らせ

第44回横浜開港祭に出展
木材×テクノロジー×探究学習——玉川発の“循環”を多くの来場者へ発信

学外イベント

2025年5月31日(土)・6月1日(日)、6月2日(月)横浜・みなとみらいで開催された「第44回横浜開港祭」に、玉川大学・玉川学園が共同で出展し、「Tamagawa Mokurin Project」とサンゴ研究部がブースを展開しました。

Tamagawa Mokurin Projectは、玉川学園の森で育まれる木を「伐って・使って・育てる」循環型の森林活用と、学生の探究的な学びを融合させた実践教育活動です。今回の出展では、大学生と中・高校生が連携し、木の価値を再発見するワークショップや展示・販売を実施。来場者に自然素材の手触りと先端技術の可能性を体感していただく機会となりました。

木材とデジタル技術の融合
——大学生による体験型ワークショップ

玉川大学工学部平社ゼミの学生たちは、キャンパス内で間伐されたヒノキ材を活用し、お気に入りの写真をレーザー加工で焼印するオリジナルコースター作りのワークショップを実施しました。来場者のスマートフォンから写真データをその場で転送してもらい、木の表面に写真を焼き付けるという体験は、他にはないユニークなもので、多くの注目を集めました。

学生たちは、写真の内容について来場者と会話を交わしながら、「なぜこの写真を選んだのか」「どんな思い出があるのか」といったエピソードに耳を傾け、和やかな雰囲気の中で交流を深めました。その中で、自分たちが学んでいるデジタルファブリケーションや木材加工の技術、環境とのつながりについても丁寧に説明。ワークショップは、ものづくりの楽しさに加えて、技術と人、自然をつなぐ学びの実践の場となりました。

また、学生たちはワークショップの合間にも積極的に声をかけ、間伐材の活用や森林保全の重要性、循環型社会を目指す本学の取り組みについて丁寧に紹介しました。準備・設営から当日の運営、接客対応までを自ら手がけ、学びを社会につなげる貴重な実践の機会となりました。

中高生も主体的に参加
——「労作教育」とSDGs

玉川学園のブースでは、中学・高校の生徒たちが、日頃の探究活動を来場者に紹介。今井先生、森先生が顧問のサンゴ研究部は、海洋環境の悪化によって白化したサンゴを活用し、沖縄や東京湾をはじめとした海洋の課題を自分たちの問題として考える活動を展開。ブースでは、白化サンゴを使った「玉川サンゴコーヒー」の提供に加え、珊瑚礁レジンで加工したオリジナルキーホルダーの販売も行いました。環境問題を身近に感じてもらう工夫が施されたこれらのアイテムは、来場者の関心を集め、対話のきっかけともなりました。

また、瀬底先生、石黒先生が顧問の美術部アートラボ班は、キャンパス内で伐採された間伐材を活用し、カッティングボード、スパチュラ、コースター、豆椅子、カリンバ、キーホルダーなどの多彩な木工品を制作し販売。来場者の目を引く丁寧な作品が並び、資源循環やものづくりの楽しさを伝える取り組みとなりました。生徒たちは作品の特徴や制作背景について自ら説明し、木を活かす技術と発信力を磨く機会となりました。

雨でも伝えた、晴れに繋ぐ
——2日間の記録

初日となる5月31日(土)は、あいにくの雨天となりましたが、雨の中でも多くの方に足を運んでいただきました。学生たちは丁寧に対応し、天候に左右されない強い想いと対応力を見せました。2日目の6月1日(日)は打って変わって快晴に。ブースには終日多くの来場者が訪れ、作品制作や対話を通じて、玉川の取り組みを深く知っていただく時間となりました。

今回の出展を通じて、生徒・学生たちは「伝える側」としての経験を積むと同時に、自分たちの学びの環境を見つめ直す機会にもなりました。ある生徒は、「玉川学園のキャンパスには自然がたくさんあり、それを活用できる設備が整っていて、丁寧に指導してくださる先生方がいる。この環境が当たり前だと思っていたけれど、来場者と接することで、それがとても恵まれたものだと気づいた」と語りました。

訪れた人々に自分たちの活動を紹介し、問いかけられたことで、自身の学びの価値や意味を再認識することができたと、生徒・学生が振り返っています。教育の現場と社会との接点を持つことは、これからの成長につながる大切な経験となりました。

6月2日(月) キャンパスの魅力を伝えるフォトスポットも登場

イベント最終日となる6月2日(月)は、生徒・学生が授業のため参加できなかったため、総務部管財課がブース対応を行いました。この日は、より多くの横浜開港記念日の記憶に残るようにと、間伐材で製作した木製ワゴンを使ったフォトスポットを設置しました。

ワゴンには、玉川大学芸術学部ガラス工房協力により制作されたガラスの鉢カバーに、農学部が栽培した黄色いコスモスなどの草花をディスプレイ。木とガラスと植物が調和した、温かみのある展示に多くの方が足を止め、スマートフォンで撮影していただけました。

この3日間の出展は、K-12の生徒、大学の学生、そして教員と事務職員が連携して取り組むことで、無事に終えることができました。年代や部門を超えて協力し合い、玉川大学・玉川学園ならではの多様な学びと魅力を発信する貴重な機会となりました。

「学内で学んだことを、社会へ発信する」「自然との共生や持続可能性を、自らの言葉で伝える」——この3日間は、学生・生徒たちにとって、そんな実践の場であり、大きな成長の場でもありました。

今後も玉川大学・玉川学園では、こうした課外での社会的実践の機会を大切にしながら、「学びの循環」を地域・社会とともに育んでいきます。