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玉川学園の自然が教材に

学内イベント

K-12 Primary Division(小学部)5年生のサマープログラムで「手ごね石鹸」と「アロマウッド」を制作

7月17日(木)・18日(金)、Primary Division(小学部)5年生を対象としたサマープログラムをK-12経塚校舎美術室で実施しました。
今年も、Tamagawa Mokurin Project(タマガワ モクリン プロジェクト)の一環として、玉川学園の豊かな自然資源を活用した体験型ワークショップを行いました。

タマガワイーサポート山崎さんと「自然とつながる体験」を

今回のワークショップで講師を務めたのは、学園内の植栽管理をはじめ、施設や工事全般を担う「株式会社タマガワイーサポート」の山崎祥子さん。
普段は子どもたちの安心・安全な学びの場を裏方として支えている山崎さんが、“木”や“香り”をテーマに、自然とのつながりを感じる学びの場を子どもたちに届けてくださいました。日頃、玉川の自然を教育に結びつけたいと考えていた山崎さんならではプログラムです。

学園の自然から生まれた「石鹸」と「アロマウッド」

今回制作したのは、学園内で摘果された夏みかんや剪定された八重桜・ハーブを使った「八重桜の手ごね石鹸」、そして学園産の夏みかんから抽出した精油を活用した「夏みかんのアロマウッド」。
アロマウッドの土台には、K-12経塚校舎(小学部校舎)前にあった3本のヒマラヤスギの枝をスライスして作ったコースターを使用しました。

このヒマラヤスギは、85年以上の時を学園とともに過ごしたのち老木となり、安全のため伐採されましたが、その命は終わることなく、農学部の管理のもと苗木として育てられ、また、こうして子どもたちの教材として新たな学びに生かされています。
自然のサイクルを体感できるこの取り組みは、まさに「命をつなぐ教育」といえるでしょう。

夢中で取り組む子どもたちの笑顔があふれました

活動中、子どもたちは
「この香り、お庭のハーブと似てる!」
「みかんのにおいがする!」
と、五感を使いながら、自然の恵みを全身で感じて制作に取り組んでいました。

完成した石鹸やアロマウッドを手にした子どもたちは、
「早くおうちに帰って、お父さんとお母さんに見せたい!」と笑顔いっぱい。
見守っていた先生からも「みんなの顔が本当に楽しそうでした」との声が聞かれました。

木の輪が人の輪に─Tamagawa Mokurin Project の広がり

このワークショップには、香育やハーブの専門家である黒澤千代子さん、そして玉川学園卒業生の原田尚子さんも講師として参加してくださいました。
黒澤さんは「子どもたちの柔軟な発想や、私たち大人では思いつかない表現力に驚かされ、むしろ学ばされました」と、子どもたちとの時間を振り返って語ってくださいました。

Tamagawa Mokurin Projectは、自然とふれあうだけでなく、そこから人と人のつながりを生む“木の輪”の広がりを大切にしています。

この輪は、地域や専門家、卒業生へと広がり、子どもたち一人ひとりの「学びの森」を、より豊かに育んでいます。

ひとつの学びに、多くの手が─ワークショップを支えた人たち

このワークショップの背景には、多くの人々の協力がありました。
学園内で収穫された夏みかんは、タマガワイーサポートのスタッフの皆さんが丁寧に収穫・果皮の加工を行い、その果皮を香育の専門家である黒澤千代子さんと、卒業生の原田尚子さんに託し、水蒸気蒸留によって精油が抽出されました。この精油は「夏みかんのアロマウッド」に使用されています。

また、学内で採集された八重桜の花は、香りを引き出すために塩漬けに加工され、pHによる色の変化を活かすために、繰り返し試作と検証が行われました。この塩漬け八重桜は、「八重桜の手ごね石鹸」の材料として使用されています。

さらに、ヒマラヤスギのコースターの準備には、農学部卒業生の折村さんが協力。当日は、芸術学部3年生の溝口さんも飛び入りでワークショップを支援し、子どもたちの制作活動をサポートしてくれました。

卒業生の原田さんは、「これから玉川の子供達と香りや自然に関わる活動に携わっていきたい」と語っており、Tamagawa Mokurin Projectがつなぐ“学びの輪”が、在校生・卒業生・地域・専門家・学園スタッフへと広がっていることを実感できる機会となりました。

ひとつのワークショップに、多くの想いと手仕事が込められています。
このような協働による学びを、玉川学園はこれからも大切に育んでまいります。

自然とともに生きる力を育む場所、それが玉川学園です

玉川学園では、豊かな自然環境を活かした学びを通じて、子どもたちの感性・創造力・協働力を育む教育を実践しています。
木にふれ、香りを感じ、手を動かしながら、自ら考え表現する体験を重ねる中で、子どもたちは生きた知恵と学ぶ喜びを身につけていきます。