玉川大学芸術学部 木工作品の展示会
「鈴木純郎 個展『Variations ~ 樹木のメタモルフォーゼ』」開催報告
― 芸術学部×Tamagawa Mokurin Project ―
巡り合う木が、作品を導く ― Variations ~ 樹木のメタモルフォーゼ
2025年10月28日から11月6日まで、玉川大学 STREAM Hall 2019 2F 200Bスクエアで、「Variations ~ 樹木のメタモルフォーゼ」鈴木純郎 個展 が開催されました。
この展示は、木と人の対話をテーマにした「木のアート」作品が並びました。
鈴木純郎先生は、「作りたいものを決めて木を選ぶ」のではなく、出会った木材や木の実の形・質感・香りなど、木そのものが持つ特性を感じ取りながら作品を生み出すアーティストです。
虫食いの跡、割れ、節、枝ぶりといった“自然が刻んだ造形”を活かし、木がもともと持つ生命力や時間の流れをそのまま表現しています。

木の特性を生かすアートと教育 ― Tamagawa Mokurin Projectとは
玉川大学が展開する Tamagawa Mokurin Project は、キャンパス内で生まれる伐採木や倒木を再利用し、教育・アート・地域連携へとつなげる活動です。
木の乾燥・保管を行う Tamagawa Wood Seasoning Station(TWSS) では、木材の一つひとつが「新しい学びの素材」として再び息を吹き返します。
本展で使われた木にも、TWSSで保管されていた木々の中から、鈴木先生が「語りかけてくるもの」と出会い、そこから作品の形が導かれました。

展示の見どころ
木の声を聴く ― 自然と人との対話
作品の出発点は「素材の声」。
落ち枝や虫食いの木、節のある木片など、いわば“個性の強い木材”との出会いから、木が「自分はこうなりたい」と語る形を、鈴木先生が丁寧に受け止めていきます。
木の変容(メタモルフォーゼ)を形に
作品は、木の持つ色味・肌触り・密度をそのまま活かしながら、彫刻や立体造形、器などに変化していきます。
「木を加工する」ではなく、「木が導くままに形をひらく」 ― そんな制作姿勢が会場全体を貫いていました。
玉川大学が育む「木を活かす教育」
玉川大学では、木を「生きている素材」として扱う教育を重視しています。
木の伐採から乾燥・加工・表現に至るまでを学ぶことで、学生は自然との関係や素材を尊重する感性を身につけます。
玉川大学では様々な学部が連携し、木の循環利用・環境教育・創造性育成に取り組んでいます。
