未来電車 ― 自然と未来をつなぐ、玉川学園 Art Lab の環境アート ―
玉川学園 Art Lab(小6〜高3)の生徒たちが、2025年10月26日(日)~11月9日(日)で開催された、町田「Park Fest 894 in 西園」に間伐材を活用した大型作品 「未来電車」を出品しました。
玉川学園で伐採された間伐材や、キャンパスで生まれた廃材を素材に、自然・時間・未来をテーマにした環境アートとして制作されました。
作品の前に立つと、木の香りや質感、LEDの光がひとつの世界を作り出し、自然とアートが織りなす物語の中に入り込んだような感覚を覚えます。

自然のカーブがそのまま線路に
— 木と向き合い、木に学ぶ作品制作 —
「未来電車」の線路には、間伐材の枝を縦に二等分した木片が使われています。
直線ではなく、枝そのままの曲線。節や歪み、木肌の質感。
これら、自然が生み出した形がダイナミックに活かされ、作品全体に独特の躍動感を与えています。
人工物では生まれないこの線路は、自然のリズムに乗って時代を駆け抜けるレールそのもの。生徒たちは一本一本の枝に触れ、「木って、まっすぐじゃない。だから面白いんだ」そんな気づきを得ながら制作を進めていきました。
過去・現在・未来の電車が走る
— レーザー加工とLEDが紡ぐ“時間”の演出 —
作品には、過去・現在・未来をイメージした電車がレーザー加工で作られ、線路上に配置されています。
夕暮れ後には電車の内部がLEDで照らされ、窓の光が夜の森に静かに浮かび上がります。その光景はまるで、「時間という線路を、世代を越えて走り続ける物語」を見ているよう。過去の姿を受け継ぎながら、今を走り、未来へ向かう。生徒たちの時間への感性が、木と光を通して表現されています。
廃材が街になる
— 作品は鑑賞者とともに育つ参加型アート —
線路の周囲には、玉川学園内で出た廃材を使って作られた建物が並んでいます。
さらに作品横のライブラリーには、観覧者が自由に使える廃材ピースを用意。
子どもから大人まで、誰でも小さな建物をつくって線路の世界に加えることができます。作品は展示期間中に少しずつ姿を変えていきます。訪れた人の手によってまちが広がり、風景が育っていく。自然と人が一緒に未来をつくる共創のアートです。
自然は変わらずに未来を支え続ける
「未来電車」に込められた中心のテーマは、自然は過去から未来までずっと私たちに寄り添ってくれるということ。
間伐材も廃材も、本来なら見過ごされ、役目を終えるはずの素材。
しかし生徒たちの手によって再び命を吹き込まれ、光をまとい、物語をつむぐ存在へと生まれ変わりました。
過去も、現在も、未来も。
自然とどう向き合うかによって、私たちの未来は変わります。
「未来電車」は、生徒たちがその問いに向き合い、木と対話しながら作り上げました。

展示概要
- 作品名:未来電車
- 制作者:玉川学園 Art Lab(小6〜高3)
- 展示期間:2025年10月26日(日)〜11月9日(日)
- 会場:町田薬師池公園 四季彩の杜 西園[ライブラリー・ラウンジ棟内・外]
