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お知らせ

炭で森を守り、未来をつくる。
― 都市の森で挑むマイナスカーボン社会 ―

木を循環する

CO₂を減らすだけの時代から、吸収する時代へ。

地球温暖化が進む今、世界の目標は「カーボンニュートラル」にとどまらず、CO₂吸収が排出を上回る「マイナスカーボン社会」へと移りつつあります。

玉川大学農学部環境農学科 友常満利准教授は、その実現方法として炭(バイオチャー)の力に着目し、玉川学園キャンパスの森を舞台に世界でも例の少ない都市型実証研究を進めています。

昔の知恵 × 最新科学

日本ではかつて、農家が畑に炭を撒き、土壌を豊かにする知恵がありました。

この伝統的な知恵に現代科学を掛け合わせることで、森を元気にしながらCO₂を固定する仕組みが生まれています。

炭が都市の森を変える4つのプロセス

プロセス 内容
① バイオ炭の投入 キャンパス内の間伐材・落枝・竹を炭化し土へ戻す。
② 土壌改良 炭が通気性・保水性を高め、微生物が活性化。根が伸びやすくなる。
③ 樹木の成長促進 木が健康に育ち光合成量が増加。CO₂吸収量がUP。
④ 炭素固定 & カーボンシンク化 木が吸収したCO₂+炭に含まれる炭素が土壌に長期固定。都市の森が「炭素貯蔵庫」へ。

「樹を炭にして残すこと」— それが未来の地球に貢献する新しい方法。

現場から生まれた学び ― 学生の声

研究に参加している学生はこう語ります:

「炭を森に撒いたあと、土や植物の変化を観察できました。自分が作った炭が森に還り、生態系が変わっていく過程を追えることがこの研究の魅力だと思います。」

研究は机上ではなく、森に立って、自分の手を動かして学ぶ体験でもあります。

Tamagawa Mokurin Projectと連動した実証の特徴

  • 都市域の森林を研究フィールドに活用
  • 間伐材を炭化し、資源循環モデルを可視化
  • 散布前後の環境変化を科学的に比較
  • 小学部〜大学院までの環境教育と連動

これらは、大学キャンパスで実証するマイナスカーボン研究として全国的にも珍しいケースです。

炭の可能性は、森だけでは終わらない。

研究から生まれた炭は、次の活用にも広がっています。

  • 土壌改良材
  • 消臭・調湿材
  • 研究教材・ワークショップ
  • 都市型林業の試験素材
  • アート素材
炭を知ってもらうために花炭にも挑戦

キャンパス産の樹木や竹などが炭として新たに生まれ変わり、暮らし・教育・研究をつなげています。

環境、農学、都市再生、SDGs、探究学習に関心があるなら、この研究はきっと刺激になるはずです。

  • 森林や土壌の変化を観察する
  • 最新の環境科学を体験する
  • SDGsや気候危機を自分ごととして考える

「自然を守る方法は、意外と近くに落ちている。」

―それを感じられる研究です。

未来へのメッセージ

炭を土に戻すだけで、CO₂は減らせる。

友常准教授は、玉川大学から世界へ、都市型循環社会モデルとして発信を続けています。

私たちは、研究・教育・循環型デザインを組み合わせ、自然と人が共に生きる未来のスタンダードをつくります。