身近な自然が学びの教材に
玉川学園の葉っぱから生まれる「たたき染め」と森のアート
玉川大学教育学部通信教育課程 夏期対面スクーリング
玉川学園の自然を、子どもの学びにつなげる
2026年8月3日から15日まで、玉川大学教育学部通信教育課程の夏期対面スクーリングが行われました。スクーリングⅠ期の「保育内容指導法(環境)」を担当したのは、仁藤准教授です。この授業では、玉川学園の豊かな自然環境を身近な教材として活用し、子どもたちと一緒に自然を楽しみ、発見や表現につなげる活動として「たたき染め」に取り組みました。
たたき染めは、植物の葉を布の上に置き、木づちなどで叩くことで、葉に含まれる水分や色素を布に移し、葉の形や葉脈を写し取る方法です。今回の授業では、まず学園内を歩きながら、形や色、葉脈の様子などを観察し、「面白い」と感じた葉っぱを自分で探すところから活動が始まりました。
「たたき染め」とは、どんな遊び?
葉っぱの裏側を下にして布に並べ、クリアファイルに挟んで木づちでトントンと叩きます。植物の水分が布に染み出してきたところで葉を取り除き、酢水に浸してから水洗いし、乾燥させます。身近な植物の姿が、そのまま布の上に現れることが、この活動の大きな魅力です。
受講生の作品には、葉っぱの形や葉脈がくっきりと表れ、それぞれに違った表情が見られました。同じように見える葉っぱでも、選ぶ場所や並べ方、叩き方によって仕上がりが変わります。自然そのものが持つ個性が、そのまま作品の個性になっているのが印象的です。
自然を「見る」から「感じる・考える・表現する」へ
幼児期の子どもにとって、自然との出会いは、単に植物の名前を覚えるためだけのものではありません。葉っぱの形や色、手触り、大きさの違いに気づき、「どうしてこんな形なんだろう」「この葉っぱは何に見えるかな」と興味を広げることが、観察や発見、想像力、表現する楽しさにつながります。
たたき染めは、自然観察と造形表現を一つの活動の中で体験できる点も特徴です。自分で見つけた葉を素材にして、どこに置くか、どのように叩くかを考え、最後に現れた模様を見て驚いたり、友だちの作品と比べたりする。こうした一連の体験を通して、子ども自身の「やってみたい」「もっと見てみたい」という気持ちを育てることができます。
今回の授業では、こうした自然を教材にした活動を、将来子どもたちと関わる教育・保育の場でどのように生かしていくかを考える機会にもなりました。
たたき染めに使わなかった葉っぱも、別の表現活動に活用しました。葉っぱの形や大きさを見ながら組み合わせることで、自然素材が新しい作品へと変わっていきます。中には、葉っぱで玉川学園内のチャペルを表現した作品もありました。
使わなかった葉っぱも、別の作品に

葉っぱで玉川学園内のチャペルを描いた作品
「葉っぱアート」や「森の福笑い」では、葉っぱに目をつけたり、形や大きさの違う葉を組み合わせたりすることで、キリンや車、髭のおじさんなど、さまざまな作品が生まれました。葉っぱをよく観察し、その形から別のものを想像し、組み合わせて表現することで、自然素材が自由な創造活動のきっかけになっています。
葉っぱをよく見ると、「これは顔に見える」「この形は動物に似ている」といった発見が生まれます。遊びながら自然の形に親しみ、そこから自由に想像を膨らませていくことができます。
「森の番人」と「切り株アート」
葉っぱおばけの鬼ごっこや「森の番人(ウッディー)」など、自然を使った遊びも展開されました。自然素材を使った遊びは、素材そのものの特徴を楽しみながら、参加する人の発想によって遊び方が広がっていきます。
6日間のスクーリングの思い出は、ケヤキの輪切りにも描かれました。葉っぱで作った森の番人を切り株にも描くなど、葉っぱだけでなく木そのものも表現の素材として活用しました。作品を見ていると、一人ひとりの発想や個性が感じられます。

キリン

(左)葉っぱで作った森の番人「ウッディー」。(右)切り株にも描きました。
自然を学ぶ、自然から学ぶ
スクーリングでは、アクア・アグリステーションの見学も行われ、アワビ養殖の様子など、玉川学園内のさまざまな環境に触れました。一つの授業の中でも、植物、木、水、生き物など、身近な自然がさまざまな学びにつながっています。
一枚の葉っぱから、未来の学びへ
何気なく落ちている一枚の葉っぱも、見方を変えれば、観察の対象になり、遊びの素材になり、そして子どもの想像力や表現を引き出す教材になります。玉川学園のキャンパスには、こうした学びのきっかけが日々の暮らしのすぐそばにあります。

髭のおじさん

葉っぱに目をつけて「森の福笑い」
