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お知らせ

玉川大学×北海道森町 交流プロジェクト2026

学外イベント

― 木の恵みをつないで、学びと笑顔が広がった2日間 ―

2026年8月、玉川大学リベラルアーツ学部の学生が北海道森町を訪れ、子どもたちを対象とした木育・ものづくり・交流プログラムなど、地域とのさまざまな交流活動を行い、森町と玉川の自然や文化を学びました。

そして、今回の交流は、これまで森町と玉川大学が築いてきたつながりが、さらに新たな一歩を踏み出す機会にもなりました。

北海道森町と玉川大学の歩み

玉川大学リベラルアーツ学部では、「オフキャンパス・スタディーズ」の授業の一環として、地域創生活動を展開してきました。

2008年から北海道函館市で活動を開始し、2012年からは北海道茅部郡森町を拠点に継続的に取り組んでいます。これまでに延べ200名を超える学生が参画し、地域課題に向き合いながら、児童を対象とした企画を自ら考え、実践する実践型教育プログラムとして発展してきました。

さらに、2022年に玉川学園に「Tamagawa Mokurin Project」が発足。2023年には森町に若年層担い手育成施設「iroMori」が開設され、農林課や地域おこし協力隊を中心に、木材振興や木育に取り組んでいます。

こうした両地域の取り組みを背景に、現在では、玉川学園のキャンパスで生まれた木材や端材を活用した交流企画など、新たな学びの形が生まれています。

そして2026年8月20日、教育、文化、産業、まちづくり、環境、学術等の分野において相互に協力し、活力ある個性豊かな北海道森町の振興と、地域で活躍する人材の育成に貢献することを目的として、森町と玉川大学は連携協定を締結しました。

長年にわたる交流が、教育・地域・自然・文化をつなぐ新たな連携へと発展しました。

2026年8月21日(金)午前 ― 森町の郷土料理を味わう

交流初日の午前は、森町を知るフィールドワークの一環として、森町女性団体協議会の皆さまにご協力いただき、郷土料理体験を行いました。ベビーホタテを使った炊き込みご飯や、カボチャとチーズの春巻きなどを、地域の皆さまに教えていただきながら調理。地元の食材や食文化に触れるとともに、調理や会話を通して森町の暮らしや地域の魅力への理解を深めました。

午後からは、地域の子どもたちを対象に、ゲーミフィケーションの手法を取り入れた教育実践を行いました。学生たちは、楽しさや主体的な参加を学びにつなげるというゲーミフィケーションの考え方を実践の場で活用し、子どもたちの反応を捉えながら活動を展開しました。地域を知るだけでなく、大学での学びを地域の中で実践し、検証するフィールドワークとなりました。

2026年8月21日(金)午後 ― スタンプを集めて 謎を解き明かせ!

午後は、子どもたちと大学生が一緒になって楽しむ教育イベント、「スタンプを集めて 謎を解き明かせ!」を開催しました。学生たちは、ミッション形式のゲーミフィケーションを取り入れ、木製の飛行機やコマ、ゴムの力で走る車、積木などを教材として活用。

3チームに分かれ、それぞれのチームが3つのミッションに挑戦。ミッションで獲得した得点が基準点をクリアすると、メダルを獲得できるゲームです。今回の大きな特徴は、3つのミッションすべてに、玉川学園のキャンパスで生まれた木材が使われていること。

ミッション① 組み立て飛行機!

1つ目のミッションは、玉川学園で間伐したヒマラヤスギのシートを使って飛行機をつくり、飛距離に応じて得点を競うゲームです。

「どうしたらもっと遠くまで飛ぶのかな?」

子どもたちは大学生と一緒に、飛ばす角度や力加減、機体のバランスなどを変えながら何度も挑戦しました。試行錯誤を重ねる中で、飛行機が飛ぶための「揚力」や「空気抵抗」、重心とバランスといった飛行の仕組みにも、自然と目を向けていきます。また、木を薄いシート状に加工することで飛行機の素材として活用できることにも触れ、木材の性質や加工、ものづくりへの関心を広げました。木に触れて遊ぶ体験を、「なぜ?」につなげるSTEAM型の学びとなりました。

ミッション② コマ回し大会!

2つ目は、玉川学園で間伐したサクラの木でつくったコマを使ったゲームです。

得点板の上でコマを回し、止まった場所の得点を競います。

「どうすればもっと長く回るのか」を考えながら何度も試す中で、子どもたちは回す力だけでなく、軸の傾きや重心、バランスなどによって回転の仕方が変わることを体感します。学生も答えを教えるのではなく、子どもたちと一緒に試行錯誤しながら、身近な遊びの中にある物理現象への気づきを促しました。

ミッション③ 積木で森町の「イカ」をつくろう!

最後は、玉川学園で間伐したクスノキ、サクラ、ヒノキ、スギからつくられた、さまざまな形の積木を使った造形活動です。子どもたちは森町を代表する「イカ」をテーマに、それぞれの発想で形を組み立てました。同時に、樹種によって異なる香り、手触り、硬さなどを五感で確かめることで、木材が一様な素材ではないことにも気づいていきます。大学生との会話を通して、造形という「Arts」の要素に、素材への科学的な観察を組み合わせ、木への理解を深める「木育」へとつなげました。

3つのメダルを合わせると……

3つのミッションを終えると、なんとすべてのチームがミッションをクリア!
子どもたちは3つのメダルを獲得しました。
そして、その3つのメダルを組み合わせると――

「2026 Tamagawa & Morimachi」

という文字が浮かび上がりました。

木を使った3つの教育活動を通して、子どもたちは楽しみながら木の違いや木材の使い方を学びました。さらに、主体的な参加を促すゲーミフィケーションと、STEAM(Science・Technology・Engineering・Arts・Mathematics)の視点を組み合わせることで、木材に触れる体験を科学やものづくりへの関心につなげる教育実践となりました。活動を通して、玉川と森町のつながりを感じる機会にもなりました。

2026年8月22日(土)午前 ― 森町F-1グランプリ!

2日目の午前は、「森町F-1グランプリ」を開催しました。

今回のテーマは、「端材を捨てずに、もう一度新しいものへ」。

子どもたちは、玉川学園と森町で生まれたさまざまな木の端材を使って、世界に一つだけのオリジナルカーを製作しました。

車体には、玉川学園でヒノキのポストカード立てを製作した際に生まれた端材を使用。

タイヤには、ケヤキのコースターを活用しました。

さらに、飾り付けには森町で生まれた木の端材を使用し、ナンバープレートには、玉川学園小学部1年生が剥皮間伐を行った際に出たスギの皮を使いました。

車の製作には、できる限り「新しい材料」を使わず、すでに生まれていた端材や木の素材をもう一度活かしています。

なぜヒノキ? なぜケヤキ?

車づくりの過程では、大学生が子どもたちに、木の特徴について分かりやすく伝えました。

車体にヒノキを使ったのは、ヒノキが軽く、丈夫な木であり、日本でも古くからさまざまな用途に使われてきた木だから。

車体が重くなれば、車は動きづらくなります。

「どうしたら軽くて丈夫な車にできるのか?」

そんなことを考えながら、子どもたちは車体をつくりました。

一方、タイヤにケヤキを使ったのは、ケヤキが硬く、丈夫な木だから。

大学生は、ただ「端材を使って工作する」のではなく、**「なぜ、この木を使うのか」**という理由まで子どもたちに伝えました。

木の性質を知り、その特徴を活かしてものをつくる。

そこには、遊びの中に自然と生まれる「探究」の学びがありました。

世界に一つだけの車、いよいよ出発!

車体の完成後は、ゴムの力を利用して自走する仕組みを取り付けました。ゴムを巻くことで蓄えられた弾性エネルギーが、タイヤの回転、そして車の運動へと変化する仕組みを、実際に走らせながら体感します。

子どもたちは、自分でつくった世界に一つだけの車を手に、最後はみんなで一列に並びました。

「よーい、スタート!」

一斉に走り出す車。

会場には子どもたちの歓声が広がりました。

「どうすればまっすぐ走るのか」「どうすればより遠くまで進むのか」。子どもたちは、車体の重さやタイヤ、軸のバランスなどを確かめながら試行錯誤を重ね、完成した車で走行に挑戦しました。

普段なら、簡単に捨ててしまいそうな小さな端材も、工夫して使うことで、新しいものに生まれ変わる。

学生たちは、ものを大切にすることや、木を無駄なく活かすことの大切さを、子どもたちに伝えました。

木を知ることは、森を知ること

今回の2日間、子どもたちはさまざまな木に触れました。

ヒマラヤスギ、サクラ、クスノキ、ヒノキ、スギ、ケヤキ。

木にはそれぞれ違った香りがあり、硬さや重さ、触ったときの感触も異なります。

学生たちは、そうした違いを子どもたち自身が「触って」「匂いをかいで」「考えて」「使って」感じられるように工夫しました。

木は、ただの材料ではありません。

そこには、その木が育った場所や時間、森を守り、木を育ててきた人々の営みがあります。

玉川学園の森で生まれた木が、北海道森町の子どもたちの学びに使われ、そして新しい笑顔を生み出す。

木を通して、人と人、地域と地域がつながっていきました。

2026年8月22日(土)午後 ― 森町巡検

2026年8月22日(土)午後は、森町への理解をさらに深めるため、「森町巡検」を実施しました。学生たちは町内を実際に巡り、自然や産業、食、文化、人々の暮らしなど、森町ならではの地域資源に触れました。今回の巡検では、単に地域を見て知るだけではなく、「森町の魅力を、地域外の人にどのように伝えられるか」という視点を持ってフィールドワークに取り組みました。巡検では、国指定史跡「鷲ノ木遺跡」の環状列石(ストーンサークル)も見学しました。約4000年前の縄文時代につくられた遺跡を実際に見ることで、学生たちは森町の歴史や文化、その背景にある自然環境への理解を深めました。今回の活動では「木」を一つのテーマとして地域と向き合っていますが、木材だけでなく、石や土地など、地域にある自然資源と人々がどのように関わり、暮らしや文化を形づくってきたのかという視点から森町を捉える機会にもなりました。

玉川大学でESTEAM教育を学ぶリベラルアーツ学部、教育学部、文学部、経営学部学生ならではの複合的な視点から、地域の魅力や可能性を捉え直し、それらをどのような方法でPRし、新たな価値として発信できるかを考えました。
実際に地域を歩き、見て、聞いて、感じることで得た気づきを、今後の森町の魅力発信につなげていくためのフィールドワークとなりました。

子どもたちと学生、それぞれに生まれた学び

今回のプログラムでは、子どもたち一人ひとりに大学生が寄り添い、活動をサポートしました。

「どうしたら飛行機が遠くまで飛ぶ?」
「この木は、どうして匂いが違うの?」
「どうしたら車がよく走る?」

子どもたちから生まれる一つひとつの疑問に、学生も一緒になって考えました。

学生にとっても、子どもたちに「木のことをどう伝えるか」を考えることは大きな学びです。

専門的な知識をそのまま伝えるのではなく、子どもたちが楽しみながら理解できるように工夫する。

そこには、地域創生を学ぶ学生だからこそできる、実践的な教育の場がありました。

参加した子どもたちからは、

「木のことを知れてよかった」
「お兄さん、お姉さんが優しく教えてくれて楽しかった」

という声も聞かれました。

ご協力いただいた皆さまへの感謝

今回のプロジェクトの実施にあたり、森町長 岡嶋康輔様、森町教育委員会の毛利繁和教育長、須藤智裕様、瀧澤学様をはじめ教育委員会の皆さま、森町女性団体協議会の皆さま、北海道森町地域おこし協力隊の松浦様、(株)タマガワイーサポートの滝澤様、山崎様、尾崎様に多大なるご協力をいただきました。郷土料理づくりから子どもたちとの交流、事前準備、会場の準備に至るまで、心温かいご支援とご指導を賜り、学生たちは安心して学びに打ち込むことができました。

ここに深く感謝申し上げます。

木がつないだ、森町と玉川のこれから

食、ものづくり、遊び、そして木育。

「木」をテーマに交流した2日間は、子どもたちにとって楽しい学びの時間となり、学生にとっては、地域とともに学び、未来を考える実践的な経験となりました。

2008年から始まった北海道での活動。

2012年から続く森町との交流。

そして、2022年に始まったTamagawa Mokurin Projectとのつながり。

2026年には、森町と玉川大学の連携協定という新たな一歩も加わりました。

森町の木と、玉川の木。
森町の人と、玉川の人。
それぞれの地域で育まれてきたものが、木を通して一つにつながっています。

玉川大学はこれからも、森町の皆さまと共に、自然や文化を活かした持続可能な交流と学びの場を育んでまいります。