玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2023年

玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2023年 > 「はるの ことば」文部省検定済教科書『新版 しんこくご 一ねん下』

「はるの ことば」文部省検定済教科書『新版 しんこくご 一ねん下』

「はるの ことば」文部省検定済教科書『新版 しんこくご 一ねん下』

垣内(かいとう)松三 著 光村図書出版株式会社
縦20.7×横14.8cm 1955(昭和30)年

今年も春の訪れを感じる季節になった。異常気象の影響もあるのか、昨今は季節を感じることが、少年の頃よりも遥かに少なくなってしまった。筆者が小学生の頃は、3月を過ぎると朝礼の校長先生のお話でも、授業のなかでも「春」という言葉が盛んに使われていたような気がする。
今回、紹介する資料は1955(昭和30)年に発行された小学1年生向けの国語の教科書である。このなかに、「あたたかい かぜ」という単元があり、春の訪れや年度末を意識した3つの教材が掲載されている。
「はるの ことば」は、この単元の冒頭にある。
教師が黒板に「はる」と書いたという着想のもとで、「はる」から様々な言葉を連想してつなげている。はじめの連想は「はる」から「あたたかい―お日さま―そら―青い―」と続き、季節を感じさせる。次の連想では「はる」ではじまり「二ねん生」で終わる。年度末を迎え、2年生に進級することを心待ちにする1年生児童たちの期待感が表現されている。

「全人」2023年3月号(No.880)より

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