鹿児島養護学校の皆さんは鎌倉時代の武士は何を食べていたのかを調べて,実際に作ってみんなで食べようと言うことになりました.
メニューは
玄米
梅干し
焼き魚(イワシ)
大根のみそ汁(皮付き.葉っぱ入り)
です.
こんにちは
むかしのひとのごはんを月曜日に作ります。玄米を蒸します。難しそうだけど頑張ります。
HPをみて貴族の食事も作りたいけれど僕は太っているから、それはしたいけど出来ません。
鹿児島養護学校中学2年 光将
ゲンボー先生こんにちは、
私は月曜日に鎌倉時代の武士の食事を作りたいと思います。私は歴史に興味があるので頑張って作りたいと思います。
鹿児島養護学校中学2年 ひかる
はじめまして、こんにちは僕達は今,鎌倉時代のことについて勉強をしています。その中で、来週の月曜日に武士の食事を作る事にしました。
鹿児島養護学校中学2年 翔
まずはあらかじめ水につけておいた玄米を炊きましょう. イワシもよういしなくちゃね・・・・
大根は皮ごと切ります.栄養がたっぷり・・・ 葉っぱも大切な野菜でした.
なかなかじょうずな手つきです・・・ ほらこんなにうまく切れたよ・・・・・
イワシも焼けたぞ・・・・・早く食べたい・・・・・ ハイ,できました玄米に焼き魚に,大根のみそ汁.
鎌倉時代の武士は質素ですが繊維質や栄養のたっぷり入っている料理を食べていました.玄米はよくかめば甘みもあってビタミンBもたっぷりです.イワシはカルシウムとタンパク質,大根のみそ汁はビタミンAやC・・タンパク質,食物繊維も豊富です.その上整腸作用もあります.貴族の食事は一見豪華でおいしそうですが,食物繊維が少なくパワーのでないものでした.それにひきかえ武士の食事は質実剛健!
みんな武士になったつもりで自分たち手作りの食事をしました・・素晴らしい!!!
武士の食事作りの感想
武士の食事を作って,ぼくは魚を盛りつけました。結構熱かったです。武士は毎日あんな食事をしているんだなあ。玄米は硬かったなあ。いわしは苦かった。汁も大根の葉を入れて苦かった。梅干しはすっぱくてからかった。
今の食事と比べて,物足りないような気がしました。ぼくは,あれを毎日は食べられない。今の食事はむかしとくらべて,ごうかでいろんなものがある。(光将)今回,武士の食事をたべてみて一番おいしいと思ったのは玄米です。玄米を口に初めて入れた時は,おいしくないと思ったれけど,何回もかんでみるとはくまいとあまりかわらず,とてもおいしかったです。そして,作ってみてわかったことは,貴族の食事より武士の食事のほうが健康的でとても強かっただろうなと思いました。また作りたいとおもいます。(ひかる)
きょうは武士の食事作りをしました。ぼくは,大根を切りました。玄米はかたく,いわしは苦く,だいこんも苦かったです。ぼくが思ったのは,当時の武士はこんな物をまいにちたべていたんだなあと言うことです。(翔)
皆さんからのお便り
玉川学園のCHaT Netで、拝見しました。おいしそうに出来ていましたね。武士の時代は今と違い、食べ物を保存する冷蔵庫も、冷めたものを一瞬で暖める電子レンジもない。第一、電気がなかったですね.食べ物を食べられるように調理するまでには大変時間がかかったことでしょう。そして、いつでも暖かいものが食べられるとは、実は最近になってあたりまえとなったことなのです。
また、硬くて、何回も良くかまなければならなかったでしょう?あごや歯が丈夫になりますよね。今の人々がまるでおなじような食事をとることはもう難しいですが、今回の活動でたくさんの発見をして、今からの食生活に生かしていけることでしょう。いろいろなことにチャレンジしてください。皆さんの活動報告を見れる日を楽しみにしています。玉川学園中学部保護者 T.K.光将君、ひかるさん、翔君。こんにちは。今年3月に高等部を卒業した小野公平です。覚えてますか?
「武士の食事を作ろう」の授業の様子を見ました。写真で見てみるとホントに質素な食事で驚きました。3人が感想で書いていたように『硬くて』『苦そう』に見えました。でもこういう食事が体にはいいんだよね。武士はホントに強かっただろうなあ・・・。3人が頑張っている様子が見れて良かったです。自分の後輩が頑張ってるんだと思ったら嬉しくなりました。これからもいろんなことに積極的に挑戦して、この授業みたいに楽しい経験を沢山してください。それではさよなら。卒業生 小野公平
社会科(歴史)学習指導案(略案) 鹿児島養護学校教諭 山口嘉子
期日 平成15年6月2日
時間 1〜2校時
場所 家庭科調理室
生徒 中学部2年1組 (男子2名女子1名 )
1 単 元「武士の台頭と鎌倉幕府」(8時間)
小単元「武士の食事を作ろう」(本時3・4/8時間)
2 目 標
(1) 鎌倉時代に台頭してきた武士や一般の民衆はどのような生活をしていたか調べる。
・ どんな食事をしていたか資料やインターネットで調べメニューを考える。
(2) 武士の食事を作り,「質実剛健」と言われた武士の生活を実感することで,武士や民衆の生活や文化を理解する。
3 本時の学習
学 習 活 動
指 導 の 留 意 点
準 備
1 メニューを確認する。 ・玄米の蒸しごはん
・大根のみそ汁
・焼き魚(いわし)
・梅干し
2 調理をする
a.玄米ご飯を作る。
b.大根のみそ汁を作る。
c.焼き魚
3 盛りつける。
4 会食をする。
蒸し器の使い方を説明する。 ※ 鎌倉時代はどのように蒸したのだろうか。
・大根の葉は,あく抜きをせずそのまま使用する。
・いわしの干物はグリルを使用する。
※ 魚は生ではなく加工する技術があったのだろうか。
※ 梅干しのような保存食は外にもあったのだろうか。
【調理の方法】
・蒸し器はあらかじめお湯を沸かておき蒸気を立てる。
・蒸し布をしき,玄米を入れる。
・30分間蒸す。
・包丁の使い方を支援する
・大根は水から,葉は沸騰後に入れる。みそはあらかじめ溶かした後,鍋に入れる。
・グリルの網に並べる。
・表裏5分間焼く。
・それぞれ器に盛り,梅干しを添 える。
・会食をしながら学習のまとめと なるよう発言を促す。
※ どんな味だろう
※ いつも食べているものと比べてどうだろう
※ 鎌倉時代はどんな道具を使ったんだろう
・それぞれの味を良く味わわせ,
感想を話し合う。
・食事作りの感想についても話し合う。
玄米(浸水すみ) 蒸し器,蒸し布
大根,みそ,
鍋,ざる,包丁,
まな板
いわしの丸干し
(グリル使用)
梅干し
4 生徒の様子
(1) 鎌倉時代の武士や民衆の生活は,資料集やインターネットで調べ,現在では見られない生活の様子にとても驚いていた。生徒たちは,テレビや映画に出てくる格好の良い武士のイメージが先行していたので,質素な暮らしに物足りなささえ覚えたようだ。また,現代の便利な生活と比べどんなに不便だったのだろう,食事はつまらなそうだなあという感想が優先し,歴史の流れの中でとらえるまでには至らなか った。
(2) 実際に武士が食べた食事を作ることになると,生徒の興味関心は一変した。普段とは全く違うメニューではあるが,自分たちで作ろうという気持ちが高まっていた。
材料を洗ったり切ったり,鍋を火にかけたり作業が進むぬつれて時計を何度も見ていた。「時間かかるんだね」あっという間にできるインスタントの食事作りに比べていた。できあがりはとても地味な色合いになった。
「からい」「苦い」と言いながら生徒たちは楽しそうに会食した。「玄米ってかんでいくと味があるね」「焼き魚も結構おいしいよ」「大根の葉は苦いけど・・・」
「武士はどんな風にご飯を食べたんだろうね」「作るのにも食べるのにも時間かかったね」「なんだかカルシウムとかビタミンとかいっぱいで健康って感じ」等々。
自分たちの恵まれた生活と比べ,武士の生活がいかに大変だったかなど会話は, 続いた。
(3) 武士の食事作りを通して,生徒たちは様々なことを考えたようだ。授業はこれから鎌倉幕府の成立へ入る。当時武士は母屋と同じ敷地に田畑も有した。当然農作業も一日の大切な仕事となった。土地を巡り争いも起こった。質素な生活をしながらたくましく生き抜いた武士の強さを今日の食事の「堅さ」や「苦さ」で具体的に体験したようだ。