玉川大学出版部の本


アジアするこころ -異文化理解のあり方-

河部利夫(東京外国語大学・東京国際大学名誉教授)著

四六判上製・176頁
定価 品切・オンデマンド対応
発行年月 :2002年8月
ISBN :ISBN4-472-30267-5 C1036
ジャンル :政治・経済

日本人にとって、アジアは常に古くて新しい課題である。21世紀のアジアにおける地域協力のあり方は? アジアへの真摯な思いとかかわりを綴り、国際から「地域際」の時代、東北アジア地域協力主義のなかに日本の生きる道があると強調する。文献によりかからない、即地的体験をふまえて描いているところが特徴である。

主な目次

まえがき

一 アジアを考える
  1 アジアとは何か
   アジアは屈辱において一つである/アジアの生命/アジアの可能性
  2 アジアの「悲しみ」と「怨念」と
   アリランの悲しみ/教科書問題/「だが、忘れません」
  3 東洋学者国際会議の反省
   文献学の限界/歴史するこころ/追体験する
  4 植民地化と民族分断
   「泣くのをやめないと、ムッシューが来るよ」(ベトナム)/「壁にもかかわらず、一つの民族だ」(ドイツ)/「統一よ、早く来い」(朝鮮半島)

二 異文化接触について
  1 私の異文化との触れ合い
   在外研究留学を想う/体感異文化さまざま
  2 文化は異なる
   文化を考える/文化は民族の「生きざま」/文化は異なる/「根の文化」への留意
  3 異文化接触のあり方
   国際のしくみ/国際のはたらき
  4 カルチャー・ショック
   主体性の危機/文化的緊張/夏目漱石のイギリス留学の挫折/留学の力学

三 日本における「外国研究」
  1 「外国学」ということ
   「外国学大学」の発想/「外国学」とは何か/「外国学・地域研究」の特質/「場」の考え方
  2 「地域研究」の方法
  3 「異文化経営学」の提唱
   異文化社会への対応/外国接近の三つの対応/境界人のあり方/異文化訓練について
  4 大事の遂行と無知--「兵用地誌」異聞
   PKO活動と現地情報/情報不足の失敗/梅肉エキスの効果/「旅人」か、「住まい人」か

四 アジアと日本
  1 日本へのアンビバレンス--昔も今も
  2 アジアの対日イメージ--経済摩擦と文化摩擦と
   二つの調査から
  3 日本を語るには
   わが異文化を説明する/異文化比較のかぎ言葉
  4 再訪「戦場に架ける橋」--戦争における責任を考える
   戦場に架ける橋、永久橋/二つの共同墓地

五 二一世紀、日本の生きる道
  1 図南から図北へ
   アジア欧州会議(ASEM)/図南から図北へ
  2 国際から「地域際」へ
   二一世紀は地域主義の時代/日本の生きる道/東北アジア経済共同体

雑 録
「ヴァスコ・ダ・ガマ時代」は終わった/三つの国名/言葉を知るとは/フィリピンに償うベンゲット路/ルーク・スア・ジップン(虎の子日本人、ラオス)/トアン・イマムラはえらかった(インドネシア)/野菜と栽培菜と/日本海と東海と/日韓トンネルの夢

あとがき

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